夏井先生のプロフィール
夏井いつき◎1957年(昭和32年)生まれ。
中学校国語教諭を経て、俳人へ転身。俳句集団「いつき組」組長。
2015年初代「俳都松山大使」に就任。『夏井いつきの超カンタン!俳句塾』(世界文化社)等著書多数。
8月の審査結果発表
兼題「墓参」
「天」「地」「人」「佳作」それぞれの入選作品を発表します。
日本は二時の方向墓参
そうり
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夏井いつき先生より
外地の「墓参」の句は他にもありましたが、具体的な地名を入れずに表現するのは中々に難しいのです。それを、「日本は二時の方向」というこれだけの措辞で伝えている点が巧いですね。「外地」とは、外国の地という意味の他に、第二次世界大戦敗戦前の本土以外の日本領土を指す言葉でもあります。その言葉の印象からでしょうか。私は、北方領土の島々への「墓参」、あるいは樺太の残留日本人のための「墓参」を想像しました。「二時の方向」とは、正面から約六十度の方向。「墓参」しているのは、北方墓参の親族でしょうか、政治家の一団でしょうか。
この墓に眠る人々は、「日本は二時の方向」にある故国を朝な夕な拝んでいたのかもしれません。歴史の重みをずっしりと抱いた「墓参」の一句です。
墓参り終へてしづかな石と花
おきいふ
墓を洗い、水を替え、新しい供花を挿し、お線香を立て、深々と合掌します。「墓参り」の手順が一通り終わってしまえば、そこには「しづかな石と花」があるのみ。後半の措辞に、その場の空気や心情も滲みます。
お互ひにひとりの墓参とふ会釈
さるぼぼ17
知り合いでもなんでもないのだけれど、「お互ひにひとり」で「墓参」に来ている人と目が合いました。事情があっての墓参なのか、天涯孤独の一人か。お互いに想像をし合いつつ、淡い「会釈」をして分かれるのです。
墓参り向こうの山は雨柱
鵺之疾秋
「墓参り」に来たところか、帰ろうとしているのか。ふと見渡すと、「向こうの山」には「雨柱」が立っています。こちらの墓山にも雨はすぐにやってきそうです。お線香に混じって、雨の匂いが押し寄せてきます。
花選ぶ時より墓参始まりぬ
花南天あん
地域によってオーソドックスな「墓参」の花が決まっていたりもしますが、故人が好きだった花を選んでいるのだろうと読みました。「花選ぶ時」から「墓参」が始まっているのだという感慨に寄り添いたくなる作品です。
墓参り海がきれいだ馬鹿野郎
山姥和
海の傍の「墓参り」です。この海で亡くなった人々の遭難碑の前に立っているのかもしれません。「海がきれいだ」という呟きは、事故のあった日の荒れた海をも想像させます。「馬鹿野郎」は愛惜の極みの悪態。
墓参とふ此岸のきはへ風清ら佐藤レアレア
墓洗ふ苔は生者のごと臭し常幸龍BCAD
鳥のこゑなんと明るし墓洗ふRUSTY=HISOKA
猿ガ出マス烏ガ来マス墓参うみのすな
墓洗ふ枯れたる供花の生臭しオキザリス
墓参水来ぬ能登の立水栓沖庭乃剛也
花立の水は鉄の香墓掃除音羽凜
けつたいな蔓薙ぎ払ふ墓参彩汀
日晒しの花器へ井戸水墓参り砂楽梨
墓参花屋は丈を心得て末広野暢一
墓となりし父のすなほに洗はるる高田祥聖
墓参りピアノの先生年取った高橋花紋
フェリーから指差す丘へ墓参ふくじん
火を奪ひくる海風や墓参もりさわ
坂道に縦列駐車墓参雨戸ゆらら
坂道に縦列駐車墓参村先ときの介
墓参五列目右へ八番目井原昇
墓参本堂右の八番目哲庵
三階の「さー55」へ墓参かな小川野雪兎
2区3号探し歩きて墓参り栩々万波
桜の丘ハの53墓参空豆魚
墓参D-13の田中ですポップアップ
番号で墓の位置知る墓参高山佳風
番号を目当てに歩く墓参ルーミイ
墓参いつもの寿司を食べてくよ新城典午
墓参りいつもの団子ほろ甘く鈴木季良恵
墓参り帰りはいつもの洋食屋諸岡萌黄
墓参り昼餉の寿司の鮮らけし猫またぎ早弓
墓参終へて美々卯のうづら蕎麦青居舞
墓参あとはカツ丼食うだけか朝方静流
墓参あと代替はりせし蕎麦処石上あまね
供養とて足は蕎麦屋へ墓参あとナンカラ牛眠
亡き父のひいきの店に寄り墓参名計宗幸
墓参りしてじいちゃんの好きなゲソ里山子
墓参また丘上の洋食屋雑魚寝
墓洗ふ父の背中を流すごとソフィ
墓洗う亡父背中を痒がったこうだ知沙
暑かろぅ背中流しちゃろぅと墓参正念亭若知古
父の背流したやうに墓洗ふ杉柳才
父母祖父母背中流すは墓参はるるん1号
蝋燭の芯の傾き墓参海峯企鵝
蝋燭の傾く炎墓参刈屋まさを
墓参り締めは総出のカチャーシーEarlyBird
廃屋を横目に過ぎて墓参り相生三楽
墓参先祖に顔を低くして会田美嗣
墓参夫の親族のみと居り藍野絣
抱き寄せるかたちの指や墓洗ふ青井えのこ
墓終ひまでの繋ぎの墓参かな青井季節
代々の喉仏似て墓参葵そら
頭上低くジェットの轟音墓参青井晴空
空は何故あおいのだろう墓洗う青田奈央
打球音響く土曜の墓参かな青砥転典
飛沫浴び石柱洗う墓参あおのめ
墓洗う婿に食べたい物を問う青山実香
芝台の蟻を流せる墓参り赤尾てるぐ
来年は更地の予定墓参赤馬福助
墓掃除白髪混じりの弟の黙赤尾実果
入籍の報告富士の墓参り愛柑
墓参り玄界灘の哮る風明惟久里
小平で自転車借りて墓参り聰子
初めての紐靴に草墓参亜木小鉄
被爆者の父の齢や墓参り空地ヶ有
葛城の山を見上げる墓参り秋月あさひ
弟の運転荒し墓参秋野茜
山すべて墓所となりけり墓洗ふ秋野しら露
目印の墓しまわれて展墓かな秋星子
竹筒と石の先祖や墓参り秋山らいさく
墓参害獣出たという電話芥茶古美
婚約の従姉妹まぶしい墓参淺井翠
墓参遺骨はわだつみの淵に朝雲列
料亭にさっきの家族墓参朝霧さら
墓参終えて白紙のスケジュール朝倉カグラ
墓参送電線の空の青明後日めぐみ
夫の墓参らば先に供華のありあさぬま雅王
あの時は腹に居た子と墓参あさのとびら
祖母の才継がぬ親子や墓参り浅乃み雪
朱い字の墓石洗う墓参かな麻場育子
墓無くて波見つめつつ墓参り亜紗舞那
叔父の嫁らしき人をり墓参芦幸
見えていて遠き山寺墓参あじさい卓
掃苔や太陽ひかるコップ酒葦屋蛙城
墓参荒れた田んぼにショベルカーあすなろの邦
賑やかに木立を進む墓参りあすなろの幸
墓参前に愛犬後ろ孫明日に翔会
エンディングノートへ手順墓掃除渥美こぶこ
水受けのタバコ移動し墓参アニマル可秘跳
墓参特に伝える事も無しあねもねワンオ
花の名を調べる夕べ墓参我孫子もふもふ
青空に鳩を放てり墓参の子我孫婆
うちの区画安くなってる墓参阿部八富利
墓洗ふ風向き変はる桜島天風月日
墓参左にも墓あったのにあまぐり
墓参香煙の向きふと西へ天鳥そら
墓参り土器の欠片のよな湯呑あまぶー
隣にも撒く除草剤墓参あみま
墓参り機上の人となりにけりアムゼルえりこ
墓参り手押しポンプの錆臭き雨李
背の伸びしこと褒められつ墓掃除綾竹あんどれ
人の音させて真昼の墓参かな綾竹ろびん
名をなぞり叱られに行く墓参荒一葉
墓参り手桶の水は緩くなりあらいゆう
建立は明治の初め墓洗ふ有本としを
墓参墓跡累累知らぬ名前在在空空
墓参どの田中家も顔見知り肖草
墓参ちちの時計は孫の手にアンサトウ
天上の星も滅するらし墓参飯田淳子
のり巻きは美味母方の墓参飯塚煮込
墓参より墓じまい始まりぬ藍創千悠子
被爆川沿ひを辿りて墓参あたしは斜楽
墓詣羊羮に皺一つなし足立智美
先頭を行く吾は長子墓参り飯沼深生
どこまでがうちのお墓だ墓参飯沼比呂倫
初めての町初めての墓参飯村祐知子
弾痕を洗うブラシや墓参家守らびすけ
墓洗ふ異国ヨコハマ凪ぎ渡るいかちゃん
意地になる兄や墓参の水重し五十嵐真人
墓参り顔も知らないひいばあちゃんいくたドロップ
風害の去りて静けき墓参生野薫
死んだらごみだその人の墓参明日池田悦子
山河にも久闊叙する墓参かな池田桐人
尾根伝ふ墓参の列の皆無言池之端モルト
墓参かな旧き序列の桶置き場イサク
手を合わせ心を無にす墓参伊沢華純
頭垂る浅き深きよ墓参り伊澤遥佳
場違いな罵声轟く墓参石岡女依
彫りたての戒名白し墓参石垣ようせい
箒目をつけて丁寧墓掃除石塚彩楓
揺らぐ火は先祖の会釈墓参り石橋桃青
墓参り樹林透け来る木魚の音石原花野
持つてゆく秘密はふたつ墓参石原由女
墓参りじつと見てくる野良の猫石村香代子
虫あやめたる手を合はす墓参かな和泉あやめ
寶歴の寶の字毀れ墓参和泉攷
墓参り指の形が父に似て遺跡納期
先ず飯を喰らつてからの墓参いその松茸
墓参り酒のおおくら前で下車いたまき芯
仏花じゃない花束持って墓参一井かおり
墓参末期の水もやれぬまま市川りす
昼飲みに飽きてぞろぞろ墓参いちご一会
墓参り問へば挙手の子二、三人無花果邪無
白球を追ふ声のする墓参いつかある日
「和」一字の墓を曲がりうちの墓参一久恵
フルートのいずこか聞こゆ墓洗う一愼
初めて聞く夫の話墓参井出奈津美
墓参り草には草の事情あり伊都
空襲に焦げし先祖の墓洗う伊藤亜美子
お団子は夕暮の味墓参り伊藤映雪
墓参り線香の火に触るる指伊藤恵美
暁や朝餉の前に墓参伊藤正規
遺骨なしの知らせペライチ墓洗ふ伊藤小熊猫
丘陵へ墓また墓や墓詣糸川ラッコ
石畳空色映す墓参かないとへん製作所
あの経は若住職よ墓洗ふ井中ひよこ号
参るべき猫の墓まであるを知る稲畑とりこ
寛永の斑菊紋墓参いなほせどり
墓参終えて羊羹厚く切る居並小
砂糖菓子さらう烏や墓参井上鈴野
墓参石屋のポチももう七歳井納蒼求
礎のおばあの名前墓洗う猪子石ニンニン
生家売る事をぽつりと墓参かないまいやすのり
句仲間の要の友の初墓参井松慈悦
墓ぬらす刹那に乾く音のしていまにしともき
