夏井先生のプロフィール
夏井いつき◎1957年(昭和32年)生まれ。
中学校国語教諭を経て、俳人へ転身。俳句集団「いつき組」組長。
2015年初代「俳都松山大使」に就任。『夏井いつきの超カンタン!俳句塾』(世界文化社)等著書多数。
3月の審査結果発表
兼題「木の芽」
「天」「地」「人」「佳作」それぞれの入選作品を発表します。
口笛も木の芽も谷川俊太郎
苫野とまや
夏井いつき先生より
谷川俊太郎さんの絵本『ことばあそびうた』は、小学校の句会ライブで、低学年さんに言葉のリズムを楽しませるための格好の教材でした。皆で「かっぱかっぱらった かっぱらっぱかっぱらった とってちってた」と声を張り上げると、口が楽しい!
それは「口笛」を吹くときの口の楽しさであり、「木の芽」がグングン伸びる感覚でもあるのでしょう。「口笛」と「木の芽」を「も」で並べ、後は「谷川俊太郎」という固有名詞を信じる。固有名詞は季語に匹敵する情報量を持っているため、たった十七音しかない俳句において生かし切るのは難しいのです。が、それを使いこなし、季語「木の芽」を主役に立てる見事なウルトラ技。この句自体も、声に出すとなおさら楽しい作品です。
木の芽子の心臓といふ粒の影
弥栄弐庫
「このめ」「この」と韻を踏むところから始まる一句。「この」が「子の心臓」と続いていく企みは、「~といふ粒の影」というリアルな映像へと展開します。全てのものが芽吹く春の、強い生命力に満ちた作品です。
木の芽ぽぽぽぽひとつひとつが力瘤
すまいるそら
「木の芽」のオノマトペとして「ぽぽぽぽ」が特にユニークというわけではありません。が、後半「ひとつひとつ」が伸びようとする「力瘤」だという比喩と合体することで独自性を獲得。楽しい一句になりました。
三拍子かしら木の芽の心拍数
澤田紫
「木の芽」も生命の一つですから「心拍数」という言葉が出てくるのは想定内の発想。が、それが脈打つ数ではなく、「三拍子」というリズムへ展開する点に個性があります。「~かしら」という口語も効果的な選択です。
指先を啄みさうな木の芽かな
錆田水遊
「指先を啄みさうな」という比喩が秀逸。それは「木の芽」の尖った形であり、子燕のように健気に生きようとする力も連想させます。春の獰猛なエネルギーも隠されているような奥行きにも惹かれる作品です。
出席番号五番の木の芽起きなさい
神島六男
季語を比喩に使った教室の光景? かとも思いましたが、光を弾きつつ芽吹く眼前の「木の芽」を子どもたちに見立てているとすれば、何とも楽しい作品。「出席番号五番」は上から五番目の木の芽かしらと想像も膨らみます。
生きること痛し木の芽の先割れる柿司十六
往路よりわっと木の芽の復路かなみやま千樹
啄むの下手で木の芽は零るこぼる樫の木
写真部の総出木の芽を眩しめり青田奈央
陸橋をゆけば木の芽の高さかな青野みやび
十五年は長し短し木々芽吹く池之端モルト
木の芽木の芽兄弟で割る葬儀代イサク
木の芽とは風を傷つけゆく覚悟かときち
廃鶏の聲は木の芽の芯となる川内佳代
つややかな木の芽に触れて濡れざりき眩む凡
木の芽風ひとよりうすき馬の膚公木正
急流はひかり飛び交ふ木の芽かなしぼりはf22
木の芽吹く翅はかうして伸ばすのよシュリ
木の芽雨海少しだけふくらんで常幸龍BCAD
ゆつくりとみづを押す櫂木の芽張る大地緑
濾過されて木の芽の真正直な蒼高橋寅次
芽吹くとは水の呼吸の残響か綱川羽音
糠雨を木の芽のうつらうつらかなツナ好
あの揺れを知らぬ木の芽のまた一つ手嶋子犬
水汲みの巫女の見つける木の芽かな中島走吟
木の芽風リフト迎ふる尻豊か花南天あん
アマテラスまさに出てきさうな木の芽町田思誠
木の芽とは何処にもゆけぬ樹のなみだ三浦海栗
木の芽晴大吊橋を渡りきる山田好々子
疼痛は木の芽の先のほの赤さ横縞
木の芽かうかう校歌の山は仰ぐものRUSTY=HISOKA
木の芽だつ空気の濃さよ顔洗ふ相生三楽
雨戸あけ秒針進む木の芽かな逢花菜子
氏神の境内芽吹く宮参りあ。うん
ゆらぎより生まるるものや木の芽吹く青井季節
木の芽晴れ校章締めてチャリを漕ぐ青井心平
新調のスーツ木の芽雨の坂を青居舞
全山の木の芽ミサイル撃ち落とせ蒼空蒼子
ふくよかな木の芽のかたち光抱くあおのめ
木の芽張る檻のイヌワシ我を見ず赤尾てるぐ
飛ぶ準備万端である木の芽かな赤尾実果
介護する日々うつくしく木の芽ふくあかねペン銀
教員の異動一面木の芽吹くあが野みなも
分かれ道木の芽辿りつ帰りゃんせ赤目作
だんだんと煙り棚引き木の芽山acari
木の芽木の芽気づけばみんな後輩あかり
制服や木の芽明るき庭に立つ愛柑いつき組note俳句部
ちぎり絵の雲膨らみぬ木の芽風空地ヶ有
廃アパート群や木の芽風渡る秋月あさひ
木の芽吹き捲る能登路の時刻表昭廣梵字
出棺を見送る先の木の芽かな空き家ままごと
枝伝ふ雫木の芽に吸はれけり芥もくた
刈り過ぎの木にも木の芽を見つけたり圷美流
木の芽張るぐぐぐと軋む首の骨明智明秀
制服を木の芽に披露次女十二淺井翠
目を見据え切り出す辞職木の芽立つ朝雲列
オルガンの鳴らぬ音あり木の芽風淺野紫桜
利き耳を傾けてをり木の芽張る浅乃み雪
おくるみに初の子抱く木の芽かなあさみあさり
ぽぷぽぷとジャム煮つまりて木の芽ゆれ浅紫泉
合掌の形をほぐす木の芽風あじさい卓
幾億の星の滅びや木の芽張る葦屋蛙城
木の芽山踏み入れたれば降るひかり阿修羅
八十軒を焼きし潮風木の芽吹く明日に翔ぶ会
石傾ぐ墓のうしろを木の芽雨明日ぱらこ
生と死の数は同じや木の芽吹く藍創千悠子
母となるための乳房や木の芽風あたしは斜楽
木の芽立つパンクロックの尖る色あたなごっち
木の芽張るおはじき百個記名終えあまぐり
大空へ発射秒読み木の芽かな甘茶トーシロー
還暦に開けるピアスや木の芽晴雨戸ゆらら
隣の木負けん気強い木の芽かな天鳥そら
金刀比羅の石段険し木の芽風雨霧彦(木ノ芽)
立ち上るペトリコールや木の芽道雨李
松葉杖置いて歩いてみて木の芽綾竹ろびん
すれ違ふシスターやさし木の芽坂綾小路へこ
木の芽晴ラジオのハンドルを回すあらい
あと少し歩みたき日の木の芽かな有川句楽
木の芽晴れ古墳見下ろす気球かな有田みかん
木の芽ふく海までの階二百段有村自懐
銀座裏の友の個展や木の芽晴有本としを
青色防犯灯浴ぶ木の芽鼠色在在空空
保健室は明るいところ木の芽雨アンサトウ
明朝の伐採予告木の芽風安春
雑木の芽爆ぜて名を持つ木となりぬ飯沼深生
行く末の解らぬ庭や木の芽吹く飯村祐知子
失せしものまたあらはるる木の芽かなIquedaQuenshi
墓仕舞ふ読経の声や木の芽風池田桐人
木々の芽よ戦火の絶えぬこの地球よ池の端昇雲
萌黄の蠢動木の芽一斉羽化十六夜の花札
蒼き空哀しみほどく木の芽風石ころ
みすずかる信濃の國の木の芽山石塚碧葉
大地より空への文として木の芽石塚彩楓
クリムトの金の滴り木の芽吹く石原由女
雨意の風木の芽ふうつと弛みゆく石村香代子
木の芽吹く地蔵の頬のやわらかし石本美津
練り切りに沈むくろもじ木の芽風いずみ令香
ナパーム弾の空蹴り上ぐる木の芽かな石上あまね
日の丸の巻きつくポール木の芽山いたまき芯
窓ごしの木の芽奥歯に鉗子触る一ノ瀬なつめ
木の芽風山門くぐる宅配便いつかある日
風放つバッハのフーガ木の芽吹く一秋子
腰かけて椅子の冷たき木の芽かな伊藤映雪
応援旗振る練習や木の芽晴伊藤恵美
亀の首しっかり伸びて木の芽晴れ伊藤順女
律儀とは君のことなり木の芽張る伊藤なお
「平」の字を刻む傷あり木の芽吹く伊藤れいこ
木の芽にはことばがわかる笑ってる糸川ラッコ
平城山の陵木の芽磐之媛イナホセドリ
サーカスの街に来たりて木の芽増ゆ居並小
老健の木の芽木漏れ日車椅子井上鈴野
早々に閂鎖せり木の芽垣いまいやすのり
木の芽吹く海なき街の地平線藺牟田ボンド
天気予報大はずれ木の芽は優し伊予吟会宵嵐
木の芽すくすくいくさなど知らず岩木順
木の芽眩しうつむく我を叱るいわさちかこ
全うに生きて木の芽の頃に逝く上原淳子
木の芽雨父の手帳に吾の名前鵜飼ままり
還暦の独居となりぬ木の芽雨宇田の月兎
木の芽道かたみの帯のたのもしき内田ゆの
木の芽ふくそらへ金管三重奏うつぎゆこ
木の芽このめ牙とふ力もてふふふ靫草子
教科書の紙の匂いや木の芽風卯之町空
空爆の恐れなき空木の芽越し梅里和代
だからこそ憲法九条木の芽立つ梅朶こいぬ
今日からは無位無冠の徒木の芽吹くうめやえのきだけ
芽吹き初めし木は月末に倒さるる麗し
通学路歩く練習木の芽道詠・想風土
木の芽風今ニイニって喋ったよ江口朔太郎
そこかしこ芽吹き大樹の軽きかな蝦夷やなぎ
ぬかるみの反りし鉄板木の芽立つえぞりすの風
肩車木の芽に触れて父子走る江連守一
切り株に木の芽大樹の反骨か江戸きり子
庭に木の芽もうすぐ私ママになる榎本咲
木の芽木の芽はじける力いただいて榎本奈
