夏井先生のプロフィール
夏井いつき◎1957年(昭和32年)生まれ。
中学校国語教諭を経て、俳人へ転身。俳句集団「いつき組」組長。
2015年初代「俳都松山大使」に就任。『夏井いつきの超カンタン!俳句塾』(世界文化社)等著書多数。
2月の審査結果発表
兼題「春の野」
「天」「地」「人」「佳作」それぞれの入選作品を発表します。
春の野にわたくし鳥に無精卵
ツナ好
夏井いつき先生より
春の野の真ん中にいるのは「わたくし」です。ここまでは単なる事実に過ぎませんが、後半のフレーズによって、前半のフレーズに意味が与えられます。前半後半は対句表現になっていますから、鳥が産むものの中に「無精卵」があることと、春の野に「わたくし」がいることが、対になって意味を持ち始めるのです。さまざまな命に溢れ、命を生み出す春の野にいる私は、何も生み出すことはない。それはまるで、命を産まない無精卵のようだ、というのです。「わたくし」と「無精卵」という負の存在を提示することで、草木が芽吹き鳥たちが囀る、季語「春の野」が本来的に持つ明るさを印象づける。こんな切り口もあるのだなあと興味深く読ませて頂きました。
勇者しか抜けない春の野のシャベル
柿司十六
映像としては「春の野」に突き刺さる「シャベル」があるのみ。それを「勇者しか抜けない」と限定することで、詩が発生します。絵本のような、ロールプレイングゲームの物語のような味わいの作品です。
春野の授業脱力の時間です
七瀬ゆきこ
生徒が勝手にダラダラするのではなく、授業の目的が「脱力」を学ぶことだと読みました。子供たちか、大人のための授業なのか、はたまた自分に言い聞かせているか。それぞれの読みを季語「春野」が受け止めます。
摘む人を眺める人となる春野
内田こと
「摘草」も春の季語ですが、「摘む人」を眺めることも春らしい情景。「眺める人」という傍観者の立場である作者自身も季語「春野」の現場にいて、春という季節を満喫している。その光景と心持ちに共感します。
春の野や妊婦に二つある心臓
みやま千樹
「春の野や」という詠嘆から提示されるのは、命溢れる春野と命を産み出す妊婦の対比です。後半「二つある心臓」という身体的事実に、読者である私たちはハッと心を衝かれます。野もまたどくどくと脈打ち始める春です。
子規をらばまり投げさうな春野かな
武井保一
もしここに「子規」がいたら、思わず「まり」を投げるのではないか。そんな「春野」だなあという一句は、「まり投げて見たき広場や春の草」の本歌取り。野球が大好きだった子規に捧げる春の賛歌です。
春の野よ吾を痛点として薫れ仁和田永
春の野やまづしき詩の羽化しさうにゃん
声絶えたる校舎春の野の遺構朝雲列
神さまの時計春野に忘れしよ葦屋蛙城
車窓を春野さつきの夢よりも眩し岡一夏
雨上がり春野むあんと呼吸する岡井稀音
遺失物ありました。春の野に告ぐおぼろ月
春の野の匂ひかすかや夜の髪熊谷温古
半濁点または春野に浮かぶ雲眩む凡
針千本のんだ春の野へ堕ちた幸田梓弓
春の野やさびしき象の皮膚めける古味鳥椋人
世界一大きな楽器とは春野コンフィ
春の野に足らぬ子犬と雲の数清白真冬
大の字の背中に春の野の浮力とかき星
段ボールキャタピラ春の野をどどどとなりの天然水
春の野やクッキーくずのように鳥二重格子
春野まぶしい番へなかつた和音僕だ沼野大統領
春の野はいつも鈴鳴るよな気配野地垂木
春の野のひかりの膜へフリスビーのんきち
鳥は今ひかりの礫春の野辺巴里乃嬬
春の野や食べられたげな雲ふたつ原田くろなつ
正論が痛い春の野が眩しい平本魚水
我といふコンパス春の野に狂ふ広木登一
解剖のあとは春野へ移動ですほしの有紀
春の野をひかりに溺れさうな犬RUSTY=HISOKA
春の野の奥は木造小学校アーモンドよーせい
春の野を目指し春野を突き抜ける愛燦燦
春の野やうるほふ指に実を一つ藍野絣
春の野やカーラジオから『キャンディーズ』あいれふ葵
春の野に寝転びて日の本は芳し逢來応來
袖濡らす人ひとりゐる春野かな青井季節
春の野やおもちゃのシャベル置き去りに青井心平
春の野に交信を待つ宇宙基地アオイソラ
鴇色の羽ひそめたる春野かな青居舞
さみしくて吾が子立たせる春野かな蒼空蒼子
春の野に未だ帰らぬひと眠る青砥展典
春の野や湖を見てゐる後ろ影青野みやび
敷鉄板除けて春野の青くあり赤尾てるぐ
春の野とどこのだれだかしらない子赤尾双葉
春の野やモグラ暗渠の水流るあかねペン銀
春の野やあの雲ならば座れさう赤目作
子が走る二の丸跡は春の野にあかり
この星の欠伸のやうな春野なり愛柑いつき組note俳句部
弥生野へ祈るかに火をおこしたる空地ヶ有
春の野やほろ酔いて妻口説くなり空き家ままごと
春の野や瞑る瞼の陽の灯り秋山らいさく
春の野や三連水車まで少しアクエリアスの水
靴音の潤みて春の野へ入る芥もくた
腹這へば確と春野の鼓動かな明智明秀
春の野を目にたくわえて外科室へ淺井翠
春の野やひしやげて赤き可口可勒淺野紫桜
春の野へ尻つけて撮る車椅子浅乃み雪
春の野の古きレールを渡りをり浅紫泉
春野行く人みな光まとひつつあじさい卓
町を捨てひとも捨てきし春野かな阿修羅
春の野の茶の湯和傘や陽を集む飛鳥井薫
春の野や鐙に残る靴の跡明日に翔ぶ会
産土の売れないほうの春野かな明日ぱらこ
春の野をいずれは川となる水が藍創千悠子
春の野や万葉集を諳んじる愛宕平九郎
春の野や明後日に届く三脚あたなごっち
春の野に放つ魂のんびり屋我孫子もふもふ
春の野も見飽きたからと妹は逝き阿部斑猫
琴の弾く唱歌響ける春野かな阿部八富利
春の野へつちのこバスターズのひとり甘茶トーシロー
春の野は飛行機雲の下にあり天鳥そら
春の野の鬣清か草千里雨霧彦(木ノ芽)
春の野や何でも嗅いでしまう癖雨李
新調の眼鏡で歩く春野かな綾竹ろびん
春の野やときおり外す笛の音綾小路へこ
春の野や小鈴の鍵も母もなく有村自懐
春の野や馬蹄の響きたおやかに安春
春の野へ歯生え初めの桃子ちゃん杏っ子
春の野のふかふか裾野はろばろと飯沼深生
踏みどころなくて春野を片恋す飯村祐知子
石仏の笑ふ声かな春野萌ゆ猪狩鳳保
手にギタークロスロードの果て春野粋庵仁空
いちめんの春野いちめん暮鳥かな生野薫
背泳ぎの如く春野に仰臥せり郁松松ちゃん
彼処の水の向う春の野在りし池田悦子
春の野に園児放たれ転ぶ固まる池田華族
春の野や通園バスは子ら放つ池田桐人
春野より君の匂いの風が来る池之端モルト
競るやうに育つ春の野しんこきふイサク
息吹立つ渦巻く春の野に呑まる十六夜の花札
春の野へ飛び立った子は戻らない伊澤ゆき抄
春の野や丘に腹這ひ翅の音為参
明日よりは造成地春の野の宵石垣エリザ
春の野に一人心の潤びたり石塚彩楓
春の野の轍に軽トラのラララ石塚壜太呂
春の野は美味かろうねと羽根立てる石原しょう
春の野やアンモナイトは土深く石原由女
吾の骨を埋め甘やかなる春野いずみ令香
春の野や犬吐く息の色めきて一井かおり
春の野に漕ぎ出してみる舟なくも市川卯月
初めての道に開ける春野かな一久恵
ままごとの野菜春野に今朝入荷一秋子
鴇色に言葉粧ふ春野かなゐつしん
人類の保育器として春野かな伊藤映雪
軽々と渡る春野の丸木橋伊藤順女
春の野や菜摘とふ名の子を抱きて伊藤なお
まず春の野を進みゆく寝台車伊藤ペンタ郎
春の野やレンズの中に走る子ら伊藤ゆかり
春の野を叫びつづけてやさぐれて伊藤柚良
春の野や瓣は褐色歪み落つ井登をかし
春の野や新たな子分すぐに泣き井中ひよこ号
春の野や大峰山の逆さ吊りイナホセドリ
春の野に沈むこのまま腐りたし居並小
春の野に逃がす金糸雀青を飛ぶ井上鈴野
春の野よ母の忘れぬ草の名よ井納蒼求
春の野をばあちゃんどこでみてますか猪子石ニンニン
見送りの吾は春の野に迷いいる井原昇
轟音を春野に残す機影かないまいやすのり
春の野や擬傷の鳥は巣を遠く妹のりこ
春の野に同じ苗字の友とゐる伊予吟会宵嵐
春の野へ投げた言葉が鳥になる岩木順
春の野はひとのこぶしをゆるませるいわさちかこ
春の野に袖ふれあへる朝かな岩清水彩香
春の野や廃止路線のレール跡上野眞理
叫んでも独り言めく春野かな上原淳子
休耕地より春の野は始まりぬ鵜飼ままり