見晴るかす忽那七島墓参妹のりこ
墓参り系図で予習済ませをり伊予吟会宵嵐
顔上げて山のどつしり墓参伊予素数
水鉢の空溢るるや墓参伊代ちゃんの娘2
墓参する己の影を踏みながら岩木順
墓参り母の手を取り臨時バスいわさちかこ
不両舌不綺語不瞋恚墓洗ふ岩清水彩香
雲影の巨き無音や墓参磐田小
日が沈み気が済みました墓参イワンモ
おそらくは入らぬ墓を洗ひけり植木彩由
この中に納まる日までの墓参植田かず子
従姉妹にも東京バナナ墓参りうえともこ
水を汲む順番まちの墓参り上野眞理
墓参りるる結婚を急かさるる上原淳子
霊園やアウディでゆく墓参り上原まり
墓参り隣の供花赤々宇佐美好子
墓洗ふ祖父他所の墓洗ふ祖父うすい木蓮
墓参ここがわたしの行止りうた歌妙
墓参り嫌いな父に似る自分空木眠兎
墓参り湾からの風灯を消しぬうつぎゆこ
玉砂利のまた減るを云う墓参靫草子
その鳥が去るまでよそ見して墓参宇野翔月
水軍の海を一望墓洗う卯之町空
父母の俗名をよび墓参海口竿富
墓参り磨き上げたる車椅子海野青
電動車椅子駆使する祖父と墓参梅里和代
墓参り爺ちゃんにはショートホープ梅朶こいぬ
雨風に任せて歩く墓参かな浦城亮祐
十回裏終へたところで墓参浦野紗知
葉に盛りし御強の艶よ墓参粳としこ
墓掃除吾は妣の歳を越えられぬ麗し
多分ここらあたりだよね墓参吽田のう
サッチモのカセットひとつ墓参江川月丸
墓参ばあちゃんがまた死ぬ話江口朔太郎
塩むすび一人食ひをる墓参かな蝦夷やなぎ
それぞれに己が苗字の墓洗う越冬こあら@QLD句会
この後を甥に託せり墓参江戸きりこ
あの頃の海がきこえる墓参り榎美紗
無き実家ながめながらの墓参榎本奈
墓洗ふきつと父には父の幸えりべり
墓参軽自動車の連なりて遠藤玲奈
線香の十束火を貸す墓参り旺上林加
甥姪へ柄杓を回す墓参近江菫花
墓参孫には孫の数珠持たせ大久保一水
墓参終へ戦争のこと地震のこと大久保加州
墓参淡海靄り舟も見ず大阪駿馬
吾も出世せざると父母の墓拝む大澤眞
墓石に帽子を被せ墓参大谷如水
拝む順繰り上がりをり墓参大塚恵美子
車椅子傍らまでの墓参大野純子
墓参ワンカップにも差す光大原妃
墓参り西方浄土に我が家見ゆ大矢香津
ネクタイの父よ墓参の車椅子大和田美信
喧騒の片隅なるや墓参岡井風紋
早朝の墓参にわかにクラス会岡井稀音
迷路めく右へ左の墓参おかえさき
比島沖文字をなぞるや墓参岡邦俊
桶へ水放つ大股墓参の子おかげでさんぽ
墓参となりの前も少し掃く可笑式
墓参り見下ろす海にくじら島岡田一竿
墓洗ふ父によく似る弟とおかだ卯月
タクシーは海岸回り墓参岡田瑛琳
縁ありて嫁ぎし義母の墓参り岡田恵美子
内縁のちょっと遠慮の墓参岡田きなこ
墓参り不仲の兄の供花のあり岡田ひろ子
よく似てる姉妹の尻や墓参岡田雅喜
墓を洗ひわかば一口吸ひて置く男鹿中熊兎
石段を登りて城仰ぐ墓参岡眞弓
墓参ひと雨過ぎし磴登る岡山小鞠
キャバクラのライター点かぬ墓参小川さゆみ
長生きは寂しきことと墓洗ふ小川しめじ
熱き石はかの日の渇き墓洗う小川天鵲
一族の古老となりて墓洗ふ小川都
ボットンの本家に寄ってから墓参荻原湧
墓参同期五人で歌ふ社歌小倉あんこ
ファンノート雨に打たれて墓参小島やよひ
いつもの花束いつもの墓参小田ビオラ
口聞かぬ兄弟もおる墓参かな小田毬藻
墨田川暮れて帰心の墓参おだむべ
形見なる紅の似合ひぬ墓参落句言
ついえれば父は善き人墓参り御成山
墓洗う瞬時に水はねつと化すおぼろ月
膝下を確かめ登る墓参海音寺ジョー
庭花の丈揃へたる墓参かいぐりかいぐり
墓参り同じ石段に躓きぬ海堂一花
地方紙を開き墓参の供華と菓子火炎幸彦
墓参末子は祖母の顔知らぬ加賀くちこ
墓参五十九日を生きた姉笠谷タカコ
墓参り供物を数へ子ら数へ風花美絵
いきさつを知らぬ養子や墓参り風早杏
享年を読んでいく子や墓参加座みつほ
ばあちゃんがすたすた歩く墓参かしくらゆう
ハモニカを吹きて終へるや墓参樫の木
両横の供花をみさだめ墓参かじまとしこ
旧仮名の祈祷五島の墓参かな華胥醒子
水汲みは長子の仕事墓参梶原菫
わが墓と思ひて墓を洗ひけりKAZU
墓参り納骨室の鍵光る片岡擢石
墓参終へまたねと山に一礼す加田紗智
墓参ぎこちない般若心経帷子砂舟
父憎しにくしにくしと墓洗う花鳥風猫
寝くじの子抱いて墓参の坂道よかつたろー。
墓参り魚の潜みし瀬を跨ぐ桂子涼子
孫できない体でごめん墓参月東ソコラ
子を洗ふかに父の墓洗ふ母かときち
三千年使う漢字や墓参叶田屋
家系図に明るき伯母や墓参仮名鶫
ウ冠なぞる歯ブラシ墓掃除金子泰山
海帰る心地墓参りの御経花蜜伊ゆ
凸凹の水汲みばけつ墓参神島六男
墓洗ふ我の薄皮剥ぐ様に神長誉夫
朱色消し全き石の墓洗う紙谷杳子
墓参り園児の歌うアンパンマン亀子てん
祈るほど石乾きたる墓参かな亀田荒太
墓参り終えてそのまま再入院かもめ
墓参あの住職も銀歯かな加山シンゴ
墓参坂の上にて父は待つ加裕子
頼まれたまま墓参するだけだ狩谷わぐう
饅頭を提げて七駅墓参河上摩子
再婚は白紙はらはら墓参川越羽流
月夜野の里見渡すや墓参川崎ルル
釋の字の漫ろな掠れ墓参翡翠工房
大ぶりのピアス外すや墓参河村静葩
墓参百年前と百年後カワムラ一重
墓参擦れつ枯らしの義姉とゐる川村ひろの
あの皿の件を自白す墓参干天の慈雨
笑い声ばかりの車中墓参神無月みと
右手パパ左手GODZILLA墓参岸壁の龍崎爺
子のなくて鳥の糞まる墓洗ふ閑酉
墓洗う指に反抗期の微熱喜祝音
墓参通勤バスを途中下車季川詩音
塩漬けの櫻葉香し墓参岸本元世
大酒の父に一合墓参り酒暮
魂の居場所の匂い墓参季切少楽・いつき組広ブロ俳句部
線香を配る妹墓参り北大路京介
合掌のごとき蕾や墓参北藤詩旦
よそもんのクルマの群れや墓参北村崇雄
住職の母出迎える墓参貴田雄介
墓参他家の墓石の赤き錆ギックリ輪投げ
いませんと言われても行く墓参吉左右
墓参仏花に正面ありにけりきつネつき@Vtuber
我々の終の棲家の墓洗ふ木寺仙游
墓洗う関西弁を隠しつつ着流きるお
墓参り名字に溜る水青し城内幸江
墓参かつて煙草屋この辺りきべし
墓参ただの石かもしれぬ墓木ぼこやしき
姑の墓参す姑となりて木村かわせみ
墓洗ふ入るつもりの無い墓を木村隆夫
誰が生けしか知らぬ花あり墓参木村弩凡
差し色に残り花入れ墓参木元紫瑛
線香は桃の香りや墓参Q&A
墓参本家の長き一日よ久えむ茜咲
墓洗ふ港の風のきれいきれいきゅうもん@木の芽
墓参り増便のバス花も乗せ鳩礼
朗々と心経空に墓参京野秋水
野の風の諾ふばかり墓洗ふ杏乃みずな
不器用に握るおにぎり墓参り清鱒
ワンカツプぐにやりと開けて酌む墓参霧賀内蔵
出会う人みな善人や墓参霧澄渡
たひらかな街のたひらな墓洗ふギル
霊園は四角ばかりや墓参菫久
意図有りて置かれた石か墓参銀長だぬき
墓参君は年とらなくてずるいくさ
墓参直立不動の供花かな久信田史夫
道すがら拾ふ電波や墓参くずもち鹿之助
墓参り石の熱きに驚きぬくちなし香
墓参終え兄弟喧嘩始まりぬくつのした子
再婚の妻を紹介墓参り久保田凡
一族に放浪の史や墓参熊谷温古
背番号1を掲げる墓参紅三季
墓参母の服着てよろこばす蜘蛛野澄香
寺と揉めたる村の墓参曇ゆら
不自然に赤き落雁墓参りクラウド坂の上
墓洗ふ己の影の消ゆるまで倉岡富士子
灌ぎたるみづにゆきさき墓参眩む凡
花柄の杖の一途に墓参栗田すずさん
墓参となりの花に負けている空流峰山
東京の谷底にある墓洗う久留里61
入牢の不孝を詫ぶる墓参かな愚老
紀の国の湯めぐり飽きて墓参り黒田良@しろい
逆縁の墓参孫らに連れられて桑田栞
花の名をひとつ覚えて墓参慶唯
沈黙の長き真珠や墓参月下檸檬
墓参り蹲めば丸き母のひざげばげば
猫と母乗せて晴れ間の墓参かな欅谷風来
老猫がひょいと出てくる墓参かな健央介
墓参りいつもの歌が流れてる源氏物語
墓石てふ記憶のうつは墓洗ふ研知句詩・いつき組広ブロ俳句部
畦道を凸凹の列墓参り剣橋こじ
砂浜に供花墓標無き墓参小池令香
墓参美男の僧は留守らしき恋瀬川三緒
墓参り紫煙立ちたる赤ラーク剛海
痕跡は残らぬ手ぶらの墓参公木正
墓参り墓で転けたる話また幸田梓弓
耕せし人なき畑墓参郷りん
墓洗う享年指でなぞりつつごーくん
しんがりは母とその母墓参り古賀
掃苔の息整えて正信偈古烏さや
心臓にステント四つ墓参小笹いのり
高速道の橋脚下の墓参かな小嶋芦舟
蒼天の桜島背に墓参り小園夢子
変わらざる海・路地・いとこ墓参り木染湧水
墓参り塔婆を鳴らすのは風か虎堂吟雅
江ノ電を下車海を見ず墓参かな後藤周平
義母の名は六文字もある墓掃除粉山
悪夢見て墓参りする気になった小夏すどり
織田瓜の家紋掠れし墓洗ふこのみ杏仁
ひいぢぢの宗派は違ふ墓参小林脱太郎
墓参り良いことのみを伝えたり小林のりこ
車椅子の移送重たし墓参こひつじ@QLD句会
一才の義弟の名知る墓参小藤たみよ
墓参りやけに烏の鳴くと父駒村タクト
原爆で灼けし石積み墓参り小湊八雲
空気とろり皆眠たげな墓参小南子
墓参父は母が好きだったこむぎ
家と子を守る再婚墓参り小山晃
墓参橋を渡って淡路島碁練者
産休の先生に遭ふ墓参GONZA
パチンコの帰り墓参の人に会う今藤明
合掌の指のささくれ墓参齋藤桃杏
大伯母の存命を知る墓参さおきち
ブロックの空の字太し墓参さ乙女龍チヨ
墓参り人は祈りで出来てゐる酒井春棋
背番号もらいて初の墓参り榮紅
墓参先客はまた叔父らしいさかえ八八六
人の居ぬ駅より二里の墓参かな坂口いちお
墓参渡せなかった初任給坂野ひでこ
墓参り時薬なぞ知らん知らん坂まきか
中央道ふた山先の墓参坂本雪桃
隣町自転車借りる墓参り相良まさと