共に透く爪と木の芽と並ぶれば遠藤玲奈
助手席に数へるカーブ木の芽山近江菫花
木の芽吹く丸めた舌を出すやうに大岩摩利
木の芽晴れ飛行機雲の先の街大内とら
戦火てふ日常ありて木の芽晴大岡秋
快速通過木の芽揺れ光揺れ大越総
朝夕の素振り百回木の芽伸ぶ大越マーガレット
木の芽吹く改札口の待ち合はせ大嶋宏治
故郷の木の芽の山に風と入るおおにしまこと
フるよりもフラれた方が木の芽山大野美波
枝のごと眠る母の手木の芽の香おおばあば美智子
二丁目に木の芽や影の街を抜け大和田美信
東雲や起筆のごとく木の芽張る大和出ユウスケ
スペードの木の芽クローバーの木の芽岡一夏
縁側で夫と対局木の芽晴岡井稀音
木の芽雨ふっくりと抱く猫の尻岡田きなこ
産声をじやませぬやうに木の芽雨岡田ひろ子
細くなる山羊の瞳に木の芽かな岡田雅喜
白毫に震えのありて木の芽山丘ななみ
木の芽のうぶごゑ酸素のうぶごゑ岡根今日HEY
母が逝く今年の木の芽見ぬままに岡村恵子
一番に北校舎沿い木の芽吹く岡村宗太郎
木の芽風折り紙の鶴飛べぬまま岡山小鞠
木の芽雨夫の薬は十三種小川しめじ
野ぼとけや祈りは木の芽ばかりなり小川素らん
かれこれは下界に措きて木の芽山小川天鵲
補聴器の無いほうで聞く木の芽風小川野雪兎
アルプスの空へ芽吹きの心拍音小川都雪
木の芽風鳥の羽音を明るうすオキザリス
木の芽子の眼ママに耳打ちして笑ふ沖庭ノ華風
八年の終の家なる木の芽雨沖庭乃剛也
木の芽立つ吹かれて蒼き武者ぶるひ沖乃しろくも
張りつめし白い日解く木の芽かなおこそとの
林道に木の芽の明かりともりけり小田中準菜
メンタムの瓶はもう空木の芽吹く小田毬藻
木の芽緩むきつく握つた手を解く越智空子
やり直す時間たっぷり木の芽ふくおぼろ月
プの音の多き品書き木の芽風海峯企鵝
みづ色の柔き針持つ木の芽かな風花まゆみ
さみどりの母の手の熱木の芽垣風早杏
木の芽吹く紐しめなおすスニーカー鹿嶌純子
柳刃をゆつくりと砥ぐ木の芽雨梶原菫
グランドの白線濡らす木の芽雨加田紗智
陽も水も青き木の芽に集いおり花鳥風猫
木の芽にも小さき日差しが住まうなりひだまりえりか
褒められし前座のお辞儀木の芽晴桂佐ん吉
伐採の銀杏や木の芽根より立つ加藤水玉
右足へギプスカッター木の芽立つ加藤栗庵
手をかざし芽吹きの力もらいたりかなこと舞い結び
木の芽晴清書の筆を買いにけり金子泰山
雨粒のそばの木の芽の息づかい金子美鈴
のしかかる空へ木の芽の内発性かねつき走流
浅草の鳩はずけずけ雑木の芽神谷たくみ
木の芽雨この電車ともさようなら亀子てん
木の芽いま空を押上げ吹きにけり亀田かつおぶし
木の芽風体育館にモップ音亀山酔田
肩腱板切れてめまいの木の芽風かもめ
木の芽吹き今朝は関節柔らかし加裕子
月影や芽吹く梢のなほ白し絡丸いと
血管の透ける蟀谷木の芽風刈屋まさを
ちゃんぽんに並ぶ坂道木の芽風かろりーな
着ぐるみのバイト木の芽とスタンバイ河上摩子
その中に光溜めゆく木の芽かな川越羽流
アルパカへ花の冠木の芽晴翡翠工房
口笛のフォール得意げ木の芽山川村湖雪
おにぎりは大きめふたつ木の芽晴河村静葩
きらきらと木の芽にホ長調の傷喜祝音
木の芽晴米軍基地の星条旗季川詩音
落葉松の木の芽の針の柔らかし菊池克己
やわらかに光を編める木の芽かな木口まり子
曇り日の木の芽たゆたいながら吹き菊地義明
おくびやうは病だつたか木の芽冷きざお
光浴び離陸待ちたる木の芽かな季紫子
ひかり殖ゆ木の芽触れたるところから岸来夢
木の芽雨硝子の指に罅ひとつ北大路京介
陵を膨らませゐる木の芽かな喜多丘一路
その日まで木の芽は小さき空孕み木谷智子
強風にひしと抗う木の芽かな北乃大地
木の芽伸ぶひかりの匂ふところまできなこもち
空気くすぐったい木の芽の悪戯城内幸江
木の芽晴靴紐のほどけぬ理由木下桃白
記念樹の木の芽に一礼して帰る黍団子丸
不穏なる街の木の芽も香しき木ぼこやしき
成長に微かな痛み木の芽張る木村カズ
木の芽風ここより先は知らぬ道木村かわせみ
木の芽へと光のタクトいっせいに木村となえーる
豆腐屋の匂い木の芽風鶸色木村弩凡
岩肌の波に遊べる木の芽かな木元紫瑛
電車待つ間のみたらしや木の芽風Q&A
猫の目の木の芽みてゐる津波跡旧人をーるど
制服の折皺新た木の芽風九ゼットン
古欅の弾痕跡に小さき芽吹ききゅうもんde木の芽
百歳を看取り御室の木の芽出づ京野秋水
おんおんと芽立ちの声か伊吹山杏乃みずな
通勤は徒歩に木の芽は公園に清鱒
縦走の下山の伴や木の芽雨菫久
二年目となりし職安木々芽吹くくぅ
樹齢五百の木の芽予言者の嘘句々奈
木の芽山お稲荷さんののぼり旗楠田草堂
古都や今ざわわと目覚む木の芽風くちなしの香
校舎より高きフライや木の芽風くつのした子
切り株の木の芽へ孫の指白しくにとうりん
倒木の悲しみばねに木の芽吹く熊谷温古
枯れたかと心配したんだぞ木の芽倉岡富士子
ミニベロの木の芽触れつつ登りけり蔵豊政
骨だけのビニールハウス木の芽木の芽栗田すずさん
測量士指でOK木の芽風黒岩牡丹
赤本の端の手垢や木の芽張る玄琶小篇
鳩尾を突き破るごと木の芽かなくんちんさま
木の芽吹くひかりに糾はれたくて恵勇
木の芽晴シラバス風に散らばれりげばげば
木の芽風寝入る野犬の肺青み謙久
ふわふわの木の芽今脱ぎ始めたり紫雲英
保育所の喃語を運ぶ木の芽風ケンG
木の芽風ピクトグラムの駆け出せりケント
山々が芽吹きのこゑに溢れける小泉久美子
天からの光木の芽の尖り方紅紫あやめ
成長曲線の下の方です木の芽風幸田梓弓
木の芽吹く声変はりゆく子の寡黙幸田柝の音
かたち良き合掌のごと木の芽立つ河埜スミヰ
富士またぐ甲斐と駿河は木の芽晴宏楽
対の老木あり木の芽風にひかる郷りん
木の芽このめ歓びに触れたくて羽化古賀
木の芽晴靴新しく内示待つ古烏さや
まもりめのなかるところにめぶきけり国領柩
ナビに無い木の芽の中の道祖神越村和行
盆栽の木の芽を見分け人事官胡秋興
これまでと今とこれから木の芽風木染湧水
連弾の譜めくりは風木の芽の眼虎堂吟雅
雨の香の空に赤々木の芽かな呉桃周行
やわらかく軽くペダルを木の芽かな古都鈴
保育器を出て大あくび木の芽晴れ粉山
パトカーの後席沈む木の芽風子猫のミル
拘りをほどく青空木の芽風小林澄精
日差し受け無口な木の芽の綻びぬ小林のりこ
軍手脱ぐ泥の重さに木の芽かな小林久女
通学の練習三度木の芽吹く駒茄子
晒されし腑のさびしみとして木の芽古味鳥椋人
木の芽晴献体決めた誕生日こむぎ
山頂に木の芽ようやく辿り着く小山晃
信長の城へ峙つ木の芽かな彩汀
肺青むまで吸ふ息や木の芽山齋藤満月
球音の校庭包む木の芽かな齋藤桃杏
つややかに黒髪香しき木の芽さおきち
別刷は教師の異動木の芽風酒井春棋
ぷかりぷかり木の芽雨残り香降り交ふ坂島魁文
来客は幼馴染や木の芽風坂田雪華
木の芽吹く父が教えた逆あがりさかたちえこ
昼呑へ地鶏焼きたり木の芽雨坂野ひでこ
軋みゆく実家木の芽の囲みくる坂まきか
会ひたいを会ふにかへたる木の芽かな坂本雪桃
木の芽風柔し洗礼名はルツ櫻井こむぎ
木の芽張る天頂にブルーインパルス櫻井弘子
木の芽解す鍵譲りますと賢治桜月夜
木の芽踏む影の重さを許しけり桜華姫
耳鳴りを打ち消す木の芽風が今雑魚寝
明日といふ時間の眠る木の芽かなさざれいし
木の芽雨開きしままの六法書佐藤恒治
閉校の終の校歌や木の芽雨佐藤茂之
北といふ木の芽の待ちてゐるところ佐藤志祐
アクセルを緩め木の芽の今日昨日さとう昌石
目の開かぬ猫と木の芽雨に帰る佐藤ゆま
銀色の木の芽よ空の盃となれ佐藤レアレア
切株に程よき湿り木の芽山さぶり
木の芽出づ赤子は甘きにほひして彷徨ういろは
一斉に木の芽うごめく朝のありさむしん
光来る方が東か木の芽道紗羅ささら
木の芽風化石の中に化石あり佐柳里咲
ココロと同期めく木の芽や膨らまん沢拓庵◎いつき組カーリング部
木の芽晴番付五つ上がる場所三角山子
老愁をてのひらにのせ木の芽かなさんなんぼう
「おとうとはうまれなかつた」木の芽撫づ慈雨
木の芽吹く山野の黙を破りけり塩風しーたん
鐘の音や息する如く木の芽張る塩沢桂子
おおらかな揺れの吊り橋木の芽峪じつみのかた
木の芽雨名前呼ばれぬ待合室信濃のあっくん
空に透く木の芽や烏啄めり糸野句丹
ユニコーンが降りた軌跡や木の芽風芝歩愛美
ことのほか木の芽ひかりに愛さるる渋谷晶
木の芽風五百羅漢の与太話島掛きりの
喜寿なんぞ最年少や木の芽晴島桜
木の芽張るこっそり元気になりし吾島田ユミ子
木の芽までドミノ一枚ぶんの風清水縞午
ゴンドラの終点木の芽山に出づ清水ぽっぽあっと木の芽
ホースから光のしぶき木の芽へと志無尽おたか
ひかりがかたまり木の芽雨の樹液志村肇
遅延飛行機到着の夜の木の芽風霜月シナ
すれ違ふ人皆忙し木の芽風洒落神戸
鼻つけて木の芽に御辞儀せる神使柊二@冨美夛