春の野の本気今朝の空の本気うからうから
春の野やだんごむしめくちひさき背兎野ふう
測量実習サインコサイン春の野にうただねこ科
春の野や空に引かれる紙飛行機宇田の月兎
春の野や光の粒を踏むごとし空木眠兎
銅鏡に湿りあるごと春の野は靫草子
スニーカー脱げさう春の野のマーチ卯之町空
三様の大男ゐる春野かなうましか(志村肇)
春の野や土を割り空覗き見る海口竿富
春の野やふらり戻り来スナフキン梅里和代
春の野や川のむこうに養豚場梅朶こいぬ
涅槃は遠し春の野艶めかしうめやえのきだけ
春の野や友と居ること奇妙なる浦城亮祐
春の野よ調子外れの鼓笛隊江川月丸
春の野へ駆ける跳ぶ跳ぶ怖気づく江口朔太郎
待った分待ちわびた分春の野は蝦夷の珪化木
クラークの指差す街よ弥生野よ蝦夷やなぎ
春の野に伸ぶ開く飛ぶ跳ぶ弾む遠藤玲奈
春の野や雲に聳ゆる国見山近江菫花
春の野や透けて明るき鞠の影おおい芙南
妹の靴吸ひ込んで春の野は大岩摩利
病む犬を乗せてまぶしき春の野へ大江きみ
祝典の街出で春野に晒さるる大岡秋
長和音春の野を行くシューベルト大越総
春の野へあてずつぽうなバスに乗る大越マーガレット
春の野やこんなに広い空を持つおおさわ酔歩
春の野や夜明けの草の柔らかし大嶋宏治
忘れたき事あり春の野へ向かひ大塚恵美子
指広げ生きると叫び春の野へ大富孝子
春の野や屈みて匂ふ青と碧おおばあば美智子
春の野や萎るる草は掌の温さ大矢香津
春野まで廃線沿ひを進みけり大和田美信
春の野や塗り残しめく白き山羊大和出ユウスケ
杖つく吾を越せぬ人ゐて春野ゆくおかえさき
春の野の空は大地の水たまり岡崎未知
春の野を擽るやうに往く二人可笑式
春の野に埋まっているのは孤独です岡田いっかん
春の野や贈る言葉を青空へ岡田瑛琳
春の野は立ち止まるよう出来ている岡田きなこ
春の野に二の腕深く触れにけり岡田雅喜
春の野を子らのなにやら競ひあふ男鹿中熊兎
春の野の水ぽこぽこと土柔し丘ななみ
春の野を動かざる影うごく影岡根今日HEY
春の野や五重塔は常の貌オカメインコ
春の野や金糸雀色のフリスビー岡山小鞠
春の野を砕き絵具へ混ぜてみる小川さゆみ
春の野を球児らの声十周目小川しめじ
春野に大の字余命は吾で決める小川天鵲
遡上する魚のやうに春野ゆく小川都雪
春野ゆく体のピント合つてゆくオキザリス
太陽と眼が合ふ地面から春野沖庭ノ華風
一歩ごと蹠の謳ふ春野かな沖庭乃剛也
春の野やつるつるぽんと産まれた子小倉あんこ
ひとむらのうすむらさきを春野とす越智空子
心音を聴くともなしに春の野へ海音寺ジョー
王国や春野の上に人置いて海峯企鵝
春の野や書類倉庫へ風一陣甲斐ももみ
春の野や小石が描く放物線香依蒼
春の野や墾(は)る神斎く阿蘇神社風早杏
春の野は昨夜の星の溢れしか梶浦和子
春の野の端に墓標のごとく石樫の木
積み石の隙間もちさき春の野や風かおる
春の野に石積むだけの犬の墓加田紗智
春の野や山羊の蹄に柔き土帷子砂舟
春の野や分かれ道また別れ道ひだまりえりか
甘さうな色あちこちに春野かな桂佐ん吉
この春野越えて哀しき鬼の棲む桂葉子
春の野をころがる変拍子の校歌かときち
春の野を光となりて走る犬かなこと舞い結び
春の野や歩幅広めの二周半金子美鈴
春の野のここが真ん中深呼吸かねつき走流
春の野や肩の力の抜ける風釜眞手打ち蕎麦
春の野に値踏みをされてゐるやうだ神島六男
春の野の転ぶ寝転ぶお喜ぶ神谷たくみ
子も犬もおらぬが行かむ春の野へ紙谷杳子
弥生野や揺らぐ風あり余韻あり亀岡恵夢
春の野に袖を揺らして君を呼ぶ亀子てん
春の野や風の生れる音ぽぽぽ亀田かつおぶし
春の野の風波の畝せまりくるかもね
病窓の春の野痛み無き世界かもめ
絶滅を前提として春の野に唐澤うに
春の野や子犬の名前を考える絡丸いと
春の野や琥珀に死てふ欠片あり刈屋まさを
石ころになって春野の臍になる河上摩子
春の野や本は飛翔の形して川越羽流
音の無き音符あふれる春野かな川崎ルル
春の野に小さき錨となり座る翡翠工房
大部屋のサナトリウムの窓はるの川村湖雪
春の野へデニムの裾をひとつ折り河村静葩
春の野や詩集に無国籍の羽根喜祝音
春の野やナパーム弾が落ちた場所季川詩音
春の野に土割れの音聞こえけり菊池克己
春の野の風や口角25°きざお
隅にまだ瓦礫や春の野を駆くる岸来夢
春の野や補助輪はずす午後の風北大路京介
春の野やかつて都の柱跡喜多丘一路
春の野や夫という名の中和剤北田ひまり
春の野や並んで進む車椅子木谷智子
前転の後半速し春の野へ北野きのこ
春の野をぽつんと錆びた耕運機北の星
春の野に七七日の兄とゐる貴田雄介
春の野や沖に外輪遊覧船木寺仙游
春の野や母のやさしき返球をきなこもち
春の野を人質に土地開拓者城内幸江
春の野の浮遊シャガールの絵のごと木下桃白
春の野にダッシュのタイム計る声木ぼこやしき
風の子の跡を波紋として春野気まぐれ亭いるか
春の野へ老いたアリスと手を繋ぎ木村信哉
春野到着メーターは五千円Q&A
春の野や死体ごつこのまま眠る旧人がいど
春の野や幼馴染も吾も六十九ゼットン
昼闌けてひかり集むる春野かな杏乃みずな
朝食のドーナツ春の野のイーゼル霧澄渡
口笛とまたすれ違ふ春野かな菫久
春の野の空あおぎけり地動説キン肉アタル
退院や帰路は春野を経由してくぅ
車椅子ごと飛び込んでよし春の野はくさ
春の野や遺灰は撒かぬ会話だけくすみ輝く
風の乗り込む春の野の停留所くずもち鹿之助
握り飯緩く結んで春の野にクチナシ
春野ゆく金の喇叭は高らかにくちなしの香
下手くそなウクレレ春の野にひとりくつのした子
春の野や差し出す手へとわが手おく國頭洋子
春の野や来世はたぶん風になるクラウド坂の上
山折と谷折ひらき春の野へ久留里61
あつといふ間に仮設住宅春野黒岩牡丹
春の野へ幌全開の乳母車愚老
春の野やナイロン弦でアポヤンドくろだ@しろい
春の野やカルデラに住むとは誇り月下檸檬
春の野や飯盒に沸くスパゲッティげばげば
春の野やまずは交換日記からケビンコス
春の野に転がる我も外来種健央介
虫出ずる午後春の野のはしゃぎよう謙久
春の野の風にかすかな獣臭ケンG
ゴールなき春の野に跳ぶシュートの弧原神かたな
春の野へでいらぼつちの大欠伸ケント
春の野のひかり水車をまはしけり剣橋こじ
春の野に走る寝転ぶ恋をする小泉久美子
春野から風は生まれてくるのかな剛海
春の野を大きな踏切台として公木正
春の野へ命の巡る尿と糞紅紫あやめ
春の野へチャリで片道三十キロ虹博筋
春の野は温き雨吸い日差し喰む郷りん
春の野を歩みて指のさみどりにごーくん
春の野や雲を測量する歩幅古賀
吾は新婦光のヴェール春の野に古烏さや
春の野へ仮病四日のスニーカー黒望
父の孤独死青天の春野踏む苔間きい
休日の春の野に出す名刺入木染湧水
生きたしもっと生きたし春の野に立つ古知野朝子
盲目の老犬春の野を嗅げり五島潮
春の野や遠く虹色観覧車後藤三梅
まだ歌詞のなき唄春の野に歌ひこのみ杏仁
青空に包まれ春の野の胎動小箱守
記念碑の砲身動かざる春野小林脱太郎
春の野をどこかで濡らし雲の去る小林久女
春の野に素足地球の湿っぽさ小林風翠
田に集う野鳥彼方の春野より独楽
春の野に心が伸びをしておりぬ小山晃
春の野や飛べヒコーキの箸袋小山秀行
春の野やリュックに文庫本がない今藤明
春の野の地面は笑ふぽよんぽよサイコロピエロ
佇めば私春の野ど真ん中埼玉の巫女
春の野に居座はつてゐる不幸せ彩汀
春の野の凸凹を噛むひかりかな齋藤満月
鼻唄は朝ドラのサビ春野行く齋藤桃杏
春の野やのたりのたりと温水路さおきち
犬の尾は羅針盤なり春野行く酒井春棋
春の野やラジオが雪崩注意報さかえ八八六
春の野や混じる二つの国訛坂口いちお
待つ春野舞うは母馬乗るは妻坂島魁文
春の野や暗記している昆虫図鑑坂野ひでこ
春の野や石段だけのある生家坂まきか
春の野の定義をあをとする日かな坂本雪桃
春の野やオクターブ上げ歌えそう咲まこ
春の野に溺れては浮く教授かな桜鯛みわ
春の野や十七才は黙秘する桜月夜
春の野や瞼にたまる陽の重み桜華姫
春の野や手のそろはざる応援歌佐藤恒治
鉄塔の四肢の踏ん張る春野かな佐藤茂之
春の野をあとに揺れ出す上野行き佐藤志祐