墓参り四時の「上り」が通過せり咲まこ
墓参り一人欠けたる通り雨さくら亜紀女
軽トラの錆や野良着の墓参櫻井こむぎ
墓参一山覆う万の墓佐倉英華
祈る手は貝殻のごと墓参り桜鯛みわ
世間的親不孝です墓参せず桜月夜
石段でじゃんけんグリコの墓参佐々木佳芳
母の呼ぶ名は風めいて墓参佐々木ヨウジ
墓参り大木の雲流れゆくさち今宵
墓参母校一点負けている佐藤茂之
佐藤家の横の佐藤家墓参佐藤志祐
墓参小花はややのおとうとへ佐藤儒艮
方丈の美声流るる墓参かな佐藤俊
迷宮を立ち去るごとく墓参さとう昌石
墓洗ふラークの煙たなびけりさとう隆明
グーグルが導く墓へ参りたるさとうナッツ
墓参あなたの孫も来ています佐藤浩章
南向き日当たりも良し墓洗ふ佐藤ゆま(歯科衛生子改め)
古バケツ錆の臭いの墓参里こごみ
墓参り年古る石の破顔せり錆田水遊
亡き母の手縫ひ雑巾墓洗ふさぶり
寂しくも明るくもある墓参彷徨ういろは
ふくらはぎ二つ盛りあげ墓洗ふさむしん
朝は義父昼から父の墓参りさやじゅん
紫の花手に集ふ墓参かな紗羅ささら
墓地越境先の手桶のまま墓参沢井如伽
兄達の花束に足し墓参沢拓庵◎いつき組カーリング部
経あげて俄かに陽差す墓参かな沢田恵子
弟で終わる家系図墓参澤田紫
墓参ポンプ押したき子らの列沢山葵
賊軍と呼ばれし先祖の墓参三角山子
雲間より光さしくる墓参かな三月兎
墓参り脚曳く義父を先頭に山月
早朝を急ぐ首都高墓参珊瑚霧
目を閉じぬ叔父の猫背や墓参三尺玉子
並びたるは祖父の妾や墓参り三水低オサム
墓参塩田をしに来たそうな四王司
下駄の歯の砂に埋もれる墓参塩風しーたん
朱の色の我が名も古び墓参塩沢桂子
夫の背へ「ライターあと茶」墓参り志きの香凛
墓参吸えぬ煙草に火をつける紫月
再婚と受胎を告ぐる墓参じつみのかた
墓参記憶の糸のほつれるや実本礼
去年より二減一増墓参信濃のあっくん
父かしら墓参の母に光の輪篠雪
草踏むと何か飛び跳ね墓参り島じい子
鴇色の慈の字の墓をぬらしゐる島田雪灯
墓参り姉妹の爪の父似母似島田ユミ子
墓参また靴紐の解けをり清水縞午
墓参寄り添い離る二羽の影清水ぽっぽ
白文字の母の名明し墓洗ふ清水三雲
水かける墓石の温し墓参り霜月詩扇
墓参の坂や新築立ち並ぶ霜月シナ
墓洗ふ山裾をゆく選挙カー霜月ふう
ばあちゃんはボクを知らない墓参り下丼月光
墓詣花屋石屋の前を過ぎ下村修
墓参連名朽ちた地蔵小屋釋北城
墓参り爪をきれいに切り揃へじゃすみん
石段下に待つ母のいる墓参沙那夏
線香のふいに手を焼く墓参り十月小萩
爺ちゃんと墓参り漫画本おねだり朱胡江
長持ちはせぬがこの花墓参秋芳
狂気なる鳥語や友の墓洗ふ樹海ソース
墓参り今世の膝は良く曲がるシュリ
墓洗う払ひの多き先祖の名じょいふるとしちゃん
読めぬ字を指で掘り出す墓参正見
墓参ローンで買った供養墓地庄司芳彦
墓参さみしいね灰色の顔撫でて白井佐登志
墓参なにわナンバー三台目白石美月
墓参また喧嘩の話から始む白沢ポピー
此処に入るかはわからねど墓参り不知飛鳥
直系の戒名眩しき墓参り白梵字
妻も子も犬もいないが墓参シルマ☆
墓参り湯呑みのよごれ刮ぐ爪しろくも
墓参線香立の砂固し白猫のあくび
OBが焼酎を買ふ墓参かな白プロキオン
古里は平家の谷ぞ墓参ジン・ケンジ
墓参不意に屋号で呼ばれけり深幽
墓参り線香の隣へ「マルメン」西瓜頭
墓洗ふ名残の水を風連湖すがりとおる
眼の似寄る孫の欠伸や墓参り杉岡ライカ
墓参りよくよく痩せし友と遇ふ杉尾芭蕉
墓掃除正面文字に溜まるみづ杉沢藍
掃苔や男体山の見え隠れ鈴子
燃ゆる葉を教えし祖母の墓参鈴ゞこ
先客の蝋燭うねる墓参鈴白菜実
納骨堂の扉金色墓参清白真冬
墓参まだ名を刻む余白あり主藤充子
住職は讃岐言葉や墓参砂山恵子
転ぶなと何時も言われし墓参り数哩
墓参伯父と従弟へセブンスター須磨ひろみ
山の影背負ふちちはは墓参すりいぴい
「ビジネス」に一泊ひとり墓参静江
墓参り終へ半パンに着替えけり晴好雨独
ふる里の「獺祭」かけて墓洗う青児
墓参北方領土波の先せいしゅう
人類の最後の一人墓参清仁
墓参四つ葉だらけの駐車場青峰桔梗丘
白い犬墓守するや墓参星夢光風
石磴へ凸凹の影墓参seki@いつき組広ブロ俳句部
墓参り出来ぬ手術痕痒し瀬戸ティーダ
墓参懺悔の祈り盗み見す千・いつき組広ブロ俳句部
隆起したアスファルト越え墓参り泉幸
昼飯が気がかりな孫と墓洗う全美
誰も来ぬ叔父にも供物墓参惣兵衛
蒼き海見下ろす崖の墓参草夕感じ
墓参り線香点火のじゃんけんそしじみえこ
墓参り錆びたベンチの停留所そぼろ
墓参トイザらス経由で行きにけりそまり
砂利道の解れる音や墓参染井つぐみ
墓まゐり遙かな打球音に木はぞんぬ
おとなしくおさまる妣へ墓参大ちはる
ひよこ持つやうに囲ふ火墓参平良嘉列乙
墓洗ふ錆の匂へる束子持て高木音弥
戦の名はじめて見やる墓参かな高瀬小唄
うちは皆お尻がでかい墓参高橋寅次
墓参昔の家族の形して高橋ひろみこ
墓参り若き世代の来る隣墓高橋ままマリン
墓参了へて遊ぶは二寧坂高原としなり
坂道をのぼると瀬戸や墓参たかみたかみいつき組広ブロ俳句部
墓参羽根ひらひらと近寄れり滝上珠加
小袋の母の手箒墓参滝川橋
「遠いね」を挨拶として墓参たきるか
墓参り本家の伯母の皿鉢盛りたけぐち遊子
掃苔の雨にそのまま濡れにけるタケザワサトシ
跪きもう泣いている墓参かな武田豹悟
墓参まへの蕎麦屋の五百円たけろー
墓参虫の死骸に群れる蟲駄犬
墓参りこの世かあの世かわからないたこ爺
お互ひに孫を連れをり墓参多事
これもだよ角のとれたる墓洗ふたすく
墓参父の名の赤抜かれけり多数野麻仁男
呼びかけに声ある気する墓参りただ地蔵
墓参ここにお骨はなかろうに糺ノ森柊
島の灯をここに集むる墓参かな多々良海月
石もまた三十七度の墓参り立花かおる
墓参坊さん元気に畑仕事だっく
墓参目印の木は高くなり立田鯊夢・いつき組広ブロ俳句部
水受けを鏡のやうに墓洗ふ田中みどり
墓参父母に添うごと生える松谷本真理子
鷲鼻の血筋や時差ぼけの墓参田畑整
瀬戸の舶水脈まで見えて墓参玉家屋
一生と誓ひし嘘や墓参玉木たまね
いい人のふりして笑ふ墓参たまのねこ
ラブホテル「ai」真向いに墓参玉響雷子
高層マンションに翳る墓参田村ヒロミ
墓参り寺の保護猫譲渡会鱈瑞々
太陽は寡黙な石鹸墓洗ふ丹波らる
墓参フェリー赫々倦む海を千夏乃ありあり
いつのまに日取り決まるや墓参り竹庵
曽祖父の自書のくぼみや墓洗ふ千歳みち乃
介護ベッド届いた夕の墓参千鳥城・いつき組広ブロ俳句部カナダ支部
黒雲の切れ間見上ぐる墓参かなちゃあき
赦してはいないぞ墓参は来たぞ彫刻刀
祀る手の婚約指輪墓参りちょうさん
墓参みづに薄まる母の墓誌千代之人
鉢盛りの旭巻き食む墓参つーじい
山の風うましと思ふ墓参月城龍二
掃苔や血筋浮き出る父母の腕月待小石
墓洗う都会の色の服のまま月夜田しー太
死神に逢った気がする墓参月夜案山子
墓参り成長痛の骨の鳴るつくばよはく
左足ギッチラゴッチラ墓参り辻瑛炎
鎌を持ち道を作りて墓参り辻ホナ
骨壺を呼び出すボタン墓参津島野イリス
墓参り何時も立ち寄る畜魂碑辻美佐夫
爆竹の余韻に墓を参りけりつちや郷里
またひとつチョロQ供う墓参綱川羽音
墓参冥途の水の温からむツナ好
墓参嫁に聞かれぬように愚痴つぶ金
この空が青くなるまで墓洗ふ坪田恭壱
墓参母が立つまで合わせる手坪山紘士
旧姓の画数眺む墓参罪一
墓参息子に頼るチャッカマンツユマメ/いつき組広ブロ俳句部
造花造花あふれる造花墓参鶴富士
無住寺となりし檀那寺墓洗う丁鼻トゥエルブ
仲悪き叔母と二人で墓参テレシア
二級酒の好きな義父です墓参天雅
古傷の疼く山道墓参電柱
磯の香のもやりひりつく墓参でんでん琴女
千十五段下る山寺墓参天童光宏
墓洗ふとめとはらひに溜まる水天陽ゆう
茶髪の子少し遅れて墓参土井あくび
菩提寺墓参石段は百五段どいつ薔芭
父の碑の「ありがとう」深し墓参苳
隣墓から伸び来る草や墓参り遠峰熊野
島風に夜明けの匂う墓参かなとかき星
墓参り蛇行匍匐の草強しときめき人
父母の墓吾の入らぬ墓洗ふ常磐はぜ
雲うすく鴇色となり墓参Dr.でぶ
墓参あばれ天龍翡翠色 戸口のふつこ
また一枚亡父と写真撮る墓参杼けいこ
墓参隣の涸ぶ和三盆となりの天然樹
さつきまで伯母のゐたらし墓参となりの天然水
墓まゐり小道が舗装されてゐる戸部紅屑
諏訪の山諏訪のみづうみ墓洗ふ苫野とまや
あんこ炊きほうきちりとり墓参斗三木童
トラックに積まるる瓦礫墓参富野香衣
山影に母を座らせ墓洗ふ富山の露玉
蒼々と苔の道行く墓参かな豚々舎休庵
珈琲と少年ジャンプ供え墓参とんぼ
墓参隣は鬱蒼たる熟睡内藤清瑤
老ゆる母の逢瀬めきたる墓参 内藤羊皐
墓参常の蕎麦屋の常の顔内藤由子
雲切れて高嶺晴なる墓参かな中里凜
石に水かけて陽昇る墓参り中澤孝雄
艶々と水子の位牌墓参り中島走吟
ジャマイカの知らない歌や墓参永嶋夜久
墓参り吐息のごとき風が吹き中嶋緑庵
墓参り花立ての水かあらから永田千春
酒しみる南無阿弥陀仏墓参中十七波
墓参り毎度毎度の缶ピース中原柊ニ
斜交ひに烏の睨む墓参り仲操
墓参誰も食べないゼリーとか中村すじこ
墓掃除義理の祖先の石に地衣なかむら凧人
墓参り森からもらった盗っ人草大悟
わだつみの富山丸まで墓参かな中山由
故郷の水を携え墓参り梨山碧
好物を今更訊いて墓参夏風かをる
破門からはや十年や墓参夏草はむ
ムーミンの褪せた人形墓参り夏雲ブン太
黒ラベル忘れぬやうに墓参夏埜さゆり女
携帯の妣の写真と墓参かな夏目坦
墓洗ふは体洗ふより易し夏雨ちや
墓参茎の付け根を仰ぎ見ゆ七草柚月