木の芽かの君に触れたる指の熱種種番外
それぞれに心臓を持ち木の芽どち庄司芳彦
陽の気の羽化する繭として木の芽正念亭若知古
木の芽雨友の返事のなかりけり白井百合子
下の子も木の芽に送り出されたり白猫のあくび
公園に小さき墳丘木の芽風ジン・ケンジ
木の芽吹く住吉さんへ土俵入り新森楓大
野ざらしに芽吹くガ島の草創期すがりとおる
木の芽みな不安二割もありぬべし杉浦萌芽
ミットへと拳打込む木の芽かな杉尾芭蕉
じゅんじゅんと木の芽の音か夜明け前涼風亜湖
旧姓に戻り旅路の木の芽かな涼希美月
母別けし旅の折込み木の芽垣鈴木由紀子
少女呉るる小箱にリボン木の芽垣鈴白菜実
青空やダム湖へ木の芽伸びる伸びる清白真冬
日の木の芽月の木の芽や森の径鈴野蒼爽
木の芽揺る隣の軒にスクールバス素敵な晃くん
木の芽吹く登校拒否の五年生須磨ひろみ
腕振れば歩幅のびやか木の芽晴晴好雨独
木の芽晴れ紙ヒコーキは右廻りせいしゅう
靴音にくすぐられける木の芽かな宗珂
善悪の前に木の芽の生まれけり走人
五百年構えし秘湯木の芽吹く惣兵衛
現し世の残り少なし木の芽吹くそうま純香
木の芽晴れ南極でかい世界地図草夕感じ
早期退職応募木の芽ひょっこり蘇我のあすか
木の芽張る鎮めの空へ伸ばすシナプス十合百合
絶望の斜面より木の芽吹き上ぐるそまり
老木の遺言受くる木の芽吹く大ちはる
木の芽まだ月の雫を宿しをりたいらんど風人
代官の貌もて立てる木の芽かな高瀬小唄
ほつほつとかぞへて木の芽むずがゆき鷹取碧村
他人のミスに振り回されて木の芽雨高嶺遠
木の芽晴樹間に見ゆる茅渟の海高見正樹
摘心を躱す強者たる木の芽滝上珠加
リハビリ室の窓広びろと木の芽雨滝川橋
雨音の和音となれる木の芽山武井保一
木の芽雨遠く戦の始まりぬ竹内不撚
訪れる人絶ゆる墓木の芽風たけぐち遊子
ウォーキングさらに腕振る木の芽雨タケザワサトシ
木の芽垣たらひに洗ふ泥の足竹田むべ
人寄せぬ神代の汐よ島芽吹く多事
またバイト辞めた農園木の芽風多数野麻仁男
古きものぶら下げたまま木の芽吹く多田知代子
木の芽晴れ線香の灰崩れ落つ只野乙華散
嚔する木の芽の森は今を待つただの山登家
掛け違う釦を捨てて木の芽風立田渓
合鍵はもらつたばかり木の芽吹く立田鯊夢
引きこもる六畳の窓木の芽吹く辰巳電柱
はじめての音楽室よ木の芽ぽろん谷斜六
比良比叡湖むらさきに木の芽晴谷町百合乃
静けさに囁く木の芽彼方此方に田畑せーたん
白杖の傾ける耳木の芽道田畑整
空穿つ歓喜の歌として木の芽玉家屋
あの巫女は天狗の血すぢ木の芽風玉木たまね
地獄坂の朝は清やか芽吹きまた玉響雷子
吹きさらし焦げた柱に木の芽雨鱈瑞々
能登牛の涎四五滴木の芽かなチームニシキゴイ太刀盗人
稽古場の墨の残り香木の芽晴竹庵
知らぬ世へ疼く木の芽の赤きかなちさいちそく
高くフリスビー弾けそうな木の芽千鳥城、広ブロ俳句部カナダ支部
読破せし「三体」五巻木の芽吹くちやあき
弾けむと夜空へ満つる木の芽かな茶々子
解体の見積もり古家の庭芽吹く彫刻刀
木の芽吹くクレッシェンドを置く楽譜ちょうさん
祝福の色抱き並ぶ木の芽かなちろりちろりみゆき
忘れ物見つけたように木の芽立つつえりん
木の芽立つ通勤列車に新顔月見里ふく
風の来て雨来てぐるり木の芽山つくばよはく
木の芽吹く九十三の誕生日辻瑛炎
キャンパスシューズびしょ濡れの木の芽つついぐれちゃん
結納の庭の木の芽の頑固さう津々うらら
窯口へ薪焚べ立てて木の芽張る都築減斎
この丘に津波の跡や木の芽また椿泰文
振り向けば光る木の芽のスローモーション津幡GEE
木の芽このめエコー写真はおんなのこ坪田恭壱
廃車みな忠犬のかほ木の芽風爪太郎
裾野から木の芽登るを峰は待つツユマメ・広ブロ俳句部
「平気でうそをつく人たち。」生木の芽鶴富士
亡き友へ留守電残す木の芽雨哲庵
怖気づく者などおらぬ木の芽かな徹光よし季
これからの人たちを待つ木の芽かな天王谷一
木の芽吹くかすかに軋む蝶番天陽ゆう
木の芽吹く同期と半ドンの街へ土井あくび
抱きよせて木の芽を耳寄せて鼓動トウ甘藻
一斉の孵化とも見えて木の芽山冬野志奈
木の芽風君に我が家を教える日苳蕗
木の芽木の芽吾も乗り越へられるはず遠峰熊野
木の芽風いたいのとんでゆく呪文とかき星
木の芽雨おとさぬように兄の骨戸口のふっこ
練習は木の芽の下の一輪車どこにでもいる田中
陽光を懐柔したる木の芽かなとすかのようこ
木の芽吹く指に鉄錆にほひけりどすこい早川
とつぷりと濡れて木の芽に志となりの天然水
履歴書に疵すこしある木の芽かな戸部紅屑
青春の無きまま木の芽吹くや鬱冨川ニコ
フラスコに淹れる珈琲木の芽雨富野香衣
不確かな未来木の芽は涙型友@雪割豆
沐浴の赤子のあくび木の芽山富山の露玉
木の芽雨コーヒーに足すブランデーとよ
木の芽張る「いちねんせい」にまた戻る豚々舎休庵
脊髄のひきつれ木の芽張りにけり頓堀頓
木の芽晴のオリンピックの会場址内藤羊皐
木の芽無き武甲の山の閑かなり内藤由子
道分かつ錆び看板や木の芽風長岡美衣珠
神々の多き国なる木の芽かな中尾鎖骨
天動説さもありさうな木の芽風中島紺
校庭に鼓笛の稽古木の芽晴長嶋佐渡
リハビリやな気張って行くわ木の芽まで永田千春
子規の眼を借りて眺むる木の芽哉仲田蓮謙
言い訳も一人前や木の芽吹く仲操
古参の枝先から新種の木の芽中村明日香
笑いあうほどに木の芽のゆるみけり夏草はむ
おしやべりな木の芽ら森は賑ははし夏椿咲く
杜へ杜へ木の芽風小絵馬とうたへ夏雨ちや
薬莢やも知れぬ木の芽に手を翳し七瀬ゆきこ
おのおのの名乗りずらして木の芽張る7パパ・広ブロ俳句部
雑木の芽古稀にスキップ跳んでみむ名計宗幸
木の芽山はろばろ亘る時の貝なびい
我だけの君の呼び名よ木の芽道奈良素数
看取りの身憩へば木の芽やはらかし西川千波
木の芽吹く水に研がれし出流蕎麦西川由野
相続の山に今年も木の芽かな西崎秋雲
木の芽あかるし貨物車の蓋開くごとく西田月旦
明け方の木の芽に恥じる齢となり西村小市
雨上がり木の芽押し出す木のちから二城ひかる
臨月の出臍愛しき木の芽かなにゃん
土佐犬のふぐり堂々木の芽風仁和田永
芽吹く朝余命告知の明き部屋庭野環石
木の芽雨千本鳥居駆け抜けん庭野せんたく
柔道着軽々かつぐ木の芽坂沼宮内かほる
木の芽ぷぷつと電球回せない神さま沼野大統領
木の芽風ダム湖の底に旧校舎猫塚れおん
刻刻と木の芽濃く濃く告白すねこの☆さんぽ
このめこのめ木の芽の呪文は暗い猫ふぐ
閉店の札増えた街木の芽雨農鳥岳夫
木の芽雨灯り幾筋車両基地野三弓
木の芽まだ小指の爪の硬さして野地垂木
木の芽光る掌に掌の触れしままののクラブ
木の芽晴けふは顔色良き夫と野ばら
遺言の信託済ませ木の芽晴野原蛍草
木の芽雨非正規雇用のハンコ傷野村齋藤
木の芽吹く光へ空へ未来へとのりこうし
木の芽つんリトルレディと口喧嘩のんのんた
ドラミングの波動ぴくぴくする木の芽白山一花
園庭に鼓笛隊の子木の芽晴白山おこ女
病窓や木の芽の風に靴そろふ波止浜てる
木の芽雨ごめんと言えぬ人を抱く蓮井理久
まだねむい囁くやうに雑木の芽羽住博之
一歩ごと木の芽息する切通し蓮見玲
根の国にあらん木の芽の元栓は長谷川水素
木の芽湧く島に埋もるる蒙古塚畑中幸利
総会の電灯点る木の芽かな葉多豊
母を背に坂の途中や木の芽風葉月庵郁斗
星眠る木の芽生まれる声を聴き八田昌代
倒木の傷に木の芽の鼓動知る花岡淑子
坂道はうわっと木の芽の点描画花彼岸
木の芽吹く光の鍵を差し込めば花見鳥
怪獣を噛るややの歯木々芽吹く花和音
歌までも聞こえて来そう木の芽晴れ羽馬愚朗
きな臭きニュースを置いて木の芽撫づはむこ
空也吐く阿弥陀の如き木の芽かな葉村直
鉄棒に預けた鞄木の芽吹く早足兎
本復の歩幅揃ひぬ木の芽径林省造
木の芽増え増えてアロホモラの呪文原田くろなつ
ミナレットに朝日きんいろ木の芽張る巴里乃嬬
栄転の俺と目が合う木の芽かな春爺
木の芽によきによき廃校のうさぎ小屋晴田そわか
太陽の光孕める木の芽かなはるの風花
ウォーキングシューズに小石木の芽晴春野ぷりん
無頼の血どこか騒つく木の芽かな春海のたり
木の芽とは揺れざる独楽の如きものはれまふよう
一匙の昆布出汁程の木の芽風HNKAGA
開校日フロアに映る木の芽かな盤若の森
芽吹く山芽吹かぬ枝のありにけり晩乃
木の芽揺る園帽脱げぬ遺影の子繁茂おじ
木の芽雨野良猫の目の翡翠かな東沖和季
木々の芽や藍のきはまる湾の芯東田一鮎
木の芽晴ゆつくりひらく赤子の手疋田千優
瞬きせず木の芽道ゆく盲導犬樋口滑瓢
忘れゐしオルゴール巻く木の芽晴樋口ひろみ
見上げれば犬も見上げる木の芽かなピコリス
ポン菓子のボンと木の芽のぽふぽふぽんひでやん
木の芽晴いざ東京とふ荒野へ一石劣
足場組む職人若し木の芽風平井由里子
崩れたる斜面の木の芽はや三年平野純平
ブロンズの鳩とべさうに木の芽かな平本魚水
