通販生活の「企業理念」と「社会貢献活動」。
こちらの記事もおすすめです。
世界の現場から4
20年以上にわたる内戦の末、2011年にスーダンから独立。和平合意後も内戦の継続や食料危機のほか、21年には大洪水が発生、避難民がさらに増加した。国境なき医師団はマラリアや外傷の治療、出産介助、訪問診療、内戦を生き延びた人びとへの心のケアなどの医療提供を行なっている。
© Florence Miettaux
© MSF
複数の医療機関に勤務ののち、昨年から国境なき医師団に参加。現在は東京の大学院に在籍中。
主な 活動歴 |
22年1月~5月 | イエメン |
---|---|---|
23年1月~3月 | 南スーダン |
23年1月から8週間、南スーダン北部のアウェイルという町にある病院で小児外科医として活動しました。周辺人口130万人に対して、小児や妊産婦への手術など高度な医療を提供できる病院はここだけ。外科医は2人しかおらず、一日15~20件の手術をこなしました。
驚いたのは骨折の多さです。群生するマンゴーの木に登って遊んだり、食事代わりに実をとっているうちに誤って落下した子どもがひっきりなしに運ばれてくる。骨折も適切な治療を行なわないと、骨髄炎など重症化することも多いのです。
ある時、やはりマンゴーの木から落ちた子どもが、私の診察中に息を引き取ってしまいました。落下によって腹部の内臓が損傷し、エコーの検査で大量の腹腔内出血が判明した直後のことでした。もっと早く診察ができていたら助かったかもと、今でもつらい思い出です。
やけども多かった。地面で焚き火をしたり、調理中の鍋に幼児が接触してしまうのです。しかもウサギの毛を患部に植え付ける伝統治療が今も行なわれていて、これでは傷口が化膿して悪化してしまう。
南スーダンに派遣されて気づいたことがあります。国境なき医師団は医療だけでなく、買い物や税金の支払い、働く場所の提供などで地域の経済も支えているということです。アウェイルの病院では、多くのスタッフを現地で雇用して給与を支払っています。年収の中央値が10万円ほどしかないこの国で、国境なき医師団が運営する病院は貴重な職場となっているんです。寄附金はこうした面でも役立てられているのだと感じました。
私の専門は消化器外科ですが、南スーダンで専門外の小児外科、骨折治療、やけどに対する皮膚移植、新生児の奇形の手術など、さまざまな症例に対応したことで、医師としての幅も広がったと感じます。次回の派遣もぜひ応じたいと思っています。
通販生活の「企業理念」と「社会貢献活動」。
こちらの記事もおすすめです。
通販生活の「企業理念」と「社会貢献活動」。
こちらの記事もおすすめです。