夫きゆきゆと拭いて清しき墓参七瀬ゆきこ
墓参へと喧騒を抜けビルを抜け名前のあるネコ
祖母の傘紅く咲かせて墓参奈良岡歩
ライターをお隣に借り墓参奈良素数
墓参口縄坂に猫二匹にえ茉莉花
祖母と来し墓に祖母の名墓参西尾照常
展墓伯母へ洋花二輪足す習ひ西川由野
墓参防空壕の残る地に西郡うり
掃苔や猫背がふたり桶提げ来西田月旦
懐きたる子のやはらかし墓参二城ひかる
墓標無き岩も墓石墓参新田ダミアナ
蝋涙の小さな凝り墓参にゃん
墓まゐり灯の屈したるカップ酒仁和田永
墓参つまみ易きを選る灯暖井むゆき
墓洗ふ遠くの峰は槍ヶ岳布村柚子
墓参り団子食べてる子がひ孫沼沢さとみ
墓洗ふ出水の土地に泥その他沼野大統領
香炉には長い吸い殻墓参ねがみともみ
牛覗く厠慌てて墓参り猫辻みいにゃん
墓参り今日からとても気が緩むネットの愛・アッシー
墓参終へて買ひたる地養卵ノアノア
墓参り指揮取る母の蝮爪乃咲カヌレ
幸の字を名に持つ家系墓参ノセミコ
墓参亡き妹と海を見て野ばら
母涙一度も見せず墓参華衣
墓参り爺ちゃん彫りし地蔵様白山一花
墓参今なら僕が治せたよ波止浜てる
墓参風来坊はじいちゃん似蓮井理久
墓参り「行かず」の便りふるさとへ蓮見玲
掃苔の水きらきらと死蛾運ぶ長谷川水素
墓参ぬるき湯呑を手で拭ひ長谷機械児
私たち星座になろう墓参八田昌代
墓参り瘤のある木を目印に初野文子
円やかなる空の真青や墓参羽奈あかり
墓参手桶の水は天映し花咲明日香
波音がぐわうと被る墓参り花彼岸
二家族の揃ふ賛美歌墓参はなぶさあきら
墓参待つ人骨数多マレーの地英凡水
髪ちょいと撫でて野良着の墓参花豆
清流と競つて歩く墓参り花水木
むかふより母に似た人墓参花見鳥
墓参りついにぐるりと放棄田花山微風
門仲や江戸語とびかふ墓参り花和音
羊水と同じ匂ひの墓掃除ぱぷりかまめ
兄嫁の機嫌窺い墓参浜友輔
ひい爺に似てとそやされ墓参りはむこ
墓詣みな跨ぎゆく大樹の根葉村直
ぐい呑みを背ナに墓参のペダル漕ぐ林省造
墓参島は産廃処分場原田民久
和尚との将棋惜敗墓参巴里乃嬬
墓洗ふ小樽のみづのひかりかな晴田そわか
源泉を柄杓に二杯墓参春野ぷりん
墓のみは本家の威厳墓参春海のたり
箱根路を語らむけふの墓参はれまふよう
認めん認めん認めん墓洗ふ半熟かさぶた
仏滅の吸い殻拾う墓参半ズボンおじいさん
YouTube読経らうらう墓参HNKAGA
もう嫁でない事詫びる墓参かな万里の森
教採の合格通知墓参東原桜空
矍鑠たる母よ寿陵の墓洗ふ樋口滑瓢
県予選大敗報告の墓参火車キッチンカー
三代目本家素通りして墓参美竹花蘭
水滴の乾かぬ跡を墓参ひでやん
祖父と食む落雁ほろほろ墓参ひと粒の種
角取れて優しき家紋墓参ひなた和佳
墓参鼻にピアスの従兄弟の子ヴィノクロ
米軍の飛行機低く飛ぶ墓参比々き
拝む名がまた増えました墓参ヒマラヤ杉
ばあちゃんが墓参から帰らないヒマラヤで平謝り
墓参湿布の匂う母背負い向日葵姐@いつき組広ブロ俳句部
潮風と波に手合わせ墓参りひまわりと碧い月
差す傘に籠る煙よ墓参日吉とみ菜
山鳩の声とほり来る墓参平井千恵子
雲切れてまなかひに富士墓洗ふ平井由里子
明星の瞬き幽か墓洗ふ平岡梅
疎開地に眠る妹の墓参り平岡花泉
平左衛門八列ならぶ墓洗ふ平野芍薬
山手線座席譲られ墓参り平松一
牛糞の風ににほへる墓参り平本魚水
湖見える墓参路湿り泣き聞こゆ比良山
やわらかい祖母のご飯や墓参平山仄海
墓参供花は坂の上で買う昼寝
道草の薬缶はまだか墓参広木登一
墓参り娘にもどる母がいた広島じょーかーず
墓参り缶チューハイを撃つ光広瀬康
墓参蛸好き爺に會ひに往く廣田惣太郎
角瓶は謎の先客墓参広野光
墓参り隣の苔へ飴ひとつ広ブロ&新蕎麦・摂田屋酵道
阪神優勝写真置く墓参飛羽玲子
三頭の猿先廻り墓参りびんごおもて
藪陰のブリキの柄杓墓参布衣野
墓参り杜に我が身の密かなる風慈音
親族と諍ひあれど墓参り深町明
赤子の髪を整えるかに墓洗ふ深町宏
エレベータ乗って順繰り墓参り深蒸し茶
墓参二年過ぎたる塔婆の墨ふくのふく
墓参クレープ屋もうすぐ開くふくろう悠々
罅割れは祖父のタトゥーのごと墓参藤咲大地
鳥笛を海へ吹きたる墓参かな藤里玲咲
なにくふかかんがへてゐる墓参藤白真語
貝埋まる崖を通りて墓参藤永桂月
宍道湖を見下ろす松や墓参藤本だいふく
墓参伯父の墓石尖りけり藤原訓子
墓参つぶれた蟻のみずみずし 藤原素粒子
曽祖父が植えし樒と墓参フタバ凛
直行す上海帰り墓参二見歌蓮
山坂を母の軽トラ墓参舟端玉
風雲に弄ばれる墓参ふみづきちやこ
プレートの刻印薄き墓参風友
忘れ物今年はおじゅず墓参古川しあん
小さき火を潰せば黒し墓参古瀬まさあき
墓参幼なじみは無縁墓ペトロア
墓参忘れ形見の二重瞼べびぽん
ガリ傷の赤いフェラーリ墓参ペン銀
姉妹して白髪褒め合う墓参ほうちゃん
長生きするもんじゃねえな墓参り墨純
墓参り演歌震わす喉仏黒子
墓洗う千年の唄数えつつほこ
墓参り秘密はそちらへ逝ってからほしぞらアルデバラン
出庫音カードで開く墓参星田羽沖
親友のまだ新しき墓拝む星月彩也華
後の世も嫁はきゅうくつ墓参星詩乃すぴか
墓参叔父のギターとビートルズほしの有紀
墓参誰にも会いませんようにほしのり
墓洗ひ終へて波の音響きをり細川鮪目
獣道登りて海や墓参堀川絵奈
墓参り初めて覗く墓の中堀籠美雪
墓洗ふいまも朱色の名がふたつ堀邦翔
墓参り帰路の二キロの唱歌かな凡々
陽に透けた抜け殻残る墓参り本間滋之
別れたる人と行き逢ふ墓参かな前田冬水
荒海をわたりをへたり墓参牧場の朝
墓参の線香に水滲みのぼる槇原九月
墓参りけふの煮しめはほろ甘く牧茉侖
生命線短し急坂の墓参まこと七夕
板金の作業着のまま墓参り正岡田治
墓洗う父母の湯呑みへ井戸の水増山銀桜
悠然とはぐるる雲や墓洗ふ町田勢
父逝きて八十年や墓洗う松岡重子
なむなむあんお上がり下さい墓まゐり松沢ふじ
墓参赤銅色の夫の腕松平武史
墓参遠流の島の薄く見ゆ松田寛生
水鉢に娑婆の空気を墓参りまっちゃこ良々
墓参降らぬ不思議をいつも言う松本俊彦
墓参りすくと茶柱立つ日和黛素らん
石段はいろは坂なり墓参り瑪麗
同年に童二名や墓参り毬雨水佳
強面の恩師の笑顔墓参り真理庵
ブラシの歯届かぬ苔や墓参まるにの子
墓参プラスチックの花の色丸山隆子
ちちははの眼でみえるもの墓参まんぷく
師の墓参どかりと座る今朝の富士三浦海栗
赤本に栞をはさみ墓参澪那本気子
父のこゑ忘れ墓参の煙かな帝菜
墓参り一度も夢に出ぬ父の三上栞
跡目なき姉弟ふたり墓参三茶F
石色を諍う父母や墓参岬ぷるうと
父の歌碑いまや目じるし墓参三崎扁舟
挨拶の次は噂や墓洗ふ水須ぽっぽ
閼伽桶に酒注ぎたる墓参かなみちお
朝靄晴れり墓参り済ませたりみちむらまりな
草刈れば玉虫の羽墓掃除 美津うつわ
墓参毎年厠借る息子美月舞桜
生きる日を逆算するや墓参りみづたま
県道を牛のにおいや墓参みづちみわ
小さき子のはや道を知る墓参かなみつれしづく
墓参少し離れて拝む嫁緑区のへこ
一輪は地蔵に分ける墓参かな水瀬曜
墓参り向かう車内に空席ひとつ美波怜子
先客は不仲の叔父か墓参源早苗
掃苔の石に従兄弟の置手紙嶺乃森夜亜舎
車椅子阻む砂利道墓参美村羽奏
永代の雑草葬や墓参 三群梛乃
この石は伯父のものらし墓参宮井そら
墓参り施主を継ぐ日は唐突に見屋桜花
いくつかは墨濃き塔婆墓参みやかわけい子
かすれてる裏紙の地図墓参り宮坂暢介
ひと月の命の入る墓洗うみやざき白水
墓参ひたひへそつと、みづそつと宮下ぼしゅん
手影絵をしたるひとり子墓参宮武濱女
花筒を抜けば虫ゐる墓参かな宮部里美
折り鶴が家紋やったん墓参みやま千樹
墓洗ひ五年目にして気付く誤字麦のパパ
墓参終えラジオはあの日のナンバー麦野光・いつき組広ブロ俳句部
水に浮く嘘ならいいか墓参椋本望生
新聞を脇にあいつの墓参無弦奏
墓参りされるもするも百二歳霧想衿
墓参に買ふターボ式チャッカマン睦月くらげ
墓参り読めぬ家名に水滴る村上の百合女
墓参る明日も有給貰ふかな紫小寿々
墓参り土に戻れぬ壺五つ目黒智子
新婚の二人てきぱき墓洗ふ茂木りん
海眺む雄雄しき墓に詣るなり望月ゆう
墓参桶にあめんぼう一輪 元野おぺら
墓参り子のこゑ石を明るうす百瀬一兎
墓参り頼むと筆を走らせり百瀬はな
墓洗う造花ゆるりと息をせり桃園ユキチ
墓参りひとりカードキー差込むもらい水
墓参り羯諦の節響くなり森きやつか
墓参限界集落の予感あり森佳月
ちぎれ雲離るる無縁墓の掃除森太郎
ばあちゃんの惚気はんなり墓参森ともよ
墓参り空から羽根の落ちてきて森中ことり
墓参り南国色の供花かな森野恵
残りたる蕊となりぬる墓参森葉豆
墓参り金の燈篭揺れる瀬戸森日美香
お隣のピアニカ楽し墓洗ふ杜まお実
墓参いまだに父は晴れ男森毬子
墓洗う四人合わせて三百歳森萌有
行けたらはだいたい来ない墓参もりやま博士
ワンカップの澤乃井辛く墓参もろ智行
墓参祖父母ちちはははにかみて焼津昌彦庵
墓参やっぱ蛇口の出が悪い弥栄弐庫
カード入れ迫り上がり待つ墓参り矢澤瞳杏
新旧の塔婆の色や墓参野州てんまり
よそん家の家紋麗し墓参安田伝助
墓参り隣の墓の缶ジュース野生の栗
墓参マッチする父しんと待つ痩女
雉鳩の声ほのぼのと墓洗う矢橋
ゆうれい坂や快晴の墓参八幡風花
だだくさのお隣さんや墓参山尾政弘
墓参子は粛として会釈せり山河穂香
墓参伯父はレイテに沈むとふ山川腎茶
菩提寺に古井戸有るや墓参山川たゆ
さび猫の付いて来たるや墓参 山口絢子
シシ通る墓石起こし墓参山口香子
孫は桶曾孫柄杓の墓参り山口雀昭
どうしてもここに入るか墓参り山口笑骨
墓掃除蒼き眼下の日本海山崎恭子