春の野へ広ぐ画板の広さかなさとう昌石
朝日差すサラダみたいな春の野へ佐藤ゆま
春野てふ地球のやはらかいところ佐藤レアレア
春の野のふところ深く風を飼ふ錆田水遊
水筒に佐久の名水春野行くさぶり
春の野やほころびかけの花の冠彷徨ういろは
春の野にたなびくものはすべて碧さむしん
春の野の黄の真ん中に澄ます耳紗羅ささら
貝塚の上いくたびの春野かなさるぼぼ17
春の野の光と大気描きけり佐柳里咲
正解は捨てちゃえ春の野がゴール澤田紫
春の野へ目がけてスカイダイビング澤野敏樹
春の野や雨は消えゆく為に降る慈雨
春の野や帰宅困難区域にも四王司
闘病記閉じれば見えてくる春野塩の司厨長
春の野に伐根更新十八本じきばのミヨシ
春の野や喜寿の歩幅で愉しまむじつみのかた
春の野やくるぶし舐る牛の舌信濃のあっくん
春の野や山姥の手のなほ固し糸野句丹
春の野は上へ上へと秒速で篠雪
春野に落つ八十九個目の星座芝歩愛美
杜子春の腕ほの白き春野かな渋谷晶
子となりし母は春野がよく似合ふしぼりはf22
春の野に花の冠被せたしシマエナガ深雪
春の野や婆も加はるフラフープ島桜
測量の足元晴れてゆく春野島田あんず
春の野は御仏の掌なり霜川このみ
春の野をしゃべりたそうに雲浮かぶじゃすみん
ポン菓子の匂ひ春の野膨らめり砂楽梨
富士山を腹這う春の野へズーム柊二@冨美夛
出席を取るかに春の野をめぐる秋芳
春の野やこれより狂ふ物語シュリ
千年を春野は空に捨てられて常幸龍BCAD
すこしだけ春野を見せて野辺送り庄司芳彦
待つ人がいると嘘つく春の野や白井佐登志
春の野や読点の如付き添ひぬ白沢ポピー
ジャグラーの剣の転がるや春の野四郎高綱
どこまでが吾でどこからが春の野か白猫のあくび
タートラジン春野の淡きおままごと白よだか
春の野や小川のやはらかき蛇行ジン・ケンジ
春の野や君のくれた錆びたジッポ西瓜頭
小さきもの数へて春の野を讃ふ杉浦萌芽
春の野や上下忙しき鳩の首杉尾芭蕉
春の野や川に魚の通り跡鈴木季良恵
抜かば抜け吾はゆっくり春の野へ鈴木秋紫
今日までは春の野明日は地鎮祭涼希美月
春の野や魔法瓶より甘き音鈴木由紀子
膝痛を車へ預け春の野へ鈴白菜実
春の野の空へ広げし図鑑かな鈴野蒼爽
春の野を行進の手で歩きけり砂山恵子
春の野はなんとやさしきやすりだらうすまいるそら
チラシ折る紙飛行機は春の野にせいしゅう
老いて嗅ぐ全き春の野の表裏瀬紀
春の野に眠らせませう意地つぱり千・いつき組広ブロ俳句部
春の野や淀む電荷を返す裾宗珂
春の野に子をあやしたり鬼子母神草夕感じ
ビニ本を拾い春野の風ふふふったーとるQ
車中泊明けて春野のドッグラン高尾一叶
春の野に出でて摘みたる苦さかな高杉光水
思考手放し春野とは揺れるもの高田祥聖
己より巨きものらを追ふ春野高橋手元
春野来て手を振る君も吾も八十路高旗三紀子
春の野を素直になぞる茜かな高原としなり
白亜紀の魚ねむれる春野かなたかみたかみ・いつき組広ブロ俳句部
星たちの涙のうつわとして春野高山佳風
遠投の弧の先はるか春野駆く滝上珠加
ふあふあと雲ゐる春野チョコレート滝川橋
春の野やここからここは畑とす竹内不撚
春の野や全治三月の完治けふたけぐち遊子
靴底に春野じゆわりと沈みけり竹田むべ
春の野やゆるむ辺りにおしやべりすたすく
春の野に君は故郷のことばかり多田知代子
母の背も春野も同じ陽の匂ひ立田鯊夢
春の野や自分の色の縄を跳ぶ辰巳電柱
春の野を濃く尖るみな外来種立石神流
春の野の血潮の如き小川かな伊達紫檀
春の野や後ろ歩きも怖くない谷相
春の野やこの青くさき若人ら谷斜六
春野行く刈り上げすぎたうなじ撫で田上南郷
春の野やエコー写真を受信せり田畑整
春の野やいづれ鰥寡となる吾ら玉家屋
春の野や地球はいまも創りかけ玉木たまね
春の野や金銀の鈴蒔くごとく玉響雷子
春の野や羽音のごとき米軍機玉響海月
春の野のシャトルコックへ馬糞風竹庵
検測車光のなかを春野行く智幸子
春の野やとめはねはらひ茎光るちさいちそく
春の野を統ぶや津波タワーの黙千葉水路
春の野や遊びの輪より外れたり彫刻刀
春の野や白き風車の褪せし脚ちょうさん
春の野やむくりと尻の跡もたぐちろりちろりみゆき
春の野を養ひカンブリアの地層つくばよはく
一歩一花ひらがな唱ふ春の野よ辻本四季鳥
春の野をうねりて川は人里へつちや郷里
春の野に跳ぶ遠近両用眼鏡津々うらら
春の野に降りたがってる風見鶏綱川羽音
千人の星の原人春の野に椿泰文
春の野や妻にもあった反抗期つぶ金
春の野に曙杉が刺さつてる坪田恭壱
学会の参加証下げ春野かな爪太郎
春郊や待つてられるか闊歩闊歩鶴富士
春の野や男児は瘡蓋ごぞり剥ぐ手嶋子犬
春の野や笑ふがごとく雲の飛ぶ哲庵
春の野に気怠き吾子や十四歳徹光よし季
魁夷の道いずれ行き着く春の野よ天童光宏
春の野や独りで打ちてホームイン天王谷一
春の野をころげる音符めく子等は天陽ゆう
春の野に置いといてくれと言ふ父よ土井あくび
雨音にひとり荒みし春野かな桃園花仙人
喪ひし犬みな春の野に遊ぶ冬野志奈
春の野や未だ眠たげな空淡し遠峰熊野
春の野に死体のごとく埋もれをりどくだみ茶
乳癌も転移も受容する春野とすかのようこ
車椅子押すきみとゐる春野かなどすこい早川
春の野やほほえむことができませんどゞこ
馳せ来たれば春野一杯飲つてゐる戸部紅屑
おくるみのふはりとひらく春野かな苫野とまや
仲違いも仲直りも春の野で冨川ニコ
再検査了へて春野に包まるる富野香衣
春の野や上着押し込むサブバッグ富山の露玉
春の野に誰かのICOKAではないか鳥田政宗
春の野やスキップ苦手なまたいとこ豚々舎休庵
春の野や石を拾へば石の熱頓堀頓
春の野や割と明るき竪穴住居内藤清瑤
草橇を曳きて母ゆく春の野辺内藤羊皐
春の野やフィドルの音はかろやかに中岡秀次
春の野に迷わぬ風の走りけり長岡美衣珠
春の野のうえに私と昼の月なかかよ
春の野や赤子にテント設へて中里凜
春郊や武蔵の跡の国分寺長嶋佐渡
春の野にナウマン象の歯の化石中島走吟
奄美語で犬に命ずる春野かな中原柊ニ
足裏の記憶さだかや春の野ぞ仲操
新書繰る春の野をとじこめている中村明日香
春の野を踊らむ軍靴放り投げ中村想吉
春の野にしゃがめば地球近くなりなかむら凧人
春の野やライトフライの球を抱き中山由
春の野や放ったらかしの旅鞄ななかまど
おさがりの一両列車春の野を奈良素数
茶弁当欲しや春野に居間欲しや西川由野
画用紙に石ころ置いて春野かな西田月旦
旅立ちや春野は遠く山の影西原氷彩
春の野の子らの向こうにデベロッパ二十八
春の野の廃墟に遊ぶランドセル庭野環石
春の野や地球に食らう巴投げ猫塚れおん
春の野や地球の傷の癒ゆる音ねこの☆さんぽ
春の野や天下に一つ吾の臍猫ふぐ
頬に火照り残し春の野夜となる農鳥岳夫
水琴や春の野ほどくひとしづくののクラブ
荷ほどきは半分残し春の野へ野の小花
ことほぎや春野の夜を濡らす星野ばら
春の野やこけたら起きればいいんです野原一草
校舎から春野に漏るる合唱歌野原蛍草
春の野や車椅子から手を広げのんのんた
春の野や座してひんやりクロワッサン白山おこ女
花束は春の野に捨て退職す橋爪利志美
春の野や心ぽこぽこ息継ぎす蓮井理久
春の野に空を耕す風車かな長谷川水素
春の野や光をまとふ児らのこゑ畑中幸利
春の野やクラス五人の昼休み葉月庵郁斗
春の野へ名前をつけて我のもの八田昌代
ひろがりゆく金色春野の目覚め花はな
春野にささりし鍵ひねれば満開花彼岸
春の野の傾きたるや海までをはなぶさあきら
春の野や三十三回忌の終はるはむこ
チャンバラの骸すぐ起き出す春野葉村直
春の野や音叉となりて寝そべりぬ林省造
でたらめな歌口々に春野行く原水仙
春の野や点呼の返事あちこちに原田民久
春の野のひかり卵の殻の縁晴田そわか
春の野へおろす一歩の硬きかなはるっち
人体も地球も水となる春野春の幸
花の名をつけし胎児と春の野をはるの風花
春野よりはみ出してゐる小指かな春野ぷりん
夫の影踏みたし春の野に立てば春海のたり
ぬくもりの百年春の野のあくびはれまふよう
春の野や子犬を借りた幼き日ひーちゃんw
春の野を彷徨う風は円なり柊木柩
春の野を斜めに滑るブーメラン東沖和季
春の野やソフビ怪獣ばたんきゆう東田一鮎
