通販生活の「企業理念」と「社会貢献活動」。
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世界の現場から2
40年にわたる紛争を経て2021年のタリバンによる実権掌握以降、人々の生活はさらに困窮。医者や医薬品の不足、医療施設への攻撃などにより、医療システムは脆弱な状態が続く。妊産婦死亡率が最も高い国のひとつであり、国境なき医師団は妊産婦のケア、小児医療に重点的に取り組んでいる。
© Oriane Zerah
© MSF
僻地・離島支援のため奄美群島などの病院での診療のほか、16年よりTMAT(災害医療救援活動団体)に参加する。
主な 活動歴 |
21年10月~22年6月 | イエメン |
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22年10月~23年5月 | アフガニスタン |
22年10月から、アフガニスタン第3の都市ヘラートにある病院で活動しています。私の主な役割は現地スタッフに重症患者の治療方針をアドバイスしながら、私たち国境なき医師団のスタッフがいなくても自分たちで診療ができるよう、医療技術を教えることです。
ヘラートには現地保健省傘下の病院もありますが、人材、設備、物資、あらゆるものが不足しています。医師や看護師の多くが国外に脱出してしまい、子どもの心臓の超音波検査ができる医師が近隣で一人しかいないということも。
それだけに、近隣の病院よりも高度な医療が無料で受けられる国境なき医師団が支援する病院には、日に1000人ほどの子どもが来院します。ただ、これだけ多いとトリアージ(治療の優先順位決定)が欠かせません。症状の軽い800人を保健省の病院に任せ、残り200人の重症患者を私たちが診察します。それでも病床利用率は多いときには285%。一台のベッドを3人の子どもで使用するイメージです。
現地で痛感したのは世界の不平等さです。はしか、肺炎、下痢、けいれんなど、日本であれば治療して治る症状で毎日大勢の子どもが亡くなります。
今、気になっている患者さんは、10歳の遊牧民の男の子です。1型糖尿病という難病で、足先が壊死した状態で病院にやってきました。踵(かかと)は壊死せずに残っていたのですが、切断して義足になるかどうかの瀬戸際で、現地の整形外科医と議論しながら様子を見ることにしました。
3ヵ月ほどの治療で状態は良くなり、家族恋しさに病院を脱走するほど元気に。しかし、今後の経過によっては切断の可能性も残っています。日本ではほぼ起きない合併症で、義足になってしまった場合の彼の将来も日本にいるのとは大違いです。そんな不平等さへの葛藤を抱えながら、日々活動を続けています。
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