柿の木の手前を右に墓参り山崎力
一郎ははしゃいでいるわ墓参山里うしを
墓参新幹線が横断す山田啓子
墓参の手桶安らかなる逆さ山田蚯蚓
墓参祖先に会わす顔造り山田文妙
雲切れてまばゆく石や墓洗大和杜
墓参親父と呼んでみたりけり山本先生
坂道を耳に木の声墓参 山本八
墓参石のコトバのわかるらしやまもと葉美
坊守の寸志の催促墓参り山本美奈友
抜け道を百歩で行かん墓参柚木みゆき
墓参り石垢磨く力瘤宥光
坂道の苔の厚みや墓参ゆすらご
蛍光灯チチとまたたき墓参宙美
湖を見てゐし墓を洗ひけり湯屋ゆうや
風上はサーキット場墓参ユリノイロ
段取りはあうんの二人墓参緩木あんず
丸焼きの豚供へたる墓参陽光樹
亡き人に代わり未練の墓参横井あらか
簡潔な父の戒名墓洗ふ横縞
二回忌も雨上がりたる墓参横田信一
墓参り失踪宣告の娘横山雑煮
墓参遥かに富士を眺めけり吉田蝸牛
墓参仏花は残りワンセット吉田かのこ
重箱にいなりぎゅうぎゅう墓参吉武茂る
墓参次のカーブの草の名は吉田ルイ
墓参り盆地にぐいと曲がる川吉野川
ままならぬ展墓の久し島近し余田酒梨
花束とこの坂みあぐ墓参かなよみ、ちとせ
志ん生の「らくだ」聴かせる墓参かな楽和音
着くまでに死にさうな道墓参らん丸
戒名の馴染みし石や墓洗うリコピン
しあわせと刻まれし墓参りけり理真
戦争を知らぬ子が子と洗ふ墓柳絮
墓参り手桶の水に空踊る涼えつろう
墓参坂を登れば杉ばかりルージュ
墓参り父に虫の名教えられ烈稚詠
墓洗う婚家長寿の多きこと朗子
髪の毛のしらじらこはし墓参ろまねす子
墓参そっと聞かせるボブディランわかなけん
雨強し一人地図見る墓参若林かな
墓参「戸右衛門」の名の残る古碑若林くくな
墓参ココアシガレットと私和光
麻痺の手でドッコイサノセ墓洗ふ渡部克三度
ジャーキーとミルクぶら提げ墓参り渡辺桃蓮
掃苔や家紋の色を塗り替へて渡邉花
仕舞ふ日の決め事決める墓参渡辺陽子
墓掃除終えて善男善女かな渡邉わかな
雨止んで月のにほひの墓洗ふ亘航希
仏眼の手相受け継ぎ墓参 笑笑うさぎ
墓参明るき色の花を買う池田炭
墓参母と手つなぎ下る坂石田ひつじ雲
墓参タクシー待たす小半時石塚碧葉
祖父のミサ終えて墓参の朝よ大津美
苔むした丸石へ花墓参り風薫子
墓洗ふ言葉をかけるやうに水かねつき走流
墓参三年ぶりの町の風田鶴子
墓参眼下の島にカーフェリー三日月なな子
花筒の去年の水や墓参り相沢薫
墓参するする詐欺のごとく夫愛燦燦
墓参夫の歳ぬき姉かかにあ・うん
背の順の毎年変はる墓参り蒼空蒼子
墓参私は誰に拝まれる青空豆千代
軽装の同僚見つく墓参青水桃々(俳句迷子の会)
手の甲のシミが増えたよ墓参あかり
墓参増えた戒名陽があたり空き家ままごと
箒持つ自分が次の墓参アツシ
一人では喧嘩も出来ぬと墓参り雨降りお月さん
墓参りカフェある道を帰り来るあややDC
今年も会えたか杖になったよ墓参りあらかわすすむ
三味の師のおはすクルスや墓参有村自懐
墓洗う義父の背少し薄くなり五つ星
墓参知らん奴らの墓石の視線一杯狸
墓参どうせ先祖はずっと家伊藤テト
吾が逝けば墓洗ふ人いなくなり笑姫天臼
墓参試験終われば皆会えるえみくれ
いつか入る父・母・夫や墓参円美々
代行におずおず頼む墓参奥寺窈子
墓参り知恩院発のシャトルバスおひい
墓参父母にひ孫を会わせけり影夢者
七回目の墓参り全員集合亀岡恵夢
三回に打たれて消して墓参 野球中継?川端芙弥
二年前君と来たねと墓参key
青空や共に白髪なる墓参如月ゆう
探検と孫のはしゃぎて墓参岸野草太郎
墓参り遠き佳き日の父母想う岸野孝彦
家は裏実家は山上墓参り北川茜月
墓洗う気持ちええなと父の声木村となえーる
ようやっと楽しい記憶墓参り栗の坊楚材
生き延びるなんで俺だけ墓参来ヶ谷雪
墓参り墓石に唾を吐く私ケンG
ピースなき家族写真や墓参紅紫あやめ
よかったと娘が言いて墓参柑たちばな
自動ドア足音硬き墓参り こきん
今朝「のぞみ」我を送るや墓参り桜姫5
墓参行くたび増えるマイレージ里海太郎
墓終い墓参りする墓もなし佐藤佳子
墓参見上げても蒼目が眩む沙波星
仰ぎ見るネオンサインよ墓参紗藍愛
墓参老女の数のパフェグラス芝歩愛美
「涼月」の上と思しき墓参り 日本海軍の駆逐艦? 四郎高綱
秘密基地跡地の銃と墓参白よだか
墓参する墓は無し花手折る涼希美月
「花花」と染めぬく窓や墓参外鴨南菊
艶ネタをひとつ仕込んで墓参たいらんど風人
珈琲の香煙立つる墓参太之方もり子
墓参嬰児鯣舐めにけり塚本隆二
安穏にオスの煩き墓参つくも果音
墓参打ち水の子のジェルネイル福田みやき
墓石なれど甘えたくなる墓参福弓
墓参骨は冷たい壺の中船橋こまこ
墓参り父の遺骨は母の部屋舞矢愛
「倶会一処」漂白剤の香墓参り正男が四季
墓参りの帰路見上げればスカイツリーみかりん65号
二年後に終ふと告げに墓参あたなごっち
墓参せずに亡母の遺影見る石川明世
固結びは解れぬままの墓参り石川巴里
蔦巻いてかすかに「信女」墓参かな石本美津
墓参りできぬがずっと思ってる亀山逸子
ちりぢりの家族集う日墓参あいあい亭みけこ
墓参り先祖の全て笑顔なる會田理奈
竹ぼうき枯れた笹はき墓参り逢花菜子
すれ違ふひとの会釈や墓参青野すみれ
はらからの一人減りたる墓参かな蒼鳩薫
墓参迎える無言の黒御影青花潜
墓参りささやけば墓震へをり青星ふみる
墓参りさする戒名小さき手青山智士
小さき風母かもしれぬ墓参り赤富士マニア
山坂を三つ登りゃな墓参赤目作
あまりにも恋しくて夜墓参りあかめちゃん
杜抜けて墓参は吾とスナフキンacari
墓参り久ぶりねと苔落とし昭谷
菩提寺の木陰の風や墓参りアクエリアスの水
ナビ頼り無沙汰を詫びる墓参かなあくび指南
孫は競うじいじ墓参におけひしゃく持ちあけ
看取り悔ゆ日々もて父の墓参り飛鳥井薫
掃苔やをんなばかりの孫三人阿曽遊有
墓参我が名呼ぶ妣夢をみる跡部榮喜
墓参線香の香りはさくらあまどかに
浄土にも風は吹くのか墓参天海楓
花立ての色どり豊か墓参りアマリリスと夢
墓参の子や供へる紙の金メダル雨乙女
墓参り兄は免許を返納し雨霧彦(木ノ芽)
ショットグラス残せし父の墓洗うあらあらかしこ
水色のフルーツキャップ墓参あらい
墓参あの日拾いし熱き骨荒木響
思ひ出と今とを共に墓参荒木ゆうな
亡き人にふとすれちがう墓参蛙里
墓参り善き事ふたつ報告す淡湖千優
地震の傷残す墓石よ墓参安春
墓参新たな文字の前を行く杏っ子
墓参最後の望み樹木葬郁松松ちゃん
昼休みグーグルアースで墓参池田華族
妻と我順に二つの墓参石井久次
墓参景色変わらぬ田舎かな石川明
墓参り無香の線香舞にけりイシカワナオキ
地蔵にも挨拶をして墓参かな石堂多分
早朝のにわか賑やか墓参り石の上にもケロリン
空気清み留まる中で墓参石原しょう
糞落とす虫へ水かけ墓参泉晶子
墓参友と来た道ひとり旅泉恵風
石清め雲眺めやる墓参かないずみ節子
墓参今日の晩飯はラーメンいたおみき
また一つ年を数へて墓参伊丹八兵衛
生前墓今年も父と墓洗ふ市川卯月
社を嗣ぎし積日想う墓参り市原為参
二つ三つ報告引っさげ墓参一秋子
老犬と母の歩みや墓参り伊東海芋
吾子二人先を歩めり墓参伊藤薫
母逝きし齢となりて墓洗ふ伊藤順女
日を受けて合掌長き墓参かな伊藤節子
条件はその後のランチ墓参り伊藤なおじい
だんご屋や背後に海の墓参り伊藤ゆめ安
急坂や丘を統べたる墓参伊藤柚良
飛行機のチケット二枚墓参伊藤れいこ
墓参添えて祖父母の煙草の香伊ナイトあさか
返納やつひの墓参を詫びてゐる伊奈川富真乃
墓参り石積み無常老婆心伊那寛太
散骨を願ふわたしの墓参いなだはまち
戦死の父顔も知らずや墓参り井上幸子
連綿と続く命や墓参りいまいみどり
ママチャリに孫二人乗せ墓参今乃武椪
この日ばかりは帰依したる如墓参今村ひとみ
文字に苔溢れる遠き墓参いりこのにゃらつめ
墓参お寺の門はリニューアル岩佐りこ
墓参の子柄杓の水をまた掛けるういろ丑
婿様の披露がてらの墓参上野徹
天めざしアクセル踏んで踏んで墓参兎野紫
赤文字の色抜かれたり墓参内田こと
白猫が護る家紋や墓参り内本惠美子
白檀のにほふ小径や墓参海月のあさ
初孫の微かな喃語墓参梅田三五
車二台孫は六人墓参梅鶏
墓参お地蔵さまの背を越えり梅野めい
君の名を海に探して墓参りうめやえのきだけ
先に逝く息子との思い出墓参り健斗うさぎ。
御巣鷹の九ちゃんの墓参や異人さんS・葉子
隠しごと透けて見えしか墓参越前岬
地震跡修理を終えて墓参り越中之助
亡き母の庭の花摘み墓参えのき絵巻
吾子ふたり花と菓子もつ墓参えのき筆丸
墓参り後ろを付いて来る母と絵夢衷子
ひとり居の姉の見舞いと墓参り遠藤千草
車椅子おりて砂利みち墓参みちおおい芙南
墓参してとんぼ返りの夫婦かな大岩摩利
父母の温もり感じ墓参大江戸小紋
墓参り見上げた空に沸いた雲大川敏恵
墓参りもうすぐ着くと父母に告げ大越総
誰が花か手向けくれしや墓参大越マーガレット
顔顔顔年に一度の墓参大島一声
どの墓も花供へられ墓参大嶋宏治
山裾の墓参を重ね齢重ね大竹八重子
父以外手作りの服墓参太田怒忘
憂きことをぽつりぽつりと墓参りおおつか天山京
墓参終へ団欒かこむ回る寿司大野喬
少年が先頭をゆく墓参大野美波
子と二人結婚告げる墓参大原雪
墓参り七本の香十念寺大渕航
墓参り年一回の親孝行大道真波
墓参り猫の墓石に手書き文字大谷一鶴
足萎えて墓訪なふに躊躇の日大山小袖
侘里や草分きて尚墓参岡崎佐紅
墓参り末に逢はむとぞ思ふ岡崎未知
ごめんよと束子にこめる墓参おがたみか
墓参り昔知ってた人に会う岡村恵子
墓参りろうそくの火に風強しオカメインコ