縄文の尻のまるみに産む春野匹田小春花
春の野へ放てる吾子や羽化するやも樋口滑瓢
春の野を遠回りして大仏殿樋口ひろみ
春の野や起きてくるイタリック体菱田芋天
春の野やここは誰ぞの家なりしひでやん
春の野やモネのパレットの藹々日向こるり
二歳児の自我にさも似る春野かな比々き
春の野や翼のごときワンピースヒマラヤ杉
山羊当番振り返りつつ春の野へ日吉とみ菜
手拍子の湧くや春野の弾き語り平井由里子
春の野やニキビが一つ弟に平林政子
春の野やこの風の匂ひは撮れぬ平山仄海
パンプスのまま春の野へ行きしまま浩子赤城おろし
春の野やぽっかり穴がありそうで廣重
久し振り春野に伏して抱く地球広島あーやあーや
春の野や結婚線がありません広島じょーかーず
特攻の全機や春の野を知らぬ広瀬康
春の野は子らの行く道包みをり廣田惣太郎
春の野のひかりのにほひ猫帰る広野光
散骨の春の野空に謡わんか琵琶京子
長く飛ぶ紙ヒコーキを春の野へフージー
春の野や頭痛肩こり大欠伸深蒸し茶
春の野や膝上の犬香しく福前彩芽
土神の手は春の野を押し広げ福ネコ
春の野のちからクララの立つ力ふじこ
エアガンを我武者羅に撃つ春野かな藤咲大地
春の野の旗なる蕊を折り返す藤里玲咲
八十億分の二×春の野=藤白真語
春の野や地球目覚める耳の鼓動藤本仁士
春の野や口語体まだ百余年舟端たま
春の野になべて半音上がりけりふにふにヤンマー
春の野や重力を脱ぐランドセル冬木紬
春の野に「おーい!」と呼べば空が応える冬島直
とぽとぽと春野に置いた水時計古織沃
春の野のしゃがみしゃがんで草仲間古川しあん
春の野にレンズばかり磨いてる古澤久良
逃げ出したやうなる春の野の明るさ古瀬まさあき
春の野や橋また橋の川へ出る文室七星
春の野は刻を孕ませ刻を産むべびぽん
告知受け春の野の色あせにけり鳳凰美蓮
春の野や大の字よぎる鳥の影芳醇
春の野を駆けて熱(いきれ)の立ち上る房総とらママ
春の野や飛行機雲の解けてゆく暮戯
春の野や空に返ししこぼれ球保古亜歩子
保健室遠くて春の野を一人細葉海蘭
雨粒ぽとり春の野の全音符ポップアップ
春の野の草の葉にあかるき埃穂積天玲
米塚の盛り上がり立つ春野かな堀隼人
春の野や仔犬の伸びの児へ移り堀邦翔
春の野や腹這ひのままチャイム聴き前田冬水
春の野やあしたを待てぬランドセル槇原九月
春の野や眠たくなれば風のうた牧茉侖
弥生野の産声かすか聞こえけり増山銀桜
生きていること春の野のむずむずと町田勢
春の野や山羊百頭の土煙松岡才二
春の野や星生る匂ひ残りたる松田寛生
春の野へマーチは口の笛ラムネまっちゃこ
春の野のやはづみはづませ寝転ばせ松本こっこ
春の野や声の返らぬ宵の星松和幸太郎
決めていた色に髪染め春の野へまやみこ恭
春の野や吾子より大きぬいぐるみ毬雨水佳
春の野に蜜吸ふ遊び教はりきまるごとハテナ
春の野や十字架らしき風の貌丸山美樹
春の野や子らの息吸う音揃いまるり
椅子になる杖で春野を歩きをり慢鱚
春の野を寿トラックの牛歩三浦海栗
春の野や草生え始む大火口三日月なな子
春の野の風へチワワの鼓動足す帝菜
春の野や無垢なときなどたうに過ぎ三上栞
太古ヨリ方舟眠ル春野カナ三河三可
春の野や人皆罪を赦されてみかん成人
まだ人の怖くない子ら春野ゆく岬ぷるうと
杖突けば春野の生き血のぼり来ぬ水須ぽっぽ
春の野やお尻嗅ぎ合う柴とパグmr.kikyo
春の野のまん中光の鉱脈三隅涙
春の野に楽満つ埴輪の奏ずれば三高姫
ターナーを観て春の野を帰りけり巳智みちる
先生と分校脱出春の野へ美津うつわ
春の野に生まれたがつてゐる秘密みつれしづく
春の野や模擬合戦の子等の声湊かずゆき
夕映に遊ぶ風来る春の野辺美春
春の野をノックしているホッピング美村羽奏
春の野に追いかけっこの和音かな深森明鶴
春の野に光のフーガ煌めけり深森佳鶴
春の野や母のかいなへ一歩二歩みやかわけい子
春の野のあそこらへんがカツサンド宮下ぼしゅん
ひとり来てウクレレを弾く春野かな椋本望生
春の野や緩き歩幅をけふ大安無弦奏
春の野に摘む度見せに来る児の手紫小寿々
春の野や二胡譜の数字音となる村崎水晶
春の野やものたりない日々と仮眠村先ときの介
春の野や吾子の産着の水通しむらた典珠
春の野の逡巡えいと靴飛ばす明月詩悠
春の野を御召し列車のやうな鳥暝想華
春の野やいつかことばとならむもの茗乃壱
さびしさに耐へず春野をさまよへり茂木りん
熊虫がのそのそ歩く春野かな藻玖珠
春の野や見知らぬ人と缶ジュース望月ゆう
父の酒母の愚痴より逃げ春野桃猫
春の野や谷底よりも深き空森捷子
春の野にドリーネ恐竜の寝息森上はな
春の野や轍の先の車椅子森佳三
背骨あるもの横たはる春野かなもりさわ
春の野や尻を湿らす土の息森茂子
春の野は光の輪唱光の和森重聲
擬似家族証明仮家は春野森太郎
春の野に手足三ミリ伸びるかな森ともよ
春の野やこの玉子焼き完璧森中ことり
春の野や豊かな髪の肩にそふ森葉豆
春の野はあうらやさしくおしかへす森毬子
春の野のへそになりたい横たはる森萌有
春の野はトスカニーニのステップでもろ智行
春の野へビル解体の発破音八神てんきゅう
春の野や安産守りは象牙色山羊座の千賀子
犬のやうな風飼ひ慣らす春野かな弥栄弐庫
春の野や地球の傾斜いかほどか矢澤かなえ
春の野を滑る親子の段ボール野州てんまり
何故ならば春野の風に触れたから安田伝助
家の事そこそこにして春の野へ痩女
春の野やちから持ちから顔をだす柳とうふ
乃木像の目線の先の春野かな八幡風花
春野行く道は曲がつてをるが佳し山内彩月
春の野や遠く農家の狼煙有り山内文野
春の野やたどり着きたる伽藍堂山口愛
春の野の石に乾ける朱の筆ヤマコー
春の野や自転正しき水の星やまさきゆみ
春の野の遥かに煙り郷離る山田季聴
春の野やだーるまさんが転んでる山びこ
待ち合わせには春の野はくすぐったい八幡浜うさの
バス下りて一番星と春野行く友鹿
春の野や尻に湿りの及ぶまで柚木みゆき
春の野や少女の純に色つける柚子こしょう
春の野や叔母のポッケのゆで卵ゆすらご
春の野や縄跳びのなわ地に天に宙美
春の野をきれいに描くはずだった湯屋ゆうや
春の野や頁まだ硬き教科書陽光樹
春の野に佇てばきのふの雨に濡れ羊似妃
春の野へ出でて子の袖捲り上ぐ横縞
春の野に放つとどめの槍ぐさり横浜J子
天地のはじめは春の野の宴横山雑煮
春の野に「あ」から始まる出席簿横山ひろこ
春の野に寂れし鶏舎埋もれけり横山道男
混沌に胡坐をかいて春の野よしぎわへい
春の野にみんなやさしい眼になつて吉田春代
春の野や寝転ぶ我も野の一部吉藤愛里子
春郊の破綻してゐるブルーシート余田酒梨
春の野や風のはやさで歩き出す楽花生
春の野にまろび寝うかとプロポーズらん丸
ぱつと手を離し春野へ消えゆけり理佳おさらぎ
婀娜の毒秘めて屈める春野かな柳絮
軽トラの婚の荷の行く春野かなルージュ
春の野や水路の水の豊かなりれんげChan
春の野をノボさん一人吟行す連雀
押弦の痛み密かに春の野に若林くくな
春の野や草食む馬の尾ひとつ和澄永
春の野や一番星のなる木ありわたこと
昨年は春の野皆と来たものを海神瑠珂
春の野に野良猫土を選んで来渡辺香野
東京の切符春野に落ちてをり亘航希
春の野やざんざざんざといのちへ陽笑笑うさぎ
水を刷く紙へ穂先はふれ春野黒子
一斉に翔ぶや春野を巻き上げてうた歌妙
春の野や師を君付けで呼ぶ人とEarlyBird
春の野を空に転写気球群相生三楽
春の野や母子の競ふ花かんむりあ。うん
春野来て忘れる病も良しとするあおのめ
春の野は座つてもよし寝てもよしあたしは斜楽
いつも見る春の野だけど緑濃い黍団子丸
花咲けば光盛りて春野老く風慈音
春の野や鼻毛伸びてる母破顔雨戸ゆらら
春の野の土中にいのち蠢けり荒木ゆうな
春の野や球を転がす老いの会石井久次
春の野は使う人無き厨かな伊ナイトあさか
春の野や目印はすぐ怒る癖えぞりすの風
春の野や肉叉小刀銀の匙越冬こあら@QLD句会
春の野やここから茶とらと十五年花鳥風猫
村道の次信号まで春野かな宏楽
ヴィヴァルディ風奏でゐる春野かな杉本果ら
春の野に一日釣れぬ楽しさよとくねん
春の野へ無断欠席の高二かな中島葉月