太宰府の木の芽光れる報せかな平山仄海
職人のラッパ飲みああ木の芽かな浩子赤城おろし
木の芽ふく逆上がりまであと十度広島じょーかーず
空いつかけふの木の芽の展開図広瀬康
ほころべる木の芽こぼるる日の光廣田惣太郎
枯れ色に木の芽ぽつりと鼓動打つ広野光
閑雲や盛る木の芽の無為にして風慈音
洞を持つ古木もむくと木の芽張る福井桔梗
点滴の連なる音や木の芽張る福川敏機
畑に出て暮らすのが夢木の芽雨ふくじん
欠席の連絡よ木の芽はふえて藤井かすみそう
木の芽ひかる大人にも将来の夢ふじこ
木の芽跳ぬゴールポストを上に逸れ藤咲大地
黙祷を終へて解く手木の芽風藤里玲咲
らんちきといへず木の芽の背きかた藤白真語
内定の書類重たし木の芽風藤永桂月
木の芽ほぐれ術後の母へ三分粥藤原涼
木の芽たち欠伸している伸びしてる藤本だいふく
子の河馬の虫歯がうずく木の芽かな藤本仁士
水滴を刺して木の芽の育ちゆく古織沃
木の芽吹き衝動買いのカメラかな古澤久良
着弾に木の芽は揺れてをりにけり古瀬まさあき
保護ネット網目突き出る木の芽かな古谷芳明
お社の木の芽を起こす鈴の音文室七星
今生のひかり濾過する木の芽かな碧西里
待ちぼうけの城趾木の芽の豊かペトロア
産声を知らせる電話木の芽吹く芳醇
木の芽の雨よ髪は藍へ染めましたほうちゃん
黒煙と火焔の中の木の芽かな暮戯
唇に歌のみちくる木の芽かな黒子
ひかり溜む堅き木の芽や麦酒坂帆星
幾つめの浦和の駅も木の芽雨星田羽沖
爆発しそうだ木の芽木の芽木の芽細葉海蘭
出る場所は自分で決める木の芽かな穗積天玲
木の芽道道を訪ねて道半ばほのちゃん
父は逝き木の芽ふくらむ明るき日凡狸子
羊らも風をぞ仰ぐ木の芽かな牧場の朝
木の芽吹くベントに白き仕付け糸槇原九月
たまゆらの脈うつ木の芽ひと握り牧茉侖
雑木の芽調子はずれの管楽器まこと七夕
木の芽風耳順の船出の帆の震えまさかわそう
玻璃越しに眺む木の芽の赤さかな増山銀桜
木々芽吹く丈の足らない園児服町田勢
普通って誰が決めたの木の芽吹く松坂コウ
木の芽晴筑波双耳を遥かにす松平武史
ヴィオロンの調べに濡れる木の芽かな松田寛生
木の芽吹く春楡は鳥の贈りもの松原鈴子
木の芽風見た逆上がりの一瞬松本こっこ
降りやまぬ雨の音きく木の芽かな松本牧子
木の芽晴駆け来て肩の息ひとつ松和幸太郎
総身に木の芽弾けよあをぞらへまやみこ恭
木の芽晴れ友と最後の山歩き瑪麗
新しき骨壺入れる木の芽風まるごとハテナ
あのひとの呼んだ気のする木の芽かな丸山美樹
木の芽雨お馬に揺られて嫁に行く慢鱚
眼筋を緩めて木の芽見る雌牛三日月なな子
木の芽晴れ鏡のやうなすべり台帝菜
木の芽吹くありつたけの赤集めて三河三可
木の芽張る多分地球が終はる日も三茶F
木の芽青むや光の粒を舐めつくし岬ぷるうと
かけっこで勝つ通学路木の芽吹く三崎扁舟
企画書の四隅にシール木の芽晴三隅涙
木の芽吹く真白き嘘は夜に咲く巳智みちる
渓流や木の芽の陰に魚ひそむ美津うつわ
廂あわひの坂は参道木の芽雨満生あをね
音出しのギターぽぽぽと木の芽吹くみづちみわ
金丸座に幟立ちけり木の芽山みつれしづく
オルガンのペダルふがふが木の芽吹く水上ルイボス茶
カシューナッツ木の芽は風と遊ぶべし源早苗
暗色の塊から解けゆく木の芽嶺乃森夜亜舎
衝き上ぐる拳がごとき木の芽なり美村羽奏
木の芽雨調べ聞きたる部活室深森佳鶴
伐採の赤リボン木の芽の緑見屋桜花
亡夫と見る朝陽の中の木の芽かなみやかわけい子
子の背丈は肩に木の芽は手の先に宮坂暢介
美術館ぽかんと開くや木の芽山宮下ぼしゅん
約束の木の芽吹くころ友と会う美山つぐみ
おともだちできたんだよと木の芽みち麦乃小夏
斎場は混み合ふところ雑木の芽椋本望生
木の芽てふ水へ萌黄を映すもの無弦奏
木の芽吹き去年のバファリンとりだせり霧想衿
木の芽たつ息子が一人暮らしする村井もこり
木の芽風なぜかさびしい明日のゆめ村岡よりみち
次女上京す木の芽ふくらむ庭にゐる紫小寿々
木の芽下子のげんまんの指かろし村崎水晶
木の芽吹くまだ輪郭のない明日村先ときの介
木の芽立つ車窓や母の握り飯むらた典珠
エンディングノートは白紙もう木の芽明月詩悠
木の芽山背骨の如き登り窯茗乃壱
木の芽風郵便局の坂のぼる目黒青邑
木の芽吹くイカロス換羽するやうに藻玖珠
深呼吸木の芽の山の葛折り望月ゆう
父さんと離れて四年木の芽また本村なつみ
木の芽をや甘雨の朝の籠神社本山喜喜
木の芽山老ゆる我にもある未来momo
号令の木の芽を抜けし自衛官百瀬はな
木の芽吹くひかり壊れて青くあり桃園ユキチ
木の芽見上ぐ育児書読みすぎて不安桃猫
月明かり洗う木の芽の尖りけり森捷子
木の芽出づにきびのやうに痛さうに森上はな
木の芽風カヌーでくだる古戦場森佳三
木の芽吹くもう正しいかどうかなぞもりさわ
木の芽晴軽トラの白二つ三つ森茂子
手の中に預かっている木の芽かな森田祥子
くすぐれよ木の芽曇天、吾の気鬱守田散歩
アルコール依存の治療投げ木の芽森太郎
あきらめるという前進木の芽雨森中ことり
見上げれば木の芽見下ろせば吾子の歯森野恵
木の芽山2軍に課せしランニング杜まお実
木の芽木の芽光屈性(ひかりくっせい)が強情森毬子
戦争を忘れた国の木の芽かな森萌有
山揺らすかに千本の芽吹きかな八神てんきゅう
突き刺さる蒼や木の芽に棲む何か山羊座の千賀子
吐き出した言葉は空に木の芽かな矢澤瞳杏
木の芽風遠く外野の応援歌安田伝助
木の芽まぶし納期明けの帰り道痩女
木の芽風白髪の夫の自撮り棒八幡風花
母の子でありてわたくし木の芽美し山内彩月
木の芽先ず吾子に教える漆の木山口笑骨
やわやわと木の芽ほどけてみな醒めて山口愛
金色の光にふふむ木の芽かなやまさきゆみ
父を捨て母捨て木の芽爆発す山里うしを
木の芽風古家の雨戸ひとつ鳴るやまたか
辺野古への土砂の山肌木の芽雨山田啓子
くちばしに急かされて吹く木の芽かな山田翔子
球拾い木の芽の下の補欠組大和杜
木の芽吹く桐の記念樹百一歳山野花子
木の芽山つま先立ちのトゥシューズ山びこ
朝風呂のすこし贅沢木の芽垣山本栄子
みどりごや乳飲むごとに木の芽吹く山本てまり
木の芽木の芽あんな枯れてたのにあんた山姥和
雨音をくすぐるさぐる木の芽かな八幡浜うさの
木の芽晴れ鳩の集まるテラス席宥光
さあ行こう地球の割れ目から木の芽雪鶏
公園を木の芽ジョガーの息づかひ柚木みゆき
金泉に足はゆらゆら木の芽雨ゆすらご
教室のどの子も賢者木の芽かな夢華
粒立った黒鍵の音木の芽張る湯屋ゆうや
木の芽出づ風の軌道を弾ませて陽光樹
うす紅の木の芽もも色のみどり児羊似妃
多発性急性木の芽症候群横浜J子
窓閉ざす新聞部室木の芽吹く横山雑煮
木の芽吹く母はいのちをひきかえに横山ひろこ
街路樹の隠す信号木の芽雨横山道男
バンクシーの花束のごと木の芽吹く吉田蝸牛
屠畜場ぐるりと囲む木の芽かな吉谷地由子
鍵穴を探る児の指木の芽風吉田春代
伐採のしるしが揺れる木の芽かなよしよしこ
暁闇の宿坊に聴く芽吹く音余田酒梨
踊りだす木の芽は雨と遊びたし楽花生
木の芽庭けふもあの日と同じやう理佳おさらぎ
四股ふんで母を背負へる木の芽坂柳絮
木の芽吹く学生寮のプラタナス竜退治の騎士
空のまだ広々として木の芽かなるう
青空へじゃんけんぽんの木の芽かなルージュ
木の芽吹く定員割の受験校れんげChan
抱く犬の最期の尿(ゆばり)木の芽道朗子
木々の芽や呼吸してゐる癒合剤ろまねす子
拝殿に兜の掛け着木の芽晴若林くくな
しゃっくりは止まらずいくつも木の芽渡辺香野
戦地より雲の遅るる木の芽かな亘航希
垂れ枝や木の芽百ほど蝶結び和脩志
神前の白無垢眩し木の芽晴笑笑うさぎ
ダンボール閉じて目を遣る木の芽かなわをんはな
ソバージュの絡みし枝の木の芽かな青砥展典
腕もがれたる枝に木の芽の咲きあらん赤尾双葉
地球外生物めきて木の芽かな赤富士マニア
新しい店舗気になる木の芽かな芥茶古美
幾歳もくぐりし木の芽木乃伊の眼あさのとびら
けふ取りし毛玉サイズの木の芽かなあみま
ちゃんづけで呼ぼうか木の芽照れながら雨森茂喜
躊躇なしこんな世界にも芽吹く石垣エリザ
木の芽雨髪梳くように縒り戻す岩清水彩香
木の芽より雨の予後は立ちのぼる岩本遥
洞窟の奥からピアノや木の芽のDうた歌妙
一山を動かす力木の芽かな空木眠兎
七回忌木の芽日和に膳かこみえのき筆丸
木の芽ぷくぷく美容男子の吹き出物おかえさき
何ものにもなれぬわたくし木の芽はぬ男鹿中熊兎
木の芽立つ浅利富士飛び立つ孫よ岡本
ふくらみの遅き木の芽の愛しけれ小川さゆみ
生きていること確かめる木の芽かな沖らくだ@QLD句会
母の違ふおとうと肩に木の芽伸ぶ片岡一月
木の芽揺れ言葉はいらず友消えぬ暁人
木の芽張るキャンパスに停むる献血車唐澤うに
木の芽冴え乳歯に乳首噛まれけり貴田雄介
陽を乗せて木の芽ふららと立ち上がり笹靖子