骨無き祖父の墓参は慰霊碑岡本
主のごと多彩な花の墓参かな岡ユカリ
卒塔婆は君への手紙墓参り岡れいこ
母の香よお供え花と墓参小川紅子
母の歳越したとなぞる墓参おこそとの
もみじ手を合わせし孫と墓参りお品まり
墓参手桶の満つる音ひびくおでめ
迷う時心を定め墓参お寺なでしこ
又来たよ歌っていますか墓参小野ぼけろうじん
故郷には誰はなくとも墓参り十八番屋さつき
墓参感謝一年草むしるおんあいす
帰省してやや報告の墓参りカイト
かの球根今年も咲くや墓参甲斐ももみ
墓参り曽祖父の骨大陸に香依蒼
ご先祖の居場所を忘れ墓洗い帰ってきた笛地静恵
手を合はす背中が六つ墓参案山子<いつき組広ブロ俳句部
孫はしゃぐ初の秋田の墓参り加賀谷はる馬
赤色の彫られし吾の名墓洗ふ風花まゆみ
墓参り仏花ちらほら誇りさく梶浦正子
雨あがりキシキシと踏み墓参鹿嶌純子
墓参り最期の『ありがと』今もまだ風かおる
顔知らぬ人に手合はす墓参片岡明
病む父や画面の向こう墓参ひだまりえりか
三つ編みをねだる子母の墓洗ふ桂もふもふ
亡骸と思えど足は墓参桂葉子
黒蟻は無言の列や墓参り加藤水玉
墓参後の家事は祈りの所作に似て加藤麗未
帰られず胸に手をあて墓参り金森マユ
待ちわびたひ孫知らせに墓参り可児真由美
三世代揃ひ五人の墓参かなかぬまっこ@木ノ芽
老いてゆく母と一緒に墓参りカバ先生
亡き犬のリード仕舞ひて墓参花星壱和
先客の花の萎れし墓参釜眞手打ち蕎麦
供華もちてゆっくり急ぐ墓参亀井汀風
一列に登る坂道墓参り亀崎波
五時起きのみづも目覚める墓掃除亀田かつおぶし
丘陵の頂上近し墓参り亀田みのる
墓石に並べる駄菓子墓参亀山酔田
やるせなさ閉じる故郷の墓参りかもね
会津嶺を遠くに父母の墓洗う鴨の里
久方に出逢ふ友待つ墓参りカラハ
墓参奥津城知らず母に問う川口聡美
子どもらの声高く交う墓参り川瀬観夏
どれだっけ?多分それだと参る墓川野かっぱ
レシピ継ぐたまごサンドや墓参り川辺世界遺産の居候
墓参せずLEGO製の墓参川村湖雪
過去帳は戦火焼失墓洗う邯鄲
墓参まぶた閉じれば汽笛の音菅野まこ
九十過ぎ母の恋しく墓参りかんばくみ
雲間から差し込む光よ夫(つま)の墓参樺久美
お隣も水を上げましょ墓参看板のピン
墓参コーヒーミルは錆び尽きぬ木口まり子
すれ違ふ桶と柄杓や墓参岸来夢
ぐうたらの妻に引かれて墓参喜多丘一路
栄一を拝みたき孫墓詣北柴潤
名も知らぬ先祖に挨拶墓参北乃大地
年に一度の待ち合わせ墓参北の星
水かつぎ遅遅山上の墓参り木下桃白
山寺へ孫が先頭墓参り木村修芳
父の背や峠を越えて墓参り木村波平
繁華街抜けて俗世の墓参木村弘美
遺骨なく思い複雑墓参りQさん
心だけ墓参(はかまいり)する遠い空喜楽胤
最寄り駅お墓参りの香りする桐山榮壽
墓参り球児の記憶とシンクロす近未来
新しき仏花ありけり墓参りくぅ
参られず遠きふるさと墓参草道久幸
墓参空の骨壺叔父の墓鯨之
墓参緑滴る向かい山 楠田草堂
墓参りと理由ありて墓参るくすみ輝く
墓参皆で静かに手を合わせ國本歩夢
愛されたことの大きさ墓参國本秀山
山の中迷いなく着き墓掃除國吉敦子
かつて湖も見守りし丘墓参くぼたみどらー
面倒が安堵に変わる墓参り窪野文子
コンビニのパック酒二個墓参ぐりぐら京子
墓参父に解禁のワンカップ黒瀬三保緑
従弟等と登坂競いし墓参黒猫さとみ
聖火のよう線香片手に墓参り黒ばあや
様々の花は人なり墓参くんちんさま
i-phoneはマナーモードに墓参りけーい〇
ここにこの地に眠るかと墓洗ふ家古谷硯翠
墓参ロッカー下段に母が居り謙久
墓参水平線や遥か下紫雲英
一面の花畑と化す墓参けんさん
墓参我が子の名前指なぞり輝雲彩
散骨の岸で潮風墓参り河国老・末廣
我の後心配しての墓参康寿
墓参り墓標のもとの時刻表幸内悦夫
魂は私のそばに墓洗いだけごうや子
住職の外車横目に墓参り宏楽
墓参り報告せずとも知ってるよねココヨシ
墓参いつしか父の齢越し越乃杏
お隣りの彫む「平和」や墓参り小杉泰文
墓参り吾子持つバケツ揺れてをり小薗紀彦
また一つ無縁の増ゆる墓参コダマヒデキ
墓参せり父に問ひたきことありて古知野朝子
今日からは嫁の顔して墓参こてぬぐい
墓参り江戸まで思ひはせにけり後藤昼間
子も孫も女ばかりや墓参後藤三梅
墓詣で躓く母と手をつなぎ来冬邦子
寄り添いて墓参りする横顔よ小鳥りこ
墓参あと祖父と従兄弟と駄菓子屋と古都鈴
近道の角を曲がりて墓参り小林昇
墓仕舞いプレート拝む墓参り小林澄精
墓参り行きたしされど足がなし小林弥生
提灯の揺れる火影や墓参駒形さかつ
あの世への扉うっすら墓参こま爺
墓参毎年苦戦急峻坂小望月あうる
墓参り野末の無縁に手を合はす小山秀行
墓参夫婦いつまで行けるかなコロンのママ
そこここに鴉の眼光墓参こんのゆうき
山道を母命懸け墓参り今葉月
墓参り何も知らない孫連れて西條晶夫
みどり児の産毛光りて墓参かなさいたま水夢
夕暮れや四世代の墓参齋藤鉄模写
墓参世間の義理を果たす嫁宰夏海
墓参り飴を供えし幼き手さかい癒香
墓参はや三十九年の足重る榊昭広
病床にオンラインでも墓参り榊原英晃
墓掃除除け越す苔の慈雨削がば坂島魁文
米寿かなこれが最後と墓洗う坂田雪華
墓洗ふ鴉の声が降ってくるさかたちえこ
恙無し墓参の夫に告げ合掌坂本千代子
雨傘を杖代わりの母と墓参り櫻井弘子
墓参り終えて楽しむ海の幸桜華姫
もう少し一人でいてねと墓参りさくら悠日
少しずつ景色変わりし墓参り笹木好里
墓参子らの頬射す陽の紅さ笹桐陽介
墓参をさなごの長く手を合わせ笹靖子
亡き祖母に似た人のあり墓参さざれいし
遠くなくここに眠ると墓参するさざんか
迷い続く雑草の中の墓参さち子
問答や雑草広がる墓参幸子
墓参草しな垂れる昼日中砂月みれい
時世かな代行頼み墓参り薩摩じったくい
吾の声の般若心経墓参かな佐藤かりんこ
お土産を早く開けたし墓参り佐藤公
子の顔になりて無言で墓洗ふ佐野良彦
墓参浄土の如き納骨堂さふじわよ
駆け足で御供え七つ墓参さわだ佳芳
墓参り帰途のコメダのジェリコかな澤野敏樹
未だ相槌を呉れてるのかい墓参塩の司厨長
墓参りちちはは我より若きかな塩原香子
石の水滑り降りたる墓参かな四季彩
墓参り湧きよるぞ雲兄愛しじきばのミヨシ
黄昏や花一本の墓参りじじょう庵一口
私達結婚します墓参紫檀豆蔵
孫の声玉砂利にしむ墓参忍之一字
隣にはファミマ都会の墓参柴桜子
もんじや焼つつく墓参を終へたれば渋谷晶
戦死の叔父ここに眠れり墓参しぼりはf22
午前五時誰にも会わぬ墓参縞子勾苑
墓参たどる番地の見知らぬ名島田あんず
墓参り雨のにほひの残る道清水祥月
四人のかんばせ浮かぶ墓参かな清水容子
墓参り墓を嫌ひし父の墓霜川このみ
墓参り終えて夕暮驢馬がゆく写俳亭みの
「帰ろっか」で沈黙破る墓参紫藪
墓参負い直し肩に初曾孫慈庵風
新しき墓碑銘なでる墓参り秀耕
草上の墓参に孫の飯事よ柊二@冨美夛
手を引かれ母と行く丘墓参柊瞳子
廃止したメアドに礼し墓参種種番外
吾と同じ義姉の名なぞり墓洗ふじゅんこ
こだはりの多き婚家や墓洗ふ順之介@QLD句会
口元気杖が頼りの墓参白井百合子
墓参コロナで行けんばっちゃごめん白浜ゆい
線香に揺れし面影墓参り真堂美木
墓参俺はここだぞさ迷うなしんなが新月
曾孫連れ墓参の我は父知らず新濃健
石熱く我に問うこの墓参かな新花水木
墓洗ふ草の緑の生き生きと森牧亭遊好
墓参り墓誌に没昭和二十年水蜜桃
墓参り香煙向こう祖父偲ぶせら
墓参り今は家なし里の寺杉浦あきけん
背の丈の草を払いて墓参り杉浦真子
年下の父に叱られにゆく墓参杉田梅香
墓参して歩の重かりし君と離るるを杉本果ら
墓参り手桶に揺れる子らの顔涼風亜湖
カードキー昼休みにも墓参り鈴木秋紫
同窓の墓参の花の若々し鈴木由紀子
歯ブラシ持参墓参の子供たち 鈴野蒼爽
墓参り吹き溜まりの葉カラカラと素敵な晃くん
再会の約無き人の墓参り瀬紀
墓参り郷の山々ありがたしせとちとせ
皆同じ苗字の区画墓参せとみのこ
パパの言う通り墓参掃除をする娘かな瀬野広純
戦場に散りし二十歳を墓参せりそうま純香
墓参済みて蕎麦屋で川眺め染井亀野
父母を身近に感ず墓参宙まあみん
母の郷うねくね畦道墓参り邨虚空
墓参線香嫌いの叔父がいた駄詩
大姪のチワワと墓を参りゆく たーとるQ
彫り込みを磨く歯ブラシ墓参り大
畦道の黄花数て墓参大康
花摘みて谷の水くみ墓参り平たか子
墓参ブルーグラスを回想に 高井大督
亜子はしゃぎ爺に水掛け墓参り高上ちやこ
ラジオから川藤の声墓参かな高岡春雪
墓参り祖母の愛したショコラティエだがし菓子
墓参りタバコの煙懐かしき高田佳典
皆来たよコップ酒開け墓参たかandひろ
黒ネイル施す息子墓洗う高辺知子
墓参線香の灰崩れけり高嶺遠
神妙に親の真似して墓参り高橋基人
石畳変わらぬ道の墓参高橋紀代子
独り言つと多くなり墓参たかはし千百
墓参教え子手向けし花一輪田上コウ
広き墓地巡回バスを待つ墓参高見正樹
陽和らぎ四代揃いし墓参り滝澤和恵
白き雲てくてく歩き墓参り竹内一風
またひとつ空地となりぬ墓参竹田むべ
墓参り遠きあの日よふるさとよ多胡蘆秋
墓参祖父母の前でおにぎり食祐紀杏里
獣害に供えなき墓参かな鶴群
その後は粋な良い酔い墓参多勢に風情
沖つ波眺め拝む墓参り多田知代子
故郷の朽ちし母屋や墓参りただの山登家
祖父と来た記憶頼りに墓参り橘路地
墓参墓じまいして親は海立石神流
苔多し合掌で詫び墓洗うたていし隆松
にぎやかな遊びのままの墓参田中明美
墓参実家の処分呟かず田中勲
ほろ苦き母の視線の墓参田中美蟲角
今更に親の愛知る墓参田中ようちゃん