草の舟春の野に出で折りにけり中島紺
発電の音無き春の野ありにけり仲田蓮謙
妻笑まふ今が一番春野かな中西千尋
春の野やドローン合宿の反省会中村雪之丞
春の野に薬莢の探す子らの声梨山碧
春の野や土手を二人で白い靴那須のお漬物
春の野や地雷のとなり蟲うごく名取秀
春の野や笑う膝あり子孫ありなやな
春の野は万華鏡めく大地かな比良山
腹時計お昼と言ひて春野かな雪子
春の野や夢は今でもパイロット雪鶏
夜が明ける咲いた咲いたと春の野にあいあい亭みけ子
童心の春の野満喫大の字で逢花菜子
春の野や今年の虫は活きが良い青空まる
プシュケーの原風景として春野青田奈央
まだまだと未来を探す春野かな赤い花弘
倍速で緑濃くなる春野かな秋月あさひ
春の野や太陽光は玉子色芥茶古美
少食の父や春の野のCheeza朝倉カグラ
病得し癒せし希望か春の野に亜紗舞那
夫と吾子キャッチボールす春の野にあさみあさり
春の野に溢るる子らの高き声明日葉
春の野や背伸び大きな深呼吸麻生恵澄
うつろひのひかり目覚めし春の野へアツシ
雨上がりこしょばいかおり満つ春野at花結い
春の野といふアルファへと巡り来しあねもねワンヲ
春の野に馴染む桜のパッケージあみま
春の野に行くよと祖母は紅を差し雨乙女
春の野に今年はふたりこの不思議雨森茂喜
春の野や空空漠漠見上げたり雨降りお月さん
春の野やおならができるほどの仲あらい
春の野の大地の息吹足に聴く荒木響
春の野へ扉放ちて新世界有川句楽
見つけたの歓声上がる春の野よ有田みかん
春の野や親子と犬と日差しあり有本としを
春の野の観覧車のる乗車券在在空空
春の野に放つ仔犬のころげゆくアンサトウ
春の野や児の手のひらに果実グミ井若宙
春の野は腹の虫鳴くまだ十時飯沼比呂倫
春の野に寝れば心音の穏やか家守らびすけ
花嫁と花婿春の野のレフ板IquedaQuenshi
ゆっくりと春野の中へ小海線池の端昇雲
春の野やピアノの曲名訊かれたり伊澤遥佳
弥生野に野点帰りの迷ひ人石塚碧葉
クンクンと我と愛犬春の野に石の上にもケロリン
春の野や躍動感じ足裏に石原花野
春の野や駆け出す移動遊園へ石村香代子
春の野や山賊むすびと卵焼き泉晶子
春の野や「田園」冒頭ヘ長調和泉攷
春の野に許しを得たり終の墓和泉園実
吊り革に委ね春野を垣間見る石上あまね
春の野に住所届のないもぐらいたまき芯
春の野や光溢れる名曲を市川りす
春の野や草木の陰にあるいのちいつかある日
春の野や土手に自転車二人乗り伊藤亜美子
春の野の百色数ふ遠野郷伊藤恵美
春の野に思ひ出ひとつたづさへて伊東海芋
春の野や母犬を追ひ小走りに伊藤薫
春の野やそちこち駆ける子らまぶし伊藤節子
空願う春の野跳ねて孫愛でにいとう雛菊
よちよちのころびころがる春の野よ伊藤れいこ
春の野をゆつくりぬらす雨の雲糸川ラッコ
春の野にいっぱいあるよオノマトペいとへん製作所
春の野や喜寿とも見えず野良帽子伊那寛太
春の野や浅き緑に風を見る井口良範
春の野や明日を信じてみようかないまい沙緻子
春の野に目覚め促す声ありやいまいみどり
春の野に菫色の帳落つ井松慈悦
春の野やラララと歌う息吹たち今乃武椪
巻き肩が少し開いた春野かな伊代ちゃんの娘2
春の野に太極拳のゆるやかに岩佐りこ
春の野にぶぁさりとふたり横たはる岩本遥
春の野や総身浮き立つ風の中上野徹心
三台のお散歩カート春の野へ内田ゆの
春の野にチヨコレイトとグリコ競るうつぎゆこ
春の野や弁当箱を開けた時宇野翔月
春野掛け残り香蒼きシートかな卯の花京
春の野に犬がごろんと二往復梅田三五
春の野にむすび弁当塩梅よし麗し
固き土もり上がらせる春野かな詠・想風土
春の野よ空の灰色打ち消して絵十
春の野は父母の温もりあるやうで江戸きり子
春の野や三つ葉探しし亡き母とえのき絵巻
春の野よ窓全開し深呼吸えのき筆丸
春の野にこぼれる日差し抱きしめる榎本奈
春の野や土竜の穴と子らの声榎本雅
春の野や往来人の明るさよえみくれ
春の野やスニーカーはおろしたてANGEL
春の野の花の一つや吾子の笑み遠藤千草
大の字に春の野を占むる吾一人円美々
春の野やエルフの魔法使いの郷延命寺
春の野の匂い纏て遊ぶ子ら大久保一水
春の野や黄色い声が風に乗り大阪駿馬
春の野やずり這いの子のでこに土太田一駄歩
微熱から解放されて春の野へ大津美
アポロチョコわけっこしてる春の野よ大野美波
春の野や園児の声に鳥の声大原妃
欠航や春野のベンチひと眠り大原雪
春の野の野草のお浸しや苦し大谷維鶴
春の野や吾子の笑みをも運び来る岡田恵美子
春の野や四つ葉探して夕陽落ち岡眞弓
春の野のここで鳴いてたタマとクロ岡村恵子
春の野や今年は家族一人増え岡村宗太郎
春の野や片足入れて遊びけん岡本
春の野の水車コトコト近くなり丘るみこ
キャンパスの山羊は春野へ里帰り小川野雪兎
春の野や変わりしものは児の背丈沖乃しろくも
春の野や体内時計正常に荻原玲香
春の野は頭を空にして歩く沖らくだ@QLD句会
春の野の景色も声も皆黄色おこそとの
Iターン春の野に出で深呼吸お品
初産を果たし安堵の春野かな小田毬藻
春の野に古里置いて転出すおだむべ
春の野や輪ゴム繋いで女跳び乙華散
春の野に花の名競う二人かなおつき澳吉
春の野に綿毛遊ぶや小さき風小野ぼけろうじん
くつを手に駈けだすふたり春の野へおひい
春の野に初フライトのドローン揺れ小山田之介
じいちゃんと汽車へバイバイ春野からおんちゃん。
春の野の秘密知りたる子らの笑み海堂一花
春の野や止まれば袖を巻く一人火炎幸彦
春の野やいっとうしょうがとれるかな雅喜
春の野や駆けて跳ねてのフリスビー鍵尻尾
春の野や遠く手を振る人の声影夢者
春の野に主を失くした猫一匹風音
春郊に在るソーラーの黒き屋根風花まゆみ
春の野や新しき挑戦決意鹿嶌純子
春の野やハミングしてる君と吾かじまとしこ
春の野の色のののめくノノグラムかすかべえやん
春の野や電波と別るる草枕風乃絣
車窓から青きうねりや春の野は風の母
春の野や愛犬のリード長く持ち片岡明
春の野に幼振る舞ふ菜幾つ片岡一月
春の野へ出掛けるための治療かなかつたろー。
円舞曲駆け巡りては春野かな加藤水玉
春の野を杖と治療中の足加藤栗庵
天国か犬とじゃれ合う春の野よ金澤孝子
春の野や昏れて果てなき茜空金子陽
春の野や新規霊園売出し中金子泰山
春の野を老犬すっと立ち上がる花星壱和
春の野や孫と夫との蹴るボール亀くみ
放たれて子犬春野の風となる亀山逸子
春の野や声こぼれいる昼餉どき亀山酔田
春の野や車窓全開まっしぐら鴨の里
風ゆらり春の野散歩靴歌う我ゆまる
春の野や足裏に土の柔くあり加裕子
イヤホンの恋歌寂し春の野やカラハ
春の野に雀たわむる笑み浮かぶかろりーな
手離しで春の野目指す双子かな川辺世界遺産の居候
春の野や裸足で駆けるワンピースカワムラ一重
春の野や地蔵見上げるフリスビー岸壁の龍崎爺
我が猫の生命のバトン春の野へがんも三世
吾子一歩二歩三歩ふむ春野かな菊地義明
春の野を子らと大の字山煙如月ゆう
春の野やあてなき旅に友誘う酒暮
春の野や白髪の夫の膝枕季切少楽・広ブロ俳句部
春の野を駆ける我が家のさつきメイ義想
春の野や再出発の朝の息北川茜月
春の野に手つなぎ鬼の子ら駆ける北乃大地
春の野や額縁効果の富士の山北美三風
春の野や解体予定の納屋を撫でギックリ輪投げ
春の野やおさなめおとのおままごと木下風民
春の野へマイクロバスでエキストラきべし
春の野やズボンの染みに母小言君塚美蕉
春野とは黄色き点描きらめけり木村カズ
背籠負い旬菜求め春の野へ木村修芳
春の野や三原色に白溶かし木村となえーる
春の野や土手の笹薮鳴きくらべ木村波平
春の野や食せる草を教えられ木元紫瑛
漱石や子規とたわむる春野かなQさん
はじめての立っち成功春の野よQちゃん・広ブロ俳句部神奈川支部
春の野に木道の幅一会かな鳩礼
春の野や天に神馬の駆ける如京野秋水
春の野や集め忘れた葉の行方清鱒
春の野に咲く花摘んで母を追う喜楽胤
春の野に夕餉の菜を摘みにけり銀のグランマ
春の野に球速増したり乾く音近未来
春の野に腰据えたれば気宇壮大鯨之
春の野や幼馴染と花冠くにっち
赤ん坊の欠伸移りて春野かな國吉敦子