木の芽風返信くれぬ八歳児瀬央ありさ
木の芽いま石油渡らぬ海の中外鴨南菊
木の芽の芽飲め飲め飲めや木の芽の芽玉響海月
木の芽晴ピエロが眠る初電車月見人
床ずれの染みの洗濯木の芽かな内藤未来仁
木の芽の先色息吹くまで指を折りねね丸ねね子
米(べい)に逆らへば殺(や)られる木の芽かな比々き
世界一やはらかき木の芽のみどり日向こるり
木の芽伸ぶか黒き袈裟を脱ぎ捨てて平井千恵子
産声をあげし木の芽は無限大風蘭草和
としがひもなくにきびとは!木の芽張るほしぞらアルデバラン
人の波待て待てここに木の芽ありほたる純子
邪魔と決めノコ当てがえば木の芽かな宙美
雨上がりさらに大きくなる木の芽アーモンドよーせい
生中継泣き声響く木の芽雨EarlyBird
木の芽には希望を詰めてふっくらとあいあい亭みけ子
リハビリに木の芽追いつつコンビニへ相沢薫
木の芽吹く緑さみどり浅緑愛燦燦
薄紅の木の芽を包む午後の雨藍空
木の芽雨旅立つ日のしづかなり藍野絣
木の芽晴千の風吹く光る石あいのふくらみ
ドライブの木の芽煌めく島の午後秋山らいさく
子ら駆ける木の芽溢るる園庭よ朝日雫
木の芽出るそこは小さな保育園亜紗舞那
木の芽吹く道をたどれば懐かしき明日葉
抱き上げし子の指す空や木の芽伸ぶ飛鳥井薫
廃村に佇む老樹木の芽出づあすなろの邦
裏庭でままごと木の芽のごはん麻生恵澄
ふくらみて命宿したる木の芽かなアツシ
風といふ指揮者の拍や木の芽晴あねもねワンヲ
唸りから発語待つ母芽吹く朝我孫子もふもふ
木の芽晴れダブルアクセル決まりけり雨乙女
まっさらのスニーカーにも木の芽風雨降りお月さん
膨らみし木の芽面皰よ柔らかさあらいゆう
様々に木の芽の色や雲迅し荒木ゆうな
木の芽吹く手袋外すまた探すアルビフローラ
木の芽雨爆食いの夜や長電話杏っ子
アクティブなささくれと君木の芽とは井若宙
空色を脱いでさみどり木の芽山猪狩鳳保
口紅は赤し汀子の死す木の芽生野薫
向かい風や立漕ぎをして木の芽道郁松松ちゃん
木の芽萌ゆ言葉が胸に残らない池田悦子
境内にシャワーのような木の芽かな伊澤遥佳
木の芽まだ老犬と分けし黒たまご伊澤ゆき抄
登るには木の芽の痛き掌(たなごころ)為参
ヨチヨチの目線の先に木の芽なり石の上にもケロリン
木の芽伸びそろそろ喰むか黒鴉石原しょう
魁けし木の芽の息吹く散歩道石原花野
山道や木の芽ぼちぼち顔を出す泉恵風
待ち侘びて空に木の芽の絵画展和泉園実
独り身の木の芽に覚ゆる親心和泉春
荷下ろしに見知らぬ座椅子木の芽風板柿せっか
木の芽吹く木々の生命の証とし一井かおり
旅行より戻れば木の芽いっせいに市川卯月
本殿へ寄り添ふふたり木の芽晴市川りす
伐採の樹吹き出す木の芽かな無花果邪無
放射性物質降し山にも木の芽吹く一久恵
かくれんぼ不意に木の芽のお出迎えゐつしん
口笛はオーシャンゼリゼ木の芽風伊藤亜美子
はげちゃびんの小鳥隠れて木の芽雨糸冬因果
人ひとり木の芽を摘みし罪ひとつ伊東海芋
木の芽みな見上げる先の鳥の声伊藤薫
戦火又はじまりし日の木の芽雨伊藤節子
古庭の隅に忘れし木の芽かな伊藤ゆめ安
木の芽晴日ごとに森の呼気増ゆる伊藤柚良
木の芽張るポテンシャルならあるらしいいとへん製作所
木の芽出ず町に人出ず顧みず伊ナイトあさか
胴にうろ枝は切り詰められ木の芽井中ひよこ号
ふくふくと木の芽泡立つ樹冠かな井納蒼求
背伸びして足がつりさう木の芽張る井口良範
海風の外人墓地に木の芽かな井原昇
育んだ夢は木の芽に生まれ来ていまいみどり
老木の命かぎりの木の芽かな井松慈悦
吾子を背の里山さんぽ木の芽晴今乃武椪
若木も古木も光吸い込む木の芽伊代ちゃんの娘2
十五年経てど被災地木の芽吹く岩佐りこ
木の芽晴精一杯のカーテシーうえともこ
枝々の雨の飛び撥ぬ木の芽かな上野徹心
ウォーキングストック握り木の芽かな上野眞理
鎌倉を語る公孫樹や木の芽吹く上原まり
木の芽雨やさしい嘘をつき合へりうからうから
E.T.や木の芽にあそぶ夜勤明けうただねこ科
吠える先子犬の先の木の芽かな宇野翔月
墓標より海見下ろして木の芽立つ海口竿富
木の芽摘む集落ひとつ人知れず浦城亮祐
耳澄まし木の芽膨らむ息を聴く江川月丸
木の芽道小さい順にトテチテタ越冬こあら@QLD句会
庭中の木の芽ゆるゆる浅緑絵十
遠く行く吾子の前途に木の芽晴れえのき絵巻
木の芽吹く新人議員初登院榎本雅
我が庭も木の芽みちみち生気みちえみくれ
伐たれたる枝の傍から木の芽萌ゆANGEL
木の芽吹くそれぞれに天指しにけり円美々
テニス部のOB会や木の芽晴延命寺
木の芽吹き時の大河に思い馳せ大江戸小紋
卒団の球児六人木の芽張る大久保加州
木の芽吹き漣の如輝きぬ大阪駿馬
腐らずに天をめざせよ日陰の木の芽おおさわ酔歩
枯れ枝にあらずと木の芽手を挙げる大澤道史
庭畠小風に揺られ木の芽かな大舘さと
柴犬のへそ天つづく木の芽風太田一駄歩
ひよつこりと双子顔出し木の芽坂大塚恵美子
木の芽山家出少女を迎え入れ大津美
木の芽風希望運びし幾とせや大原妃
散歩道弾む挨拶木の芽かな大原雪
木の芽ふく老木を撫で草をひき大平都忘れ
張り出した樹に木の芽や事故の跡大谷維鶴
八百万神々おはする木の芽かな大矢香津
木の芽吹くみな手をあげてハイはいと岡崎未知
生えたての乳歯のごとく木の芽だち岡田いっかん
木の芽吹きまぶしき光道案内岡田恵美子
雨音や木の芽は如何に朝を待つオカメインコ
木の芽吹く苦手な人の近づけり荻原玲香
青空を仰ぐ木の芽の誇らしき奥寺窈子
麻の葉柄の産着に優し木の芽風小倉あんこ
木の芽雨コーヒー淹れて本ひらくお品まり
ペルシアへいつしか吹かなむ木の芽かなおつき澳吉
木偶のごと明日があるさと木の芽かな御成山
ひっそりとこぼれし木の芽雀あり小野ぼけろうじん
木の芽風きららさららと音すなりおひい
たるい朝木の芽にやる気つつかれる海音寺ジョー
木の芽吹くその先に在りし秘密基地海堂一花
野良猫や木の芽すりすり斑らの毛甲斐ももみ
銅像の背を灯さんとして木の芽火炎幸彦
遠近に木の芽揺るるや瑠璃光寺案山子<いつき組広ブロ俳句部
古時計止まりしままに木の芽かな影夢者
赤らみて出づる木の芽や己護り風音
若人の門出祝いて芽吹かんや梶浦和子
雨上がり天使の梯子木の芽にもかすかべえやん
大家さん甘い差し入れ木の芽晴風かおる
木の芽晴れ花丸初や連絡帳風乃絣
里山の日毎に淡く雑木の芽風の母
散歩道木の芽の色目にあたらしき片岡明
木の芽風徒歩三十分の通学路かつたろー。
はじまりの木の芽のサイン禁煙日桂葉子
廃屋の際に眩しき木の芽かな金澤孝子
爪香る木の芽潰してつまむ吾子叶田屋
木の芽尚伸びるや空へ茜雲金子陽
猫のぼる杏の枝に木の芽吹く釛子ふたみ
木の芽みな緑たらんと天仰ぐ紙谷杳子
頬を撫で水面を撫でし木の芽風亀岡恵夢
狭庭の木の芽や吾子の初登園亀くみ
柔らかき木の芽に優し風も日も亀山逸子
枝ぶりの勢い和む木の芽かなかもね
ボール追う声駆け抜ける木の芽晴れ鴨の里
靴弾み木の芽木漏れ日風を吸い我ゆまる
旅立ちを見送るホーム木の芽雨カラハ
木の芽吹く老盆栽に父の息川崎ルル
帯揚げ浅き緑や木の芽吹く川野カッパ
妻送り木の芽付けたる古木かな川辺世界遺産の居候
目の高さ木の芽いのちを内包すカワムラ一重
木の芽道一番乗りや秘密基地岸壁の龍崎爺
心痛を木の芽で埋めてあげられたらがんも三世
辻井氏のショパンの音色木の芽吹く酒暮
弘前の畑の木の芽よ今年こそ奇跡のリンゴ
登園の母子のハミング木の芽道季切少楽・広ブロ俳句部
狭き庭色とりどりに木の芽ふく北川茜月
老一人寂として去る木の芽雨北人
プレハブの幼稚園裏木の芽わく北田ひまり
鳥が来て虫も集まる木ノ芽なり北の星
木の芽道青き尾の子を踏みかけて北平春風
自白せし悪童に降る木の芽雨木寺仙游
朝の日に木の芽競いて背伸びするきべし
豊かなる妊婦や丘に木の芽風気まぐれ亭いるか
木の芽摘み指の先っぽ蒼く染め君塚美蕉
木の芽ふく全山萌黄背戸の山木村修芳
隠国に地霊のパトス木の芽吹く木村信哉
もらい鉢水やり枝切り木の芽かな木村波平
カフェデートテラス見下ろす木の芽かなQちゃん・広ブロ俳句部神奈川支部
木の芽風唐臼の音に轆轤蹴る鳩礼
地温上がり木の芽すくすく葉を広げ京極江月
柔らかく空気彩る木の芽かな喜楽胤
もういいかいささやきあいたる木の芽霧澄渡
記念樹の語らいあうは木の芽かなキン肉アタル
抱き上げし老犬の嗅ぐ木の芽かな銀のグランマ
顔上げて良き日に変える木の芽かな近未来
ボルドーの隙間から光る木の芽除光液買おうグールグル
上京や木の芽を数え待つバス亭くさ
木の芽越し空透けて見え目指す晴鯨之
ほれほれと急かしちゃだめねまだ木の芽くすみ輝く
初登校庭の木の芽に背を押されくにっち
苦しみを楽しみにして木の芽かな國本秀山
肩車空近くなり木の芽風國吉敦子
裏山のいつもの小道木の芽かな窪田和子