墓参り命の不思議をひとり問ふたなばたともこ
庵寺の住職居らぬ墓参りたなべ早梅
共に手を合わす人なき墓参谷相
墓参り見知らぬ同志笑み交わす谷口あき子
墓参りこれで最後と決心す谷口美奈子
墓参り唱ふるばかりあみだぶと谷町百合乃
墓参り「ぬくもり」の元に眠る祖父 田沼茉知子
墓参り無縁仏の黒き苔田上大輔
墓参花立ての水熱きこと田畑せーたん
墓いらぬ言いし娘も墓参りtabei白芙蓉
初めての樹木葬なり墓参り玉井令子
今生のまだ暮れかねて墓参たむらせつこ
俺だけがただ生き残り墓参田村利平
LAにダンス最後の墓参りダンサーU-KI
除草剤撒いてひと月墓参チームニシキゴイ太刀盗人
入院の義母へ写メする墓参ちくりん
墓参供花の紅目に焼き付く智同美月
墓参朝明に開けるワンカップ千葉右白
墓参り悩みを聞いてもらいたく千夜美笑夢
戦争や散りし友だち墓参司蓮風
墓参故郷の山遠くなり塚本英範
墓参り老親に代わり襟正す月砂
同じ名が立ち並ぶ縁墓参槻島雫
墓参先祖は坂の上で待つツキミサキ
遠き里位牌と語り墓参とす月見里ふく
ありったけの庭の花剪り墓参ゆく辻内美枝子
ご先祖さんぎゅうぎゅう詰めの墓参辻本四季鳥
腰落とし墓誌の名なぞる墓参かな辻栄春
墓参まわり色どる赤き花つついぐれちゃん
手を合はす順繰り上がる墓参り津々うらら
「参りんさい」忘れぬ声の墓参椿泰文
遠方の地図が頼りの墓参り津幡GEE
墓参薄れる墓誌に増す慕情鶴梨淵玄
墓石の右に傾く墓参デイジーキャンディー
子に引かれ孫を背負いで墓参り手賀沼亭ロン山人
線香と花もそろった墓参り手嶋錦流
美しき青の墓参代行の制服テツコ
墓参兄と二人の晩餐や哲山(山田哲也)
墓参いつしか父のせしまます徹光よし季
草の葉の微かに揺れて墓参てつねこ
墓参る人に付き合ふ墓参寺尾当卯
墓参り無言の問いに無音の返典雅
お供えを当てに鴉も墓参てん子
古里は昔の空や墓参天王谷一
住職も娘一人ね墓参りトウ甘藻
ぼうぼうの草かき分けて墓参徳庵
お気に入りの徳利持ちて墓参どくだみ茶
墓参り親父と同じ歳となり徳永康人
休みつつ坂道生きて墓参どこにでもいる田中
墓参り見送る姿背に感ずとこやまよもこ
墓参る墓しまふこと悔やみつつどすこい早川
なんとなく似た顔並ぶ墓参十津川ポロ
けふも晴れそのまへも晴れ墓参どゞこ
高齢も歩みしっかり墓参戸根由紀
墓参アルゴダンザは蒼に染む トマト使いめりるりら
何者にも成れぬまま行く墓参冨川友香理
早朝やもごもごと子の墓参り戸村友美
去年まで一緒に来てた墓参登盛満
かける声のまあるくなりて墓参友@雪割豆
父の名を墓誌に記した墓参とよ
墓移し墓参の頻度増えにけり豊岡重翁
墓参り数多の知らぬ人の墓鳥田政宗
ガタガタの階段吾子と墓参とんぶりっこ
車なき老人リモート墓参りなかいかづを
墓洗ふ雉鳩の声つづく中中岡秀次
草取りの跡の清しや墓参なか鹿の子
墓参り意味が分かった子の眼仲川暁実
墓参形見の喪服袖とおす中島葉月
墓参り幼き孫や早々と中藤雅子
墓参終え並ぶコメダのモーニング仲間英与
戒名の掠れ寂しく墓参中村朝顔
墓参母の好みし紅い花中村あつこ
墓参土も祖先とそっと踏む中村こゆき
そこかしこ警報アラーム墓参中村雪之丞
墓参り線香燃え尽き煙消え流れ星
歳重ね人に委ねし墓参七五三五三
柄杓の名多し「田中」の墓参那須のお漬物
願い事多すぎですね墓参ななかまど
墓の裏確かめ洗ふ代行業7パパ・いつき組広ブロ俳句部
墓参り無縁の塚を脇に見てなびい
孫と来てしばらく振りに墓洗う生天目テツ子
墓参来た道戻る慎重に南全星びぼ
好きなのは紫の花墓参にいやのる
墓洗う住宅街のど真ん中西尾至雲
線香の真っ直ぐ燃へり墓参西こでまり
水鉢を満たして父母の墓参り西野和香
墓参トリスの小瓶たずさえて西村小市
昼飯の話題ばかりの墓参二十八
風雨受け朽ちゆくおもちゃ墓参入道まりこ
墓参生花代わりの造花さす二和田躬江
墓誌の名を半分知らぬ墓洗う庭野環石
墓参終へて帰京の人と会ふ沼宮内かほる
弁当の土耳古料理や墓参ネコ?
無縁墓を踏まないように墓参猫ふぐ
野に摘みし供花の黄色墓参ねこむらさきご
墓参子らの手足の伸びたこと根々雅水
傷一つ無いふりばかり墓参野井みこ
墓洗ふ心地良き風谷中の夕農鳥岳夫
墓参り墓は後ろに亜空間野口雅也
共に墓参りし人の墓参野地垂木
ロッカーに父母鎮座する墓参埜水
初墓参隣の墓石知らぬ女人(ひと)野瀬博興
ぽつぽつと終う墓あり墓参野点さわ
新しき家族や連れて墓参野中泰風
野辺の花寄り添う君の墓参ののクラブ
墓じまい考えながら墓参野の小花
墓洗ふ父母憩ひたるこの木蔭野の菫
墓参り裏の刻み名想い馳せ野原一草
名のみ知る夭逝の姉墓参野原蛍草
ばぁばへと花握りしめ墓参野山めぐ
ふるさとの山が迎えおる墓参則本久江
化けて出てくれよやっとの墓参のんぬもんぬめぐ
墓参ここまで生をここから死白庵
子の配る線香煙る墓参白雨
夕映えの町を見下ろし墓参はごろも856
墓参なあまんだぶつありがとう橋爪利志美
膝笑う水飲み干して墓参り橋野虎空
墓参うらの裏まで這い廻る橋本有太津
今日こそは髭を当たって墓参り馬笑
小さき手を大きく合わせ墓参り羽住玄冬
幼子と妻の名なぞる墓参り長谷島弘安
墓参り散骨墓碑に従兄弟の名畑中幸利
石室を出でて墓参の客を待つ畑美穂
遺骨なき戦地の父や墓参葉月庵郁斗
虫除けのスプレーの香の墓参葉月けゐ
墓参久し会ふ叔父小さくて八方おこじょ
墓洗う親族縁者酒少し花岡淑子
転ぶなと孫に言われて墓参花弘
墓参自分好みの花を買ひ花咲めだ香
小さき手の煙ひとすぢ墓参花はな
花模様下駄形見履き墓参華花開く
昭和の子登って下る墓参りはね花
ふる里は同じ名ばかり墓参り羽馬愚朗
墓参赤の他人と合祀墓に馬風木瓜子
墓参無沙汰を詫びる挨拶す葉森木霊
墓参響く読経に聞き惚れし林梅子
墓参り父に似合ひの花抱へ林田リコ
早朝の山心地良し墓参林めぐみ
洋上墓参帰島願い続けて原島ちび助
にこにことお願ひいくつ墓参原水仙
山頂の風に吹かれて墓参原野乃衣
やっと母に詫びたい娘の墓参原善枝
ふるさとの潮の匂いや墓参春あおい
墓参子供は迷路で鬼ごっこharu.k
失態を見透かされたか墓参春爺
清らかな山の水汲む墓参haru_sumomo
ひっそりと花置く男墓参葉るみ
墓洗う山の烏の声遠く伴田至誠
革靴に砂利ケンケンす墓参パンドラみかん
法名を丁寧に拭く墓参かなピアニシモ
夕日背に墓参の二人訥々と東田一鮎
花と酒母と父への墓参り東の山
村の墓地供花競い合う墓参東山たかこ
香は揺れ深閑と消ゆ墓参匹田小春花
ひさびさの墓参り終え妻無口日置好美
父母兄へ墓参無言病床でひぐちいちおう(一応)
墓参り分かつ線香手から手へ髭撫子
畦道を一列になり墓参りピコリス
墓参り知らぬ言葉の読経聞く菱田芋天
墓参スニーカーで登る坂ひすい風香
小姑の小言五月蝿き墓参一石劣
義姉の来てあれやこれやと墓参日向こるり
生きる身のせめても為さん墓参かなひな扶美子
お迎えはまだまだいいと墓参姫川ひすい
墓参木々の戦ぎに包まれてひめのつばき
墓参母に不孝を詫びる日にひめりんご
ファミレスに初の五代目墓参り141番
いとま告ぐ君無表情墓参花平野純平
ななめにへりしルージュつけ墓参浩子赤城おろし
墓洗う姿そっくり父息子廣重
年毎に道の荒れゆく墓参かな広島あーやあーや
穏やかな父瀬戸の海墓参広島立葵
ワンカップ四本並べ墓参ひろ夢
子の抗議思い返しつ墓参り琵琶京子
玉砂利によろけながらの墓参かな琵琶湖亀
朝早く住職と会ふ墓参フージー
少し待て逢瀬を誓う墓参FUFU
久々の墓参「梅子墓」の隣深川文吉
墓参父のよく吸う安煙草深澤健
墓参り花屋の参る隣墓福井桔梗
君逝きぬ今は静かに墓参福川敏機
杉木立祖母の手温し墓参福ネコ
墓参墓石に生えてゐる胸像 福間薄緑
墓参赤きネイルの細き指藤井かすみそう
墓参隣の人の火を借りる藤井京子
うなだれる花を抱えて墓参りふじい眞みこ
墓洗うバケツ二つの重さかな藤丘ひな子
独り居る寂しげ母の墓参藤川鴎叫
古き墓やがて更地に墓参藤川哲夫
たれも来ぬ母は寂しき墓参藤川雅子
線香より好きな煙草を墓参りふじこ
拝む人いずれ拝まれ墓参り藤沢・マグネット
過ぎし恋母のみに告ぐ墓参かな藤原涼
門前の餅が目当ての墓参伏見レッサーレッサー
墓参り妣の数珠手に拝む父太井痩
赤文字の母の名白に墓参り文月紺色
懐かしき声の飛び交う墓参かな冬島直
墓参り年数回の逢瀬かなぶるーふぉっくす
清めあげ心安まる墓参りふるかわしげこ
ただ今は合い言葉なり墓参り古川しげ子
墓参孫の喧噪お経なり古澤久良
墓守のふわと飛び交う墓参かな古庄萬里
墓参り待ってる犬の大あくび古道具
先祖墓刻まれし和歌墓参かな古谷芳明
蹠に小石墓参の歩みかな碧西里
墓参横切る猫が飄々とヘッドホン
墓参り叔母と従姉妹の似た背中峰晶
お互いに年をとりし墓参り宝松苑
守り来る溝薄き墓誌墓参房総とらママ
墓参の花久しく会わぬ親類暮戯
玉音放送聞きし父母へ墓参星雅綺羅璃
かすれたる手桶の紋や墓参星鴉乃雪
震災の罅そのままに墓参干しのいも子
うつしよのしのびに照りて墓参かな甫舟
墓参り背負った吾子が草を抜くぼすみん
ロザリオを取り出し友の墓参かな細葉海蘭
鬼まんじゅう買いて祖母と墓参りほたる純子
次男坊入るあてなき墓洗う堀卓
墓参無縁仏のうずたかく堀隼人
水に濡れた雑巾と墓参や本気のめんそ
初孫とおりんを鳴らす墓参凡狸子
近況と悩みつぶやく墓参前田昂平
墓参有楽町のガード下茉叶
ばあちゃんや背中かゆかろ墓洗ふ雅蔵
山腹の絶景墓参登山眞さ野
墓参り今の自分を告白す町家の日々輝
仏花萎え人影消えて猫墓参松井酔呆