春の野よ三密避けた日もあった櫟こかりな
春の野や列車遠音に子らの声窪田和子
懐かしき人に会ひたるよな春野倉岡富士子
春の野を愉しむ兎子が抱きてぐりぐら京子
春の野や摘む子飛ばす子掘り出す子栗田すずさん
シャーをする牙はちつぽけ春の野に空流峰山
鬼ごっこ二歳に捕まる春の野よ黒瀬三保緑
春の野を持ち上げたのか逆さ富士黒猫さとみ
春の野やレジャーシートを謎の虫黒山万牛
春の野や吾子ゆく先へレトリバー玄琶小篇
春の野で摘む亡き犬の思ひでと桑田栞
春の野や微かな声も聴こゆる空くんちんさま
春の野や添ひ遂げて知る夫の癖恵勇
春の野や遊ぶ童の頬に赤家古谷硯翠
先へ行く春の野の道君もゐし紫雲英
お宝を埋めし春の野このあたり恋瀬川三緒
春の野や手提げおにぎり彼好み河国老保忠
春の野やハミングさえも吸い込みて柑たちばな
ひよこ組のお散歩カート春の野へ幸田柝の音
ひらひらと光はためく春の野にこうだ知沙
春の野を吸えば肺まで青くなる河埜スミヰ
春の野にまばらなる人おり立つやこきん
春の野や花冠の小公女越乃杏
春の野やチャイルドシートの孫三歳湖縞
下校音路地を駆け抜け春の野へ越村和行
春の野へシャベルを背負ふ篤農家胡秋興
春の野やパステルカラー溶け出して湖水鈴
吟詠のこゑ春の野に山村に児玉ひでき
春の野へ幽体離脱したき午後虎堂吟雅
春の野に吾子が作るは花冠呉桃周行
春の野の青く肥えたる古戦場後藤周平
春の野は心の遥か奥の奥後藤昼間
春の野に散る金平糖キラキラと後藤葉羽
春の野や花摘む指の先青し来冬邦子
補助輪の取れた自転車春の野へ古都鈴
過疎村のバス便二つある春野小林昇
春の野や大地の呼吸音を聞く小林澄精
春の野や施設の窓に映る母小林のりこ
きのふより緑明るき春野かな小林理真
春の野に凧糸切れし気分かなこひつじ@QLD俳句会
春の野や四つ葉探しの尻三つ駒茄子
春の野に捨て置かれしは猫二匹こむぎ
春の野や犬がくわえるフリスビー碁練者
春の野や楽しき事が待っているコロンのママ
春の野に舞ふやツインの一輪車紺雪ぬくし
イヤホーン外し春野へふたりの歩さいたま水夢
ポチ駆けるそよ風軽く春の野に齋藤鉄模写
手を繋ぎスキップしつつ春の野へさかい癒香
春の野に逝きしうす影隻手の身榊昭広
啓蟄に生まれた我や春の野にさかたちえこ
久方に土黒々と春の野や坂本千代子
お昼時春の野急ぐガタゴトと相良まさと
春の野やちびた絵の具を絞り出す咲代咲
春の野や隣のふみちゃん早生れ櫻井こむぎ
春の野に売地の看板立てる人櫻井弘子
友の忌を春の野をただゆつくりとさくら悠日
春の野やスタッカートめく紅雨雑魚寝
春の野を高らかに裂きブーメラン笹桐陽介
春の野に放るじいじのフリスビー笹靖子
春の野ののろりとろとろのろりとろさざれいし
当て所なく歩む春野の細き道砂月みれい
春の野や駆け出す子ども追う仔犬佐藤公
春の野に我を忘れて筆を執る佐藤俊
春の野や童浮かれし童唄佐藤佳子
春の野に緑の絨毯敷き詰めて聡子
暮れはじめ春野の子らは店じまい里こごみ
春の野にスキップ還付金増えた沙羅双樹サリー
春の野や君とつなぎし手を振りて紗藍愛
鬱蟲なぞ春の野はケセラセラと笑ふ沢拓庵◎いつき組カーリング部
窓辺より春の野のぞむ隔離部屋佐波乃屋あ季
春の野やファーストシューズに草のしる沢山葵
春の野やラジオトークもよく弾み珊瑚霧
春の野やバス停独り待つ時間さんなんぼう
都城跡春の野という栄華かな塩風しーたん
春の野やゆっくり歩んで行くつもり塩沢桂子
幸せか飼い犬に聞く春の野でしきのみこOOR
春の野に恋を知らない猫が鳴く島掛きりの
春の野に寝転んでみる訳もなく島じい子
春の野や何処ともなく野良猫も島田ユミ子
春の野の先へ先へと川めざし清水ぽっぽあっと木の芽
心身に光あまねき春野かな清水容子
春の野は一面の黄となりにけり霜月詩扇
春の野にソシドレソシドレリコーダー霜月シナ
車椅子漕ぎ押され春の野の坂下丼月光
春の野や車椅子より母立てる下村修
送辞なきお別れ会や春野にて沙那夏
春の野や陣痛ごと土息吹く種種番外
むつきせし尻どつすんと春の野にじゅんこ
コンテンポラリーダンスの蠢き春野じょいふるとしちゃん
春の野に野球少年声高し正見
点描の筆の遅さの春野かな正念亭若知古
春野なる茨か否か我のみち白石鈴音
春の野に私と犬と幻と白井百合子
春の野に三歩踝こそばゆし不知飛鳥
春の野や吾子の声きく散歩道しらはまのぞみちゃん
春の野の二重母音のもどかしさ白いねこ
ベッド降り春の野を踏む父の背よ白岩座匠
春の野やコート片手の人半袖しわしわ
はじまりのブレス春の野の高鳴り神宮寺るい
春野行く母子の下駄の新しく新濃健
脚任せ免許返して春の野へ新森楓大
春の野や五年生存率上げる水都かほりこ
赤い缶立てて蹴り上ぐ春の野や末広野暢一
春の野や飛んだり跳ねる童の輪杉浦あきけん
生くるもの亡ぶもの出会う春の野杉岡ライカ
春の野や飛行機雲の境界線涼風亜湖
春の野や遠く幼なき日につづくすずきじゅん
歓喜満つ北の春の野何層倍すずしろ桂
春の野などどこにあるのか市街地のすたあー
春の野やちさき愚痴などふわんふわん素敵な晃くん
春の野や声張り上げし土手滑り数哩
春郊や民の竈に薄煙須磨ひろみ
春の野やポニーテールと三段重すりいぴい
春の野や保護犬ケンと初散歩静江
憂ひなど放り投げたき春の野へ晴好雨独
道草し上着を腕に春野行く青児
春の野や仔犬と仔犬嗅ぎ合へり清仁
春の野や地面突き出る生あまたせいだるま
ギプス取れ振り回す手と春の野と青峰桔梗丘
肥溜めの臭いに気付く春の野星夢光風
春の野に聴く馴れ初めよ共白髪瀬央ありさ
春野なら草臥れた吾もスキップを摂田屋酵道
春の野に当落ありて輪廻かな走人
春の野に音符満たしし吹奏部惣兵衛
戦地へと春の野届け日本よりそうま純香
その歌は春の野の先より響く十合百合
我が五感まだ大丈夫春の野よ曽田利江
春の野や寝れば美空を縁取りて外鴨南菊
春の野やナビゲーションはオフにしてそぼろ
春の野を外国育ちの引退馬そまり
「だるまさんがころんだ」春の野の黙染井亀野
春の野に残る轍や車椅子空豆魚
春の野にハンカチオトシの新聞部駄詩
春の野や肩甲骨をはがす人大
春の野や休眠打破の時満ちて大ちはる
背中から春野まみれの子犬かな大地緑
春の野に錯視としての恋溢るたいらんど風人
春の野やふるさと遠く目の裏に高田博子
春の野畑ジョバンニのソリチュード小鳥遊こはく
どうしたって走り出す子や春の野や高嶺遠
強き風寒さ消えゆき春の野や高橋紀代子
春の野や長靴の跡てんてんと高橋こう
春の野やデイサービスの行き帰り高橋ひろみこ
春の野の風を吸い込む影法師高橋マママリン
春の野のどこかに宝ありそうな高橋光加
息深く春の野の命いただく田上コウ
春の野をキッチンカーのカレーかな鷹見沢幸
春の野や蛹蠢き耳澄ます高見沢実雪
駆けること適わぬ八十路春の野辺高見正樹
春の野を走つてしまふスニーカータケザワサトシ
春の野に出でて深々深呼吸武部博臣
春の野の台詞のいまのアドリブね?たけろー
春の野や弾む肉球張るリード多胡蘆秋
春の野やキャンバス描く黄の眩し太之方もり子
春の野や清気に晒す我が余命田代充
春の野やまづ雑草に一礼す多数野麻仁男
春の野や匂ひ色音そこかしこただ地蔵
春の野やスマホの震動待つ鼓動ただの山登家
春の野で摘む葉の匂い爪の先立花かおる
春の野やファールの球に草匂ふ橘路地
渓水の流れて目覚む春の野や田鶴子
いま春の野を行く子らの清き声立田渓
春の野に新隊員かな鬨の声たていし隆松
春の野の怪獣草を纏わせて田中勲
春の野や地球の色の凝縮し田中紺青
春の野や色えんぴつを寝かせ持つ田中みどり
春の野や小さなくしゃみ一つして谷口ロレッタ
春の野を踏みしめ癒える力湧く谷町百合乃
かみかざり遊びし春の野遠い日々たぬちゃん
春の野や襟足すっきり輝きぬ田畑せーたん
春の野やさなだ紐解き膳揃う旅女
春の野に夫の冷たき手を握るたべい白芙蓉
家康がかつて戦をせし春野田村利平
春の野や捜索中の猫何処鱈瑞々
春の野へ投げし帽子の一回転丹波らる
春の野や心の窓を明け放つ智恵子
空仰ぐ媼帰りたがる春野智同美月
春の野を飛行船から覗く朝千鳥城、広ブロ俳句部カナダ支部
春の野や息子の背中を見送りて茅野ともぞう