言い訳はもう止めたんだ木の芽晴窪田実晴
木の芽風揃いのスカーフ娘と纏うぐりぐら京子
木の芽らのおひろめまぢか散歩みち栗田芳文
枝先の木の芽の毛茸輝けり空流峰山
係累の薄き育ちや木の芽立つ久留里61
雨あがり彩を極むる木の芽かな愚老
床の間の木の芽つつく猫二度三度黒瀬三保緑
雨上がりベースの音に木の芽吹きくろだ@しろい
荒れ果つも鳥は笑うは木の芽道黒猫さとみ
木の芽風立ったひ孫の動画来る桑田栞
根を張りて骨埋もるや木の芽の香家古谷硯翠
片言へ集うおばはん木の芽道月下檸檬
教室のにおいはガラリ木の芽かなケビンコス
木の芽吹くことも遅刻の言い訳に健央介
高窓に木の芽や白きハンカチーフ原神かたな
木ノ芽告ぐオマエもいつか時期が来る鍵盤タロウ
輪郭を複雑にする木の芽たち恋瀬川三緒
家系図の分かれし先の木の芽かな剛海
みどり児の硬き拳や木の芽吹く柑たちばな
木の芽晴乳歯を空に放り投げこうだ知沙
フィボナッチ数列のごと咲く木の芽虹博筋
木の芽ぶく中に幼の歯の揃うごーくん
あくびしてラジオ体操木の芽かな黒望
登校を見守る旗や木の芽晴苔間きい
木の芽雨検査結果を言へぬ夜五島潮
荒るる日の壱岐よ対馬よ木の芽風後藤周平
木の芽踊る蒼穹の空床にして後藤昼間
やうやくに病後二千歩木の芽かな後藤三梅
木の芽の山の百通りの緑後藤葉羽
靄晴れて木の芽の谷となりにけりこのみ杏仁
幸先良き知らせふくよかな木の芽小箱守
裏山のつり橋揺るる雑木の芽小林昇
老木も木の芽つんつん上向きて小林理真
キャンパスへ初めの一歩木の芽晴独楽
木の芽眩し眼帯外せた朝に小山秀行
木の芽吹く心が弾む新学期コロンのママ
校庭にふふむ木の芽や逆上がり紺雪ぬくし
黒猫の消えゆく木の芽道の奥今藤明
水と陽と「がんばれ」で膨らむ木の芽サイコロピエロ
フアインダーに君の横顔木の芽晴さいたま水夢
一礼し雨の神域芽吹きかな埼玉の巫女
道端の木の芽鮮やか弾む我齋藤鉄模写
特盛の牛丼食らい木の芽かな齋藤信
雨あがり樹木の芽吹きて香り立つさかい癒香
木の芽吹くグーチョキパーをひととおりさかえ八八六
死者の辺の木の芽ここだけただ萌える榊昭広
夢かかへ上京したる木の芽かな坂口いちお
老木にも木の芽点在朝清し坂本千代子
木の芽吹く戦渦の町や場所問わぬ相良まさと
木々掴み急登下る木の芽山咲まこ
二冊貰ひし母子手帳木の芽みち桜鯛みわ
枯れかけし古木に生気木の芽吹さくら悠日
木の芽に合わすピントの先に老母笹桐陽介
手入れせぬ庭に木の芽は律儀なりさざんか
ふたり乗り自転車越せり木の芽坂さち今宵
このめこの木の芽の葉っぱどんなかな砂月みれい
木の芽吹く離れて止まれ小鳥たち佐藤公
ゴスペルの熱唱に木の芽ゆるびけり佐藤俊
墨俣の強者どもも木の芽愛で佐藤佳子
むずむずと我の木の芽も伸びゆかん紗藍愛
庭じまい刈った枝にも木の芽かな沢山葵
肩車吾子は木の芽へはあはあと珊瑚霧
木の芽ふく人には言えぬこと育つ修懿
遊歩道子の視線にも木の芽有り四王司
病み上がり手応え探る木の芽雨塩の司厨長
初孫の吐息木の芽の息吹かなしかの光爺
木の芽キュと香る応援ランナーへじきばのミヨシ
練塀の石も木の芽もそれぞれに篠雪
木の芽晴前髪ばっつん照れ笑いシマエナガ深雪
三回忌日程決まり木の芽揺れ島じい子
ぼくたちの星よぷくぷく木の芽吹け島田あんず
不揃いの木の芽つんつん学舎に清水容子
寝の足らぬ目に満面の木の芽晴霜川このみ
主(あるじ)なき車庫脇木の芽五分となり霜月詩扇
上りゆく雲梯木の芽見下ろして下丼月光
棟上の大工の帯ぶる木の芽雨下村修
空の青に溶け始めてる木の芽かな沙那夏
木の芽というソーラーパネル始動せり秋芳
しづかなる図書館の午後木々芽吹くじゅんこ
木の芽ららららら増殖する秘密じょいふるとしちゃん
吾より先濡れる木の芽や朝に雨白井佐登志
雨粒の中の木の芽や乳母車白沢ポピー
パンと打つ魔法の一手木の芽吹く不知飛鳥
木の芽立つ山に生家を偲ぶ母白いねこ
木の芽道日に七本のバスを待つ白岩座匠
そば屋より望む嵯峨野に木の芽雨四郎高綱
悪性を伴侶にした日木の芽雨白よだか
並び立つ木の芽のひかる姉弟かなしわしわ
そろそろと参道に猫木の芽吹く神宮寺るい
千年の巨木にふふむ木の芽かな新濃健
解像度上げむと背伸びして木の芽深幽
雨粒を弾く木の芽やお伊勢さん西瓜頭
幹捩れ老木猶も吹く木の芽末広野暢一
木の芽晴つんと突き出す芽の光すがのあき
木の芽吹く旅立つ友の顔と顔杉浦あきけん
制服を見送る木の芽の破顔一笑杉岡ライカ
木の芽風高松塚に青々と杉本果ら
木の芽吹き感じ思わず深息すすずきじゅん
ちひさき掌木の芽誘ひてパと開きすずしろ桂
将来は何者ならん木の芽風すず耀子
何もなく過ぐる日嬉し木の芽風砂山恵子
誕生日心機一転木の芽晴数哩
姫街道今切避けて芽吹く道青児
山登り見上げる先の木の芽かなせいだるま
モルタルのクラック越しに木の芽かな星夢光風
懺悔して終わるこの世に木の芽吹く瀬紀
舌巻きて木の芽ほゝばるきりんかな摂田屋酵道
膝ついてさよならのハグ木の芽かな千・いつき組広ブロ俳句部
荼毘の香の空を木の芽の突き立てり千凡鼓
ブランチのおむすび二つ木の芽晴そぼろ
選曲は「素直な心」木の芽晴染井亀野
答案の字の崩れたる木の芽かな染井つぐみ
クリームを絞るパティシエ木の芽吹く空豆魚
木の芽吹く入社九年目四人旅駄詩
スコーンのベリーごろごろ木の芽山たーとるQ
遠き地の戦火を消せと木の芽雨大
着任の挨拶木の芽吹く校舎高尾一叶
巣立ちゆく吾子に鴉と木の芽の香高杉光水
枯れかけの大木なれど木の芽生ゆ高田博子
倒木の雑木の芽跨ぎトレッキング小鳥遊こはく
強風に木の芽ふるえて耐え忍ぶ高橋紀代子
木の芽すぐ開く気配や痛い膝高橋こう
憤懣のひとはしに張る木の芽かな高橋手元
下校生木の芽の道の笑い声高橋基
隣駅再開発の木の芽かな高橋ひろみこ
木の芽晴呵呵大笑の木々の声高橋マママリン
ズック弾む木の芽輝く朝散歩高旗三紀子
鳥のこゑ充ちる木の芽や日曜日高原としなり
朝日眩し木の芽に話す生きてるね田上コウ
光明は互ひ違ひの木の芽かな鷹見沢幸
落ちてなお木の芽ふくらみ空を向く高見沢実雪
雨あがる木の芽の綺羅の瞬きてたかみたかみ・いつき組広ブロ俳句部
妻といま木の芽見つめる未来かな高山佳風
木の芽さへ忘れぬ時を父いずこ武部博臣
本質は核心に似てゐて木の芽たけろー
木の芽の誘惑故郷離れしは二十歳前多胡蘆秋
分け入れば木の芽とりどり息吹きあり太之方もり子
木の芽風余命満帆野良仕事田代充
スキップを残して芽吹く登園路たすく
稚児の手はつかまり立ちの木の芽なり祐紀杏里
木の芽こちあち吾はここに大の字にただ地蔵
木の芽晴れ遺しし鍬の光る庭橘路地
ぷっくりと木の芽膨らむ子は巣立つ田鶴子
ラジオ体操三番転びし木の芽立石神流
木の芽下歩調数えと助教殿たていし隆松
雨ごとに解く木の芽や朝日待つ伊達紫檀
次々と揚がる天麩羅木の芽吹く田中みどり
お日様はその一点に木の芽かな谷相
校庭に響き渡るや木の芽たちたぬちゃん
刈りすぎたうなじ撫でなで木の芽風田上南郷
次々と木の芽眩しく吹くや吹く田村利平
手つなぎの園児の列や木の芽風智恵子
雨上り木の芽ゆるりとほどけをり智幸子
知らせ待つ実家の木の芽そわそわと茅野ともぞう
不採用通知ひと息木の芽風千葉水路
木の芽吹く娘の茶碗荷造りす千夜美笑夢
木立さき木の芽揺らぎや顔緩む司蓮風
菜園に父の温顔木の芽かな塚本隆二
幼子が母探しをる木の芽道月城龍二
木の芽見守りし制服の採寸月ノイス
陽射して小さき庭にも木の芽吹く月の莵
木の芽雨ゆるむ蕾に降りかかる辻美佐夫
みどり児の甘き香りや木の芽吹く辻栄春
木の芽吹く旅立つ背のしゃんとしてつちや郷里
虫集い木の芽へ急ぐ日よりかな手嶋錦流
木の芽道亡き父と歩いた母九十四哲山(山田哲也)
こともなげに三陸の海木の芽山天童光宏
瞳孔を開き霞みの木の芽かな徳庵
閉城の天守を撫でる木の芽風Dr.でぶ
生きていた拾いし木の芽ふくらんで徳永恵楓
学校へ木の芽過ぎ行く新入児とくねん
ざんばらに切った庭枝にもう木の芽杼けいこ
先頭は意気込みの赤木の芽かな戸根由紀
漆喰を吹き抜けてゆく木の芽風富永武司
そわそわと幾多の木の芽朝の庭登盛満
食べたき芽飾りたき芽もある木の芽豊岡重翁
木の芽冷え正座三十分の跡鳥田政宗
孫一声祖父の葬儀や木の芽吹く内藤清瑤
酔い覚めの朝のまぶしき木の芽かな中岡秀次
陽光と月光を浴び木の芽かななかかよ
木の芽出ていよよ突入魔の二歳中里凜
木の芽出て列車に揺れた家族旅中澤孝雄
ひとり飯茶碗の縁の木の芽かな中島葉月
木の芽出づ年寄りのこのこ外に出る中嶋緑庵
花か葉か心許なし木の芽吹く中藤雅子
初出勤銀輪光り木の芽張る中西千尋
「芝生養生中」案内ゆらす木の芽風仲間英与
子らはみな家長の顔や木の芽ぶく中村あつこ
アオダモのまあるい木の芽は天を向き中村こゆき
