夏井先生のプロフィール
夏井いつき◎1957年(昭和32年)生まれ。
中学校国語教諭を経て、俳人へ転身。俳句集団「いつき組」組長。
2015年初代「俳都松山大使」に就任。『夏井いつきの超カンタン!俳句塾』(世界文化社)等著書多数。
6月の審査結果発表
兼題「青梅」
「天」「地」「人」「佳作」それぞれの入選作品を発表します。
青梅やあめのうずめの臍清ら
翡翠工房