しほしほの目を解き放つ春野かなちやあき
薄青と黄へ耳傾けて春野千代之人
壊れゆく記憶をそっと春の野へつえりん
春の野や故郷近き縁遠き塚本隆二
春の野や微笑みしまま寝る子かな月城龍二
今日は君の日春の野を行く独り行く月の莵
花冠伝える師弟春の野よ月見里ふく
子供らの声が満開春の野で月夜案山子
春の野やハデスは嫁を帰したか辻瑛炎
春野かな緑かがやく雨降りてつついぐれちゃん
車窓染む春野にむすび頬張りぬ都築減斎
春の野やペトリコールの記憶沸く津幡GEE
春の野やいつもの顔の輪となりて手嶋錦流
春の野に父と娘と遊びけり哲山(山田哲也)
古民家の友のショパンや春野の夜輝由里
春の野へ震える足の供血犬トウ甘藻
春の野やラッピング車の過ぎるまで東森あけば
春の野や同じルートを歩く人ときめき人
春の野やこれらの採取禁止です戸口のふっこ
春の野のきざし探して彷徨す徳永恵楓
春の野やダイナマイトの爆発音どこにでもいる田中
春の野のせめて香りよ天の子へ杼けいこ
春の野に小さき音符飛び交へり富永武司
春の野に揺れるフィボナッチ数列登盛満
春の野に別れ話を捨てにけり友@雪割豆
春の野や馬はひたすら草を食むとよ
春の野のあちらこちらに光の環豊岡重翁
春の野やピッコロの音と口笛と内藤由子
山と川春の野車窓鉄道路中澤孝雄
春の野や柔和な日差しそよぐ風中嶋緑庵
春の野や杖先ゴムを付け替えて永田千春
春の野や名もなき墓標あまた建つ中藤雅子
春の野に沸く歓声や草野球仲間英与
春の野や独り立つには広すぎて中村あつこ
春の野に広がる笑顔と肉の香と中村こゆき
春の野や見渡す先に風が吹き流れ星
春の野は鳥の誘なう明日の路那須乃静月
春の野を走る走れた頃の吾が夏風かをる
春の野のどこかにビーナスのピアス夏草はむ
春の野や無人駅舎の時刻表夏目坦
あしまかせ雨余の春野はマーブルチョコ夏雨ちや
いにしへの和歌色褪せぬ春野かな名計宗幸
還暦の扉を開けて春の野へ奈保
春の野や水辺の道を子と二人生天目テツ子
春の野へ筋トレ成果放物線奈良華咲
雲間から太陽生まる春の野へ南全星びぼ
春の野や父の背中は丸まりぬにいやのる
春の野へ裸足のジャンプ半ひねり西尾至雲
春の野へ高く鳶の声澄みぬ西尾照常
春の野や匂ひの奥に島ありて西園撫子
春の野の堰は芥の溜まり場に西野和香
春の野やフォークダンスの高校生西村小市
春の野に埋もるる銀の匙さがす二城ひかる
廃線の駅舎跡地の春の野よ入道まりこ
春の野や黒煙と焦げドローン来庭野せんたく
春の野は下天の一日命舞う丹羽正明
春の野や夢を拾ひにゆくと決め暖井むゆき
春の野や胸張って行く鼓笛隊沼宮内かほる
みいつけたしゃがみ歩きの春の野よねがみともみ
春の野や夢を伝えるフリスビーネギを巻く人
春の野を一歩踏み出す風軽し猫辻みいにゃん
五感ごと持ってけ泥棒春野原猫またぎ早弓
春の野に小鳥のコーラス待ちわびて根津治代
春の野やどこかでお会いしたような根々雅水
母を懐う道春の野は広がるねね丸ねね子
春野にてトランジットの風西へ野口雅也
いつもなる春の野の匂い身に刻む野三弓
春の野や子らのスキップスットントン野瀬博興
春の野に小さきビオロン習ひ初め野の菫
のびのびと春の野駆ける放牧馬昇椿
学窓の芯の苦みよ春の野ののほほん政子
春の野や文字化けのまま読むメール野村齋藤
春の野を喪服の母と歩く午後のりこうし
春の野にイーゼル立てて二人連れ則本久江
春の野へ未練断ち切る一人旅白山一花
春の野やお前さんゐない散歩道波止浜てる
春の野の匂ひ懐かし雨上がり馬笑
夕暮れの春野抜けくる童唄羽住博之
春の野や遠き思ひを抱きてくる蓮見玲
春の野や出来ない事が増える母葉多豊
愛猫は逝く春の野を知らぬまま初野文子
春の野や山の息吹を風に聞く華
春の野に人立ち入りしけもの道花岡淑子
春の野や手を振り返す子供達花咲春
春の野へワーズワースを友として花南天あん
春の野をかろきひびきや馬の鈴英凡水
春の野にイーゼル倒れ帽子飛ぶ花見川微風
春の野のちから頂きけふ飛ばん花水木
春郊のスキップフェスはこちらです花和音
吾子ひとり春の野歩む通学路馬場勇至
春の野や柴の子犬の転がりぬはままこみかん
春の野にハモニカの人紙芝居早足兎
水筒の水ぬるみたる春の野路林智哉
大都会抜けて車窓は春野へと原島ちび助
春の野に戦車の轍深き黒原修一
春の野や空に鳥鳴く昼下がり原善枝
春の野やスマホに問ふる花の名を春風
せせらぎに小魚キラキラ春の野辺haru.k
春の野や魂の翔け行く浅黄空春美
春の野やくしゃみ一つで景色揺れはるるん1号
春の野やドミニカ産のカカオ豆万里の森
春の野は希望に満ちつつ切なくてピアニシモ
春の野を駆け三つ編みの解けゆく東原桜空
春の野に名知らぬ花を見つけをり疋田千優
春の野や道着で飛び出す黄色帯火車キッチンカー
ハートの女王春の野のクロッケーピコリス
春の野やのゝ字を描く嘴高く一石劣
春の野のふみいづる方ぞあきらけき鄙び梅乃香
春の野やほんとはもっとしゃべりたいヒマラヤで平謝り
なんてこと春の野駆ける答案紙ひまわりと蒼い月
春の野に走り回りし愛犬とひめりんご
春の野や欹てて聴く母の息飛来英
焼き尽くす夕光春の野は静か平井千恵子
春の野や溢るる日向萌黄色平井智子
ゴザ抱え遠き視線や春の野や平松一
春の野に鳶が一羽飛んでおり平本文
春の野や子の足跡のやはらかし広ブロ俳句部三日余子
春の野や兄弟相撲始まれりFUFU
春の野とパピーの肉球やはらかし福井桔梗
春の野や退学の意志くずおれて福川敏機
春の野や羊を追って追われる子ふくじん
春の野や大縄まぁるく巡りし福田みやき
迎え来て春の野に風退院すふくのふく
春の野や殺伐と雌呼ぶ獣福弓
春の野や香り吹くらむ誰がためぞ無才句
春の野をノート鉛筆虫メガネ藤井かすみそう
春の野や古代の人の声密か藤丘ひな子
春の野に燥ぐ牛馬の気が分かる藤沢・マグネット
春の野に三つ編み解いて草を編む藤永桂月
リュックには句帳とビスコ春の野へ藤原涼
春の野や電柱見上げ鳥点々伏見レッサーレッサー
春の野やスキップ得意スニーカー藤本だいふく
春の野で眩し大の字風そよぎ不二屋バニラ
吉野山春の野追い追いまだ会えずふじ山れいこ
春の野や退職届を手渡して風友
春の野やひめ立金花光る顔古谷芳明
春の野を握りて兄の遠き背よペトロア
春の野やモネの色彩浴び走る峰晶
春の野を散歩しましょか雨上がりほうちゃん
春の野や草食む牛の背のひかり北斗星
スキップの一歩多い子かな春野ほしぞらアルデバラン
マドレーヌ焼けたら春の野へゆかん星月彩也華
春の野で牡鹿がこちらをみつめてるほたる
家を出るまだ見ぬ町よ春の野よほたる純子
春の野や追懐し川の字に寝るほのちゃん
春の野やうまく剥けないゆでたまご星野石香
春の野やつるりと剥けしゆでたまご町田思誠
春の野や草木も人も胸開き堀卓
春の野の日向の匂い染みこませ本間美知子
雨見上げ細く鳴く猫春の野に凡狸子
ひらひらと無邪気な笑まひ春の野へ舞矢愛
山道を出で春の野は平らかな牧場の朝
春の野や吾子の手にあり花の束槇まこと
春の野よ握る吾子の手陽の匂い正男が四季
足をハに右前睨み春野立つまさかわそう
春の野に立てないはずの君が立つ雅蔵
春の野の口笛ヒュイと吹けさうな松浦美紅
春の野や弁当箱は曲げわっぱ松岡さつき
頬撫でる風やぬくぬく春の野か松岡徘徊狂人
春の野や命に満ちてなほ淋し松岡玲子
光前寺門前仰ぐ春野かな松尾祇敲
春の野や無口な人に褒められて松坂コウ
足止まる荒野いつしか春の野に松平武史
緑増す一雨ごとの春野かな松永好子
あの青い花を句材に春の野へ松野蘭
春の野や白き浮島日を浴びて松本牧子
春の野やベンチに黙想するひと瑪麗
春の野やもういいかいとざわめく樹真理庵
春の野や母の笑顔に皆笑うまりい木ノ芽
春の野やホップステップるるるるるん丸井ねこ
春の野や雲指す指のぷくぷくりまるにの子
胸に抱く子に見せてやる春の野よ丸山隆子
春の野を脳内に置きパズル解くミースミース
春の野に天ぷらの具を探しに来みかりん65号
春の野の三段跳びの陽かな三木崇弘
陽だまりや小石も眠る春の野に三毛乱次郎
春の野やすずめ目線の草の丈三茶F
野辺送り柩のなかに春の野を水井良柚