木の芽風伐採通知揺らしけり中村想吉
木の芽山御霊の御座す青い空なかむら凧人
木の芽吹く内定通知を紙吹雪中村雪之丞
真新しき鞄背負うや木の芽晴れ中山由
夕刊を取りて木の芽や午後六時流れ星
雫吸い木の芽ふくらむ陽を浴びて七五三五三
碧空は広く木の芽風は柔く那須のお漬物
散歩道頭小突くは木の芽かな那須乃静月
木の芽吹く甲高くビラ配りけり夏風かをる
秩父路や札所巡りに木の芽道夏目坦
萌黄色重ねの衿に木の芽かな名取秀
ポストまで道遠からず木の芽ふく生天目テツ子
「ひとつふたつ」幾度も木の芽指差す子奈良華咲
雨上がり木の芽ますます主張せり南全星びぼ
旗持ちて子らと歩けり木の芽道にいやのる
出立の時いざ行かん木の芽晴にえ茉莉花
稚児の遣る柄杓の水と立つ木の芽西尾照常
雨ふりて知らせを待てり木の芽かな西園撫子
木の芽吹く遺影の君やただ笑顔西野和香
歩み出す吾子の背中に木の芽風西原佳黎
木の芽吹く左に回る低気圧二重格子
木の芽吹く庭を見せんと窓開けて入道まりこ
大志抱きふるさと去るや木の芽雨丹羽正明
あどけない瞳に木の芽見つけたりねがみともみ
木の芽吹く四十五年の話咲く猫辻みいにゃん
倒木の祈りのごとき木の芽かな猫またぎ早弓
噛み締めた奥歯の緩む木の芽風根々雅水
木の芽割る先生今日から他のとこ野井みこ
万の色木の芽山とふ点描画野口雅也
ランドセル背負う子走るや木の芽風野瀬博興
ほの甘い陽のにおい吸い込む木の芽のなめ
築百年実家解体木の芽山野の小花
取り壊す我が家の庭に木の芽吹く野の菫
心の戸己で開ける木の芽かな野原一草
来る朝合の字眩し木の芽晴昇椿
門送り吾子の背中や木の芽湧くのほほん政子
夜の雨に木の芽息吹くや明けを待つ則本久江
自損事故庭木の入皮に木の芽羽織茶屋
木の芽晴一足毎に見上げおり橋爪利志美
クスクスと見て見ぬふりの木の芽達橋本有太津
イヤリング小さき揺れや木の芽晴橋本諒駿
木の芽晴本堂見ずに誕生寺馬笑
咲こうかな木の芽が婆を確かめるぱせり
廃屋を囲む雑木の芽吹きたる初野文子
雨粒に木の芽の産毛うす黄色はなぶさあきら
木の芽の香深呼吸する野原ごと英凡水
ざはざはと燻銀なり木の芽山花水木
木の芽張る雨粒ひとつ抱きかかへ華盛頓
実も花も生らぬが嬉し木の芽かな馬場勇至
木の芽吹くのど自慢へのエントリーはままこみかん
木の芽生え花瓶に一技七寸かな原口竹九
上京す子へのエールや木の芽風原島ちび助
木の芽染む母の実家の丸き山原修一
木の芽道ひそひそふふふの耳朶へ風原水仙
千年の大樹支える木の芽かな原田民久
光受け木の芽ざわざわ山動くharu.k
若人や幹の奥より木の芽吹くはるっち
やはらかき風を抱きて木の芽かな春菜理央
木の芽浴び古希の背伸ばし巣立ちの日はるのうらら
靴紐のほどけて眩し木の芽かな春の幸
啄まれ命をつなぐ木の芽かなはるるん1号
さんぽ道太る木の芽に話しかけひーちゃんw
母校なる校花の木の芽やはらかに東原桜空
木の芽張る小猿は群れの糧となり匹田小春花
眼鏡下げ木の芽の貌を凝視せり菱田芋天
庭のけふの木の芽やいかにかあらむ鄙び梅乃香
一年坊こちこち木の芽やわらかしヒマラヤ杉
木の芽から空へビームを放つ朝ヒマラヤで平謝り
集まりし小さき生命木の芽にてひまわりと蒼い月
耳鳴りの音をかき消す木の芽雨ひめりんご
空を突く木の芽ほどけり雨の朝日吉とみ菜
それぞれに木の芽天向く天を向く飛来英
喪服干し溢るる木の芽朝の風平井智子
木の芽吹く恋の予感のほつほつと平林政子
木の芽吹くあと一年の通勤路平松一
ポイントの駆け込み使用木の芽雨比良山
萌黄色の木の芽ぽつぽつ散歩道廣重
木の芽には木の芽の匂ひ精気充つ広島あーやあーや
木の芽風頬の和らぐ地蔵かな広ブロ俳句部三日余子
山も野も人も吾もぜーんぶ木の芽ー呂ひ
木の芽たつ記憶の蓋の摘みごと琵琶京子
錆びついたビニール傘を捨て芽吹くフージー
芽吹く山熊鈴の音が冴え渡りFUFU
山里に方代の歌碑木の芽吹く深蒸し茶
剽軽な一才の子や木の芽吹く福嶋あやを
木の芽吹くカラー帽被らぬ傘持たぬ福田みやき
空の青木の芽競いて千の色福ネコ
木の芽吹く引っ越しトラック東京へふくのふく
在校生のハモリの高し木の芽風福間薄緑
頬赤くマラソンの子ら木の芽道福弓
木の芽立つペパロニピザを2人分ふくろう悠々
ささらめく水面の上の木の芽かな藤丘ひな子
窮屈な殻の奥では木の芽起き不二屋バニラ
木の芽描く色えんぴつの色重ね藤原訓子
木の芽して信濃の水は弥増して舟端たま
サラダ手に弾む家路や木の芽吹く風友
日いちにちと山はにぎやか木の芽雨冬島直
鎖場を見守る木の芽まだ堅し古川しあん
朝の庭小鳥がゆらす木の芽かな古川しげ子
折り節に叩き木の芽の香り立つ古庄萬里
ど田舎の銀座通りに木の芽晴古道具
枯れしごとき庭も木の芽の誕生日峰晶
生毛柔く木の芽の先は猩々緋房総とらママ
通学路手引きなぞる木の芽晴保古亜歩子
木の芽いづいつのまにまにひらきおり星雅綺羅璃
グーで勝つ花いちもんめ木の芽張るほしの有紀
真っ新な道歩む背に木の芽風堀卓
木の芽は赤子そのものよ潰すなよ堀隼人
木の芽道てんでに開く児らの口堀邦翔
木の芽風背伸びして履く高い靴舞矢愛
まだ固き木の芽やつんと静もれり前田冬水
あちこちの木々に萌えゆく木の芽かな槇まこと
息吹きては摘まれてもなお木の芽かな正男が四季
ぶかぶかの新社会人木の芽吹く正岡田治
ただの道ただただ息吹く木の芽かな雅蔵
木の芽ふく月曜の朝は嫌な雨松浦美紅
木の芽吹くだっこ散歩の豆柴よ松岡才二
げに早き遅きの在れり木の芽吹く松岡さつき
震災の地にやはらかに木の芽雨松岡玲子
裏庭の古木に風や木の芽吹く松尾祇敲
雨上がり朝日に木の芽背伸びする松尾老圃
曇りのち雨のち木の芽つんと空まっちゃこ
学割の期限はあした木の芽吹く毬雨水佳
木の芽雨枝よりおつる音符かな真理庵
高速の道路囲みて木の芽かなまりい木ノ芽
ぽぽぽぽぽ木の芽や木の芽こんにちは丸井ねこ
ほわほわと木の芽ふわふわと初恋まるにの子
お洒落した誰かに似たる木の芽かな丸山隆子
早送りのごとき木の芽の膨らみぬまるり
実家終い木の芽吹く庭あとにするミースミース
タブノキや芽吹く音して葉の落つる三上栞
木の芽満ち再会誓うおとなの遠足みかりん65号
木の芽採り今年は母の手を引いてみかん成人
姦しき声も聞こえる木の芽かな三毛乱次郎
上京する背に届かぬ手木の芽雨水井良柚
木の芽張る合計気温六百度mr.kikyo
主なき子規庵にまた木の芽吹く三田忠彦
学舎の矢絣祝い木の芽吹く光月野うさぎ
木の芽伸び白髪の母今を生きミナガワトモヒロ
木の芽立つ退任式の言の葉よみなづき光緒
天に向け命みなぎる木の芽かな湊かずゆき
動物園のバス行列木の芽道みはやななか
やはらかき日差しのにほふ雑木の芽美穂・広ブロ俳句部
ラスボスの兆し匂わせ木の芽風三群梛乃
木の芽張る嬉しさ含むむず痒さ深森明鶴
木の芽見て祝儀袋の用意する宮城海月
兄いもと初お目見や木の芽晴みやざき白水
立つ日なり会者定離この木の芽さえ宮村寿摩子
木の芽ども窓の隙間に目を合はす宮本かんこ
木の芽風喃語の吾子と会話してみらんだぶぅ
園児らとけふの木の芽を数へけり麦野光
山猿のご馳走様微かな木の芽むじか
コピー機からA4用紙木の芽晴睦月くらげ
ツンツンと木の芽の意志や指先に村の上の百合女
宮参り木の芽の杜を四世代暝想華
老木の朽ちたる幹に木の芽出恵のママ
廃屋をしっとり満たす木の芽雨森重聲
木の芽冷え妻のピアノをくるみては森嶋師子吼
スタジアムゴール期待の木の芽風森ともよ
木の芽嗅ぐ老犬主は話し込む森茉那
木の芽キラはしゃぐ愛犬雨上がり森みるく
リクルートスーツ新品木の芽晴もりやま博士
沈黙の木の芽にも命の鼓動諸岡萌黄
逆上がり初めて出来た日の木の芽もろ智行
一斉に号令無しも木の芽かな矢澤かなえ
一斉に木の芽だらけの公園に野州てんまり
季節越えぷつくり誇る木の芽かな柳とうふ
木漏れ日に木の芽眩しや愉快なり山岡寅次郎
けだものの百面相や木の芽山山河穂香
孫の歯を屋根に投げ上げ木の芽かな山川腎茶
神木の木の芽早緑天を指す山川たゆ
木の芽寒夜空切裂く放物弾山崎力
隠れ観るあこがれ指先に木の芽山下智
開き初む花瓶の木の芽孫来たる山下義人
大きな実つけておくれと木の芽撫で山育ち
贈り物全国の木の芽色を出す山田一予
濃きウラン封じひと息木の芽晴山田季聴
見送りて木の芽数える初出勤山田はつみ
風立ちぬ魚信のごとき木の芽かな山の柔安
喜びが湧きて見つめる木の芽かな山本葉舟
木の芽雨辞表提出帰り道友鹿
真先に木の芽見つけし母の顔雪子
カラフルなランドセルなり木の芽道柚木啓
木の芽見て再生出来る人力よ夢一成
マイアミの夜空に架かる木の芽かな陽花天
木の芽木の芽腕まくりして料理長横田信一
今朝の陽に木の芽の芽吹き大胆によしぎわへい
往来にすんと背を向く木の芽かな吉成小骨
