通販生活の「企業理念」と「社会貢献活動」。
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世界の現場から3
2022年2月のロシア軍侵攻直後から、国境なき医師団はウクライナ国内と近隣諸国で緊急対応を展開。今年2月時点では約120人の海外派遣スタッフと約690人の現地スタッフが活動。医療列車による患者の搬送のほか、心のケアや移動診療、医療物資の提供、医療者への研修などを行なっている。
© Colin Delfosse
© MSF
英語教諭を経て、05年に日本事務局に入職。現在は監査法人に勤務しながら国境なき医師団の活動を継続。
主な 活動歴 |
09年5月~10年3月 | スーダン |
---|---|---|
15年7月~11月 | シエラレオネ |
「アドミニストレーター」という言葉は聞きなれないかもしれません。現地でプロジェクトごとに予算を立案し、お金を適正に配分、管理するのが任務です。現地スタッフの採用や育成、現地の労働法に則った人事・労務管理なども担当します。つまり、活動に欠かせない「お金」と「人」を扱う役割です。
昨年9月からウクライナ南部のミコライウという町で約5週間活動しました。現地では行動制限もあり、10月のクリミア大橋の爆破直後にはロシア軍の報復爆撃を警戒し、隣国のモルドバに一時避難するなど、「戦争」を間近に感じた時間でした。
お金の管理なら日本にいても業務をこなせると考える人もいるかもしれません。でも、現地の状況は目まぐるしく変化します。紛争が激化して、治療に欠かせない電気や浄水が確保できなくなることもある。そんなときこそ私たちの出番です。
予算配分を見直して発電機や浄水システムを緊急購入したり、資金が足りなければ活動を統括する本部に予算増額の交渉をしなければなりません。何をどのくらい、いつまでに必要か。こうした判断は現地で、支援を必要とする人々のそばにいないとできないのです。
現地スタッフへの給与支払いも、アドミニストレーターの大切な仕事のひとつです。派遣先によっては紛争などで銀行が機能していないこともあります。そうした場合には遠方の銀行まで行って給与分の現金を引き出し、現地まで運ばなければなりません。現金を運ぶことと口座で管理することの両方のリスクから活動資金を守り、支援活動の現場にいかに届けるかも重要な役割です。
ウクライナでは病院も砲撃の対象になって被害を受け、その修復工事のために大きな額の予算が計上されました。もともと医療水準が高く、現地の医療従事者たちも残って治療対応をしています。彼らを継続的にどう支援できるか、考える日々です。
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