吾の死後は誰が葬るや墓参松井貴代
墓参り参られるのが近くなり松井英雄
姉妹は墓地待ち合わす墓まいり松浦宣子
カップ酒父に供えて墓参松浦姫りんご
御先祖の足音がする墓参前松岡拓司
墓参風が語るや父母ヶ浜松尾祇敲
墓参り遠き我が子に伝えたし松尾美郷
帰国した娘と先ずは墓参り松尾老圃
こちらより賑やかですか墓参松坂コウ
杖となり母に付き添う墓参り松下弘子
一年のご無沙汰でした墓参まつとしきかわ
嫁ぐ日を父母に伝えむ墓参り松永好子
墓参ちょうど一年前の今日松野蘭
母はもう登れぬ道や墓参松本厚史
風に和ぐ香煙紫煙墓参り松本こっこ
墓参りたばこ一本煙一本松本牧子
異国から心の墓参増す近さけーえむ
墓参り父が選びし木の下へまやみこ恭
墓参線香分ける小さな手まりい木ノ芽
水提げて無縁塚過ぐ墓参まるごとハテナ
天上の夫と話すや墓参丸山よし子
墓参り近道覚えた道何処美衣珠
提灯を持ちて歩きし墓参三浦ゆりこ
墓洗う命日同じご先祖様三木崇弘
玄孫達を連れてきました墓参りMR.KIKYO
年重ね母に似てくる墓参かな水谷未佳
墓参り君の二倍も生きるとは水巻リカ
墓参いまも流れる七つの子三隅涙
墓参せし納骨堂やみな個室三田忠彦
墓参十五歳下新妻と巳智みちる
御影石のまろきくぼみや墓参満生あをね
瀬戸の島船頭連れて墓参三日余子・いつき組広ブロ俳句部
墓参優しき木陰も懐かしく光月野うさぎ
墓参水琴窟が木霊してミツの会
びつしりと白モヘアめく墓洗ふ満る
シウマイに杏が寄つて墓参かな 南方日午
父母の杖を突きつき墓参ミナガワトモヒロ
隣人の残り香ゆれる墓参りみなづき光緒
親不孝詫びつつ拝む墓参り湊かずゆき
新しき隣りの塔婆墓参りみなみはな
あの広い背中想いて墓洗う宮城海月
墓参り祖父の話を聞き歩く美山つぐみ
墓参り灯もて花もて賑やかに宮村寿摩子
御先祖を星になぞらふ墓参り宮本モンヌ
欠け落ちた旗本の名や墓参妙
鼻歌の La Vie en rose 墓参ミラベル
出戻りを嬉々と告げをり墓参みらんだぶぅ
茣蓙しいて宴会島の墓参夢雨似夜
マンション群競う塔婆の墓参ムーンさだこ
墓参枯花二本ありにけり武小川寿歩
曾孫抱き一族皆で墓参むじか
わだつみをねむる最期の墓参武者小路敬妙洒脱篤
墓参大橋渡る三世代むらのたんぽぽ
年ごとに老ゆ御巣鷹の墓参かな暝想華
墓参かの日の父母と交信す恵のママ
墓参り深くこけむし手間をとり恵美笑
ロッカーの父母らの骨や墓参メディックス千里
墓参いなかの友はみな喜寿にめでかや
墓参去年気づかぬスロープでめりっさ
墓参あつまる人の若返り毛利尚人
鳴ることの無くなりし時計墓参望月朔
墓参とや心の機微を通わせて樅山楓
墓守の猫に会釈し墓参かなmomo
母好む花を選びて墓参桃香
をちこちに時告ぐ調べ墓参り森上はな
草取りは甥に任せる墓参森嶋ししく
はかまいり昼は無人の製材所もりたきみ
刻まれし俳句の隣墓参り森の水車
黙々と陰なき墓参坂登る森茉那
墓参り造花の菊の毒々し山羊座の千賀子
墓参いつも雑草はえる頃八木実
線香を家族分だけ墓参り矢車草
我入る墓と悟るや墓参り矢澤かなえ
墓参生きていたなら今日で百安田篤史
生え狂う雑草鎮める墓参り安元進太郎
線香も花も忘れし墓参柳井るい
ここだけの場所無心なる墓参やのかよこ
今はただ一人ぽっちの墓参山内泉
読めぬ名の碑も洗ひたる墓参山内彩月
好物の煮しめ供えり墓参り山内文野
墓参梵字の中に命あり山川充
墓参り口実にしたこの帰郷山口愛
夕暮れの街見下ろせり墓参山崎かよ
叔父二十歳戦病死とや墓洗う山崎のら
墓参り飛行機雲のにじむ空やまさきゆみ
墓参りほらねと庭の花抱え山育ち
墓参り確執と感謝の雲山田一予
墓参り宅墓に決めて墓じまひ山田季聴
亡き母の愛でし帽子と墓参山田翔子
従姉弟らと朝のご馳走墓参やまだ童子
早朝の讃美歌友の墓参山田はち
坊主の意ウソとホントの墓参り山田秀男
毎年の愚痴こぼし手合わす墓参り山野花子
墓参り午後はやっぱり中華街やまもとのり。
墓参の花胸に湧き出る悲しさよ山本葉舟
水を飲む飯食べるよに墓参る山本蓮子
墓洗ふ女系家族の先思ふ山吉直美
となりにも花を供えて墓参山吉白米
繋がりし縁誇らし墓参有野安津
得意気に柏手打つ子墓参かな雪子
墓参読経に混じる鳥の声雪音
せめてもの好きな花添ふ墓参かな柚子こしょう
柴犬に面影うつす墓参かなゆず柴
蘇る母の運針墓参柚木啓
墓洗う母のつぶやき遠い雲夢一成
墓参り褒美は昼の回る寿司夢散人
思春期の姪は気怠げ墓参陽花天
名をなぞる指は節くれ展墓かな羊似妃
同じ駅病院前に墓参夜香
家紋より武士の家系や墓参り横山道男
墓参笹と草とが入り乱れよしぎわへい
墓石拭く立つ湯気のあり墓掃除吉田春代
墓参り老いたる父が立つ先頭吉富孝則
墓参り草草草に花供え吉成小骨
墓参むしる草には有る命吉藤愛里子
指先に残る香りや墓参よしみち
どの道を行けども険し墓参Yoshimin空
墓参り風に語らう祖母の声山口の俳人よっちゃんV2
三十五年待つ父へ告ぐ墓参四葉の苦労婆
三年を遅れ土踏む墓参り楽花生
墓参魂は若い儘死すリーガル海苔助
たつぷりと水を刻字に墓参理佳おさらぎ
兄弟のお使いはバス墓参六星菴
背中越し近況を知る墓参り璃子
墓参笑いの渦は遅き経流流
墓参り連れ立つ母にそよぐ風麗詩
墓参増えたる墓の二つ三つ連雀
男坂ちときつくなる墓参若宮直美
墓参祖母の知る人出逢い場所わきのっぽ
墓参は山ここからおうち見えるねわぎゃん
墓参不仲の過去に気は重く海神瑠珂
清々と帰路の釜飯墓参りわたなべいびぃ
墓参り遠き病床にて合掌奎星
彼岸との道通いたる墓参わたなべすずしろ
テトラポットと同色の墓参綿鍋雪
「龍」と言ふ愛犬眠る墓参 五葉松子
百合だいて坂をのぼつて友の墓参越智空子
吾老いて父母の墓参や落葉踏む河上輝久
とぐろ巻く蛇と遭遇墓参りひーちゃんw
また蛙休む刻字や墓参福良ちどり
墓参日傘を被せ掬う水松本直樹
- 夏井いつき先生からの一言アドバイス
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◆俳号のお願い二つ
①似たような俳号を使う人が増えています。
俳号は、自分の作品をマーキングするための印でもあります。せめて、俳号に名字をつけていただけると有り難く。共に気持ちよく学ぶための小さな心遣いです。②同一人物が複数の俳号を使って投句するのは、堅くご遠慮下さい。
「いろんな俳号でいっぱい出せば、どれか紹介されるだろう」という考え方は、俳句には馴染みません。丁寧にコツコツと学んでまいりましょう。
◆ひとことアドバイス
●俳句の正しい表記とは?
- 墓参 向かって右は 六芒星ギザギザ仮面
- 不義理する 息子が訪ね 手を合わす前田哲
「五七五の間を空けないで、一行に書く」のが、俳句の正しい表記です。まずは、ここから学んでいきましょう♪
●兼題なし
炎天下手向けの水はお湯になり江口YUKO
亡き父母と肌熱伝う草むしり大山あのん
本選句欄は、毎回季語が出題されています。兼題を確認して、再度挑戦してくださいね。
●兼題も季語もなし
風速六十浄化せよ日本列島田中恵也
ご先祖とはるか昔の時おもう春風
報告は精いっぱいの笑顔だけ渡辺香野
共同墓の花立に庭のあの青石垣エリザ
幼き日手合わす人や墓の中岡村理江
墓苔に無沙汰を詫びてそっと撫で梶浦和子
兼題は、テーマではないので、「墓参」という季語を詠み込む必要があるのです。
●季重なり
墓参冷房ききしビルの中朝日雫
ワシワシと蝉鳴く墓へたどり着くあすか風涼子
墓参終えこれで無事にお盆来るいちばほうすい
遠雷に父しのびたり墓掃除おのさびねこ
炎天に秋行きますね墓参り金子英輔
墓参り渡りやめたオジロワシ櫻井りこ
墓参問へば答ふる青葉ずく風信子
墓参り造花イキイキ空高し鳳凰美蓮
墓参りちちはは恋し秋の蝉本間美知子
訛り聞き草刈りとるや墓参り目黒千代惠
墓仕舞い言い出せず手向く鬼灯 山本単魚
一句に複数の季語が入ることを「季重なり」といいます。季重なりはタブーではなく、高度なテクニック。季重なりの秀句名句も存在しますが、手練れのウルトラ技だと思って下さい。まずは「一句一季語」からコツコツ練習していきましょう。「墓参」以外のどれが季語なのか、歳時記を開いて調べてみるのも勉強です。
●むしろ「お盆」の句
墓参りいけずに祈る盆の昼しげ3
こちらも季重なりですが、「盆」が主役になっている句だといえましょう。
●句意が読み切れなかったもの
墓参墓碑から昊へ殻五つ 松風花純
墓参根深い緑の嘲笑よ械冬弱虫
墓参り転がり落ちて猫になり柿本苧麻
名を刻む鑿の音する墓参り 墓石に刻む名? 佐藤恒治
なんとなく分かるような気もするのですが、句意が明確につかめません。一句目は、蝉の抜け殻でしょうか、蛇の衣かもしれません。二句目、詩的な表現ではありますが、「根深い緑の嘲笑」をどう解釈すればよいのか? 三句目、自身が転がり落ちた? 何か分からないものが転がり落ちてきたら猫だった? 四句目、時間軸を悩みます。今、ここで墓石に名を刻んでいる? 今、刻んでいるかのような新しい墓碑なのだとしたら、比喩だと分かるような表現の工夫が必要でしょう。
お待たせしました!8月の兼題「墓参」の結果発表でございます。今月も夏井先生からのアドバイスは必見です。単に「お墓参り」と考えれば春と秋のお彼岸もあり、つい「おはぎ」などを連想しましたが、季語で「墓参」といったときは「お盆」のものを指すのですね。ちょっとした引っかけ問題のようでした。10月の兼題「秋の暮」もふるってご応募ください。(編集部より)