春の野に通り過ぐ風囁かれ水巻リカ
すわりませうすみれぐみさんはるのゝへ満生あをね
春の野に寝転び幸せ空眺む光月野うさぎ
春の野はスキップしつつ歌うべし光森光
春の野へあゆみいざなひ向ふ山ミナガワトモヒロ
春の野やキンパつまんでハイボールみなづき光緒
ピスタチオ齧り春の野を抜けり源早苗
春の野を飛行船の影のびて嶺乃森夜亜舎
春の野に不法投棄の看板ありみはやななか
春の野にゆつくり母の手を取りて美穂・広ブロ俳句部
新道の開き春野の目覚めけり三群梛乃
喧嘩してランドセル連れ春の野へ宮井そら
春の野や日ごと蔓延る外来種見屋桜花
鳥の歌聞こえてきそうな春の野と宮城海月
春の野や泣く子駆ける子転がる子宮坂暢介
春の野に女踊るや手に銅鏡(かがみ)みやざき白水
春の野や子らはしゃぐ声満ち満ちて美山つぐみ
寝ころんで春の野のパーツとなりたし宮村寿摩子
春の野や荷造りのただ淡々と麦乃小夏
深呼吸春の野をただ謳いたい麦野光・いつき組広ブロ俳句部
春の野に三角帽子の子等並ぶムシ・ミカミ
春の野や都市の踏切鳴りやまず睦月くらげ
春の野や遊覧飛行機は近しむねあかどり
春野に耳澄ませれば風まるく村岡より音
春の野や跳ねて大地は温もりぬ村上の百合女
春の野に茣蓙と重箱置いてある恵のママ
春の野やかわいいちから持ち帰る目黒青邑
春の野の風にしゃぼんのエッセンス本村なつみ
番犬のオサム飛び跳ね春の野よ本山喜喜
靴脱ぎて春の野の人になりにけりmomo
春の野の土の匂いの柔らかき百瀬つきか
春の野に大型犬の大欠伸百瀬はな
春の野や母親呼ぶにのけぞって桃園ユキチ
春の野や木に登る子ら煩くも森嶋ししく
春の野にコロボックルへのキャラメルを森田祥子
春の野を足裏で感ずくすくすと森野恵
春の野や鬱王小さき笑窪あり杜まお実
春の野にかんむり作りて母に乗す森茉那
春の野で心に誓う十年後諸岡萌黄
春の野や閉じた心に風が吹く矢澤瞳杏
幼少の蜜吸いし日春の野の安永彩女
春の野のあの子の裾の淡き色山岡俊之
春の野に忍びやかなる月あかり山岡寅次郎
春の野やつかまり立ちの双生児山川腎茶
春の野に座り寝転び空抱く山川たゆ
春の野へ草の名を問ふ一年生山口絢子
春の野に座する嫗の押し車山口雀昭
足病んで孫に引かるる春野かな山口笑骨
春の野を駆くる兄妹嗅ぐる母山崎力
春の野に夜間飛行の降り立って山里うしを
笑う孫駆ける春の野転ぶ鬼山下智
春の野や我が隣よりズックの香山下義人
春の野の能勢路の地蔵のほほんと山育ち
春の野の惜別近し光遮断山田一予
柵を解きてひらける春の野よ山田啓子
春の野や君は大志を語りくる山田好々子
春の野を子犬駆け抜け子らが追ふ山田翔子
春の野や首をもたげる新生児やまだ童子
春の野や散歩は空で父と犬山田はつみ
春の野に子牛も花を好みけり山田未知子
春の野に命の気配満ちている山田文妙
デュエットで春の野に紡ぐ雨の唄大和杜
春の野に母の挿したる枝満つる山野花子
フランケンシュタイン春の野に出でて山本栄子
春の野や車椅子押し口ずさむ山本てまり
春の野の風見る小さき靴の二歩山本八角
水湧いて汲みて冷たし春の野や山本葉舟
春の野へプルタブぷしゅり日曜日山姥和
手つかずの春の野の香を愛します宥光
春の野や濃く淡くと車窓の景柚木啓
引越して春の野遠き高層群夢一成
ドローン飛び通信傍受春野かな夢華
ひかりふる春野に揺れる青リボン陽花天
春の野を焦がれつ召さる母の墓YOKOCHAN
春の野や塩のおにぎり半分こ横田信一
春の野や解放されし吾もいて吉田蝸牛
春の野やブラウス薄く人迎へ吉谷地由子
春の野ののっぴきならぬ不倫かな吉成小骨
かえることなき春の野へとわのねこ吉野川
春の野や消火活躍陸自ヘリYoshimin空
春の野や兆しにみちて息苦しよしよしこ
春の野へ走り初むるや縄電車米山カローリング
大声で春野の風と歌うくせよみちとせ
春の野やよちよち歩く孫迎へ楽和音
春の野に眠る老犬の鼻息リコピン
春の野や新幹線は北へ行く竜退治の騎士
春野とは連山と木々との間良俗倭人
春の野に腰をかがめば土薫る凛
春の野や草踏む音に首すくめ麗詩
春の野に愛犬融けよ墓碑もなくロジック・ファットフィールド
春の野や待てずに逝きし友ありてわかなけん
突風に舞うスカーフよ春の野へわたなべいびぃ
春の野に行こやと夫の手を取りて渡部克三度
春の野やゲートボールの音のして渡邉花
春の野や鼻歌ルララ二人して渡辺陽子
ワルツの調べ春の野を包みおり渡邉わかな
春の野や見渡す限りミルフィオリわをんはな
- 夏井いつき先生からの一言アドバイス
◆俳号のお願い二つ
①似たような俳号を使う人が増えています。
俳号は、自分の作品をマーキングするための印でもあります。せめて、俳号に名字をつけていただけると有り難く。共に気持ちよく学ぶための小さな心遣いです。②同一人物が複数の俳号を使って投句するのは、堅くご遠慮下さい。
「いろんな俳号でいっぱい出せば、どれか紹介されるだろう」という考え方は、俳句には馴染みません。丁寧にコツコツと学んでまいりましょう。
●兼題とは
万物の蠢く一枚の春田なびい
春の夜や硬き輪郭たる我はHNKAGA
野を歩き探した末の蕗の薹松尾老圃
本俳句サイトでは兼題が出題されています。今回は、季語「春の野」での募集でした。次回の兼題を確認して、再度挑戦して下さい。
●季重なり
春の野や尻の下にも何かの芽三角山子
春の野や蝶々が密かに舞い降りてひつじ
春の野や野焼きの煙人の影古道具
春の野の野焼きの煙ノスタルジー楠田草堂
春の野の海老の煮しめに止まる蠅松原鈴子
春の野の犬も喜びいわし雲わきのっぽ
春の野に大の字アサギマダラ通過うえともこ
一句に複数の季語が入ることを「季重なり」といいます。季重なりはタブーではなく、高度なテクニック。季重なりの秀句名句も存在しますが、手練れのウルトラ技だと思って下さい。まずは「一句一季語」からコツコツ練習していきましょう。「春の野」以外のどれが季語なのか、歳時記を開いて調べてみるのも勉強です。
春の野や長くなりたる日も暮れぬ亀田ミノル
「長くなりたる日も暮れぬ」とは、まさに「日永」のこと。悩ましい中七下五です。
春の野や窓辺で昼寝腹に犬善し人
「昼寝」は夏の季語。「春の野」が見える「窓辺」での「昼寝」となると、上五で「や」と詠嘆はしてますが、昼寝のほうが主役になっているとも読めます。
サクラ咲き希望萌え出ずる春の野よ仁階堂暖簾
電報文の「サクラ」かもしれませんが、中七の書き方だけでは確定しにくいですね。
●切字の重なり
春の野や喜寿と傘寿となりにけり木村かわせみ
春の野や吾はかかしになりにけり橋本諒駿
「や」「けり」が重なると、感動の焦点がブレるということで、嫌われます。どちらかを外して、推敲しましょう。
●仮名遣い
春の野に老ゐても二人なほあそぶ栗田芳文
「老ゆ」が終止形。ヤ行の動詞ですので、「老ゐ」とはなりません。「老い」ですね。
地図になひ道を歩ひて春の野へ糺ノ森柊
「なし」が終止形。中七の「道」に掛かっていますので、連体形は「なき」となります。
春の野に生きる意味とか問ふてみた松知
「問ふ」が助詞「て」に接続する時は、連用形になりますので、「問ひて」となります。また、音便を派生させることも可能です。よくある間違いですので、この機会に覚えておきましょう。
●今月の選外
季語「春の野」に対して、設定に無理があるものもありました。例えば、ビルの上の屋上庭園の類いを「春の野」としたり、「春の野」なのに畝立ての作業をしていたり、牛馬が鋤を引いていたり。
更に、情報を詰め込み過ぎて、句意が読み解けないものも、毎回一定数あります。自句を客観的な目で推敲するのは、なかなか難しいことですが、選に漏れたものには何らかの理由があります。その復習こそが、より上質な俳筋力の育成に繋がっていきます。


お待たせしました!2月の兼題「春の野」の結果発表です。今月も夏井先生のアドバイスは必見です。投句を拝読していると、そのどれにもほがらかな日差しが感じられるように思いました。暖かい日はゆっくり散歩でもして、「春の野」らしい風景を探してみるのも楽しそうですね。4月の兼題「亀鳴く」もふるってご応募ください。(編集部より)