雨の日も上を向くなり朝木の芽吉藤愛里子
市川の子猿小躍り木の芽かなYoshimin空
木の芽風宅配便の忙しなく吉哉郎
木の芽吹くグリコじゃんけんあと三歩米山カローリング
登校す木の芽の匂ひ引き寄せてよみちとせ
確かむる部分かつらや木の芽風らいかの星
木の芽山ぞわわ根方に吾子のシュシュらん丸
木の芽風ふと腰伸ばす野良仕事リコピン
見渡せばうっすら烟る木の芽かな凛
顔あげてみれば木の芽は天を指し瑠璃ホコリ
野辺送り庭の木の芽やふと目立つ麗詩
木の芽吹く心躍らせ若き我麗仙
木の芽吹く残り三月の勤めかな連雀
木の芽翔べ限界の吾を突け笑へロジック・ファットフィールド
木の芽雨見透かされたる仏の目わかなけん
一歩ずつリハビリ励み木の芽吹くわきのっぽ
雨音や木の芽の翠月あかり和澄永
名の木の芽お隣は誰だったかなわたこと
小さきも大ききもみな木の芽かな海神瑠珂
染髪を乾かす庭の木の芽かなわたなべいびぃ
少年のサッカー聞こゆ木の芽風渡邉花
むむんずと光集めて木の芽出づ渡辺陽子
林道の芽吹きの音や雨上がり渡邉わかな
- 夏井いつき先生からの一言アドバイス
◆俳号のお願い二つ
①似たような俳号を使う人が増えています。
俳号は、自分の作品をマーキングするための印でもあります。せめて、俳号に名字をつけていただけると有り難く。共に気持ちよく学ぶための小さな心遣いです。②同一人物が複数の俳号を使って投句するのは、堅くご遠慮下さい。
「いろんな俳号でいっぱい出せば、どれか紹介されるだろう」という考え方は、俳句には馴染みません。丁寧にコツコツと学んでまいりましょう。
●季重なり
山けむり木の芽たらの芽蕎麦かこむいとう雛菊
寒戻りとんがり木の芽空を刺す一途
永き日の津波の浜や木の芽張る大川すまき
名のみなる木の芽春雨背を丸め岡崎佐々紅
キジも皆狂おしや木の芽吹く里帷子砂舟
木の芽吹き金魚も動きなめらかに里こごみ
凍てつく庭に膨らむ木の芽の希望高上ちやこ
木の芽して囀ハモル婚活よ旅女
放題に天つく木の芽春うごく萩ちょ
一句に複数の季語が入ることを「季重なり」といいます。季重なりはタブーではなく、高度なテクニック。季重なりの秀句名句も存在しますが、手練れのウルトラ技だと思って下さい。まずは「一句一季語」からコツコツ練習していきましょう。「木の芽」以外のどれが季語なのか、歳時記を開いて調べてみるのも勉強です。
木のしらべ木の芽のしらべ花の宴中村宏一
こちらは、「木の芽」の句というよりは、「花の宴」の句と読まれる確率のほうが高いですね。
木の芽吹く梅雪果つる堤より児玉ひでき
「果つる」によって季節が移り変わっている様子を書きたいのだろうとは思いますが、「梅雪果つる堤」は少々時間を大づかみにし過ぎているのではないかと。
梅桜馬鈴薯畝立て木の芽かな田中謙三
敢えての季重なりだというお気持ちは分かるのですが、材料が多すぎるのは、「木の芽」という季語にとっても不幸でしょう。
●季語が比喩に
買ひ出しに木の芽のごとくメモされてくずもち鹿之助
「木の芽のごとくメモされ」るというのは、どんな感じなのでしょう? 比喩に使うと、季語の鮮度が落ちるという意味でも、少々無理のある表現です。
●入力ミス? 変換ミス?
気の芽どき詠む稀有な句の難しき龍斗
木の芽避け観光ガイドの板走るムシ・ミカミ
「坂」ではなく「板」?? 入力ミス、誤字脱字はよくあります。送信ボタンを押す前の、最後の確認を習慣にしましょう。
●「木の芽」という季語の本意
「木の芽(このめ)」は、春に芽吹く木の芽の総称です。芽吹く時期、色や形状は木によって千差万別。それぞれにみずみずしく美しく、溌剌とした生気にあふれる季語です。
亡き母を彷彿させる木の芽和え伊那寛太
家計簿を夫へ譲りし木の芽和え猪子石ニンニン
木の芽和え一重の味に舌を打つ大富孝子
木の芽和え今なら食ふや母の味本間美知子
「木の芽(きのめ)和え」は、山椒の若葉の芽を使った和え物。これらは人事の季語になります。「木の芽田楽」も同様に、別の季語となるので注意が必要です。
●これは山椒の「きのめ」の方では?
擂鉢の櫛目にをどる木の芽かなアオイソラ
木の芽の香すりこぎの音ぎこちなし卯の花京
木の芽見て食欲がわく歳になり池田華族
木の芽食む妻と我の髪白くなり橘高シャンプー
掌でパンと叩かれ木の芽立つ中中
どれどれと木の芽の小鉢舌鼓藤沢・マグネット
これらの句の「木の芽」も 「木の芽(きのめ)和え」の山椒「きのめ」ではないかと。
●これは木の芽というより花の蕾?
きのふより色濃く丸く桜の芽太田けいこ
ミサイルが桜の芽なら星青し満る
前述の通り、「木の芽(このめ)」は、春に芽吹く木の芽の総称。「桜の芽」と書くと、独立した別の季語になります。
戦争の速報辛夷芽吹く窓星月彩也華
パレットは紅と翠だけ楓の芽蝦夷の珪化木
山胡桃芽吹探せば飛行機行く大久保一水
沙羅の樹の芽吹き艶めく木肌かな来冬邦子
かりそめの花となりしか花梨の芽清仁
実をつけぬ無花果芽吹く十年目原善枝
これらも、歳時記によって判断は動きそうです。
●推敲ポイント
木の芽吹く寝返り試す新生児やまだ童子
描きたい光景は分かります。ただ「新生児」は、生後二十八日未満の赤ちゃんを指しますので、「寝返り」は無理というもの。下五を「赤ん坊」とすれば、無理のない内容にはなります。
出郷を木の芽一輪見送りて越乃杏
パンダ舎は空っぽ木の芽はたわわに糺ノ森柊
芽に対して「一輪」「たわわ」という表現はいかがなものでしょうか。語順も含めて、一考してみることをお勧めします。
道端にひっそりと咲く木の芽かな平本文
他にも「木の芽」に対して「咲く」を使っている句もありはしましたが、比喩の意図で使っている可能性も否定はできません。
が、「道端にひっそりと咲く」は、例えば犬ふぐり等の丈の低い雑草の花ならば似合うのですが、「木の芽」に対する表現としては、推敲の余地があるかと。
カフェへ行く土手には木の芽眩しけり鈴木季良恵
木の芽晴れ夜来風雨の激しけり西尾至雲
下五は文法的には「眩しかりけり」「激しかりけり」となります。あるいは、少し言葉を足して「眩し」「激し」と形容詞の終止形で終わらせる手もあります。
寛解や退院の日の木の芽かな田中紺青
拳には重たき地図や木の芽かな辻本四季鳥
大風や温みに寄らぬ木の芽かなポップアップ
「や」「かな」と切字が重なっています。感動の焦点がブレるということで、俳句では嫌われます。どちらか一つにしましょう。
登山道木の芽を映し握り飯河国老保忠
中七「木の芽を映し」が少々分かりにくい書き方になっています。木の芽を何が映しているのか? ひょっとすると、握り飯の白に木の芽の緑が映えているというニュアンスでしょうか。仮にそうであれば、中七下五を「木の芽に映ゆる握り飯」とする手もありそうです。
とはいえ、上五「登山道」の「登山」は夏の季語なので、そのあたりも一考の余地があります。
●今月の選外
「木の芽時」という季語を使った句が、三十句ほどありました。確かに「木の芽」ではありますが、「~時」がくっつくことで、時候の季語だと捉えるべきかと考えます。
ネット上の歳時記やページ数の少ない「季寄せ」などでは、「木の芽」の傍題として「木の芽時」が載っている可能性もありますが、兼題「木の芽」と出題されれば、植物の季語としての出題ですので、そのあたりはしっかり区別して作っていくことが、より上質な俳筋力作りに繋がっていきます。
更に、「木の芽雨」「木の芽晴」「木の芽風」「木の芽冷」等の傍題には、悩ましいものがあります。歳時記や季寄せによっては、「木の芽時」(時候)の傍題になっていたり、(天文)の季語として扱われていたり、はたまた「木の芽」(植物)の傍題として載っていたり。これらの判断は、歳時記編者の考え方によるものです。
投句する皆さんが様々な歳時記を手に作句しているであろうことを鑑み、今回は「木の芽雨」「木の芽晴」「木の芽風」「木の芽冷」は、ひとまず選に入れております。が、ここまでの内容を季語に関するデータとして、認識しておいて下さい。
また、句意の読み取りにくいものも毎月一定数あります。自作に対して、世界で最も評価の甘い評価者が「自分」です。作ってすぐに投句するのではなく、一晩でも二晩でも少し時間をおいて、客観的に判断する習慣を身につけていきましょう。


お待たせしました!3月の兼題「木の芽」の結果発表です。今月も夏井先生のアドバイスは必見です。「木の芽(このめ)」と「木の芽(きのめ)」は別な季語だということを、兼題発表時に知りました。「木」を「こ」と読む単語は「木漏れ日」をはじめ、何だかかわいいものが多い気がします。この調子でまだまだ知らない季語を学んでいきたいですね 。5月の兼題「母の日」もふるってご応募ください。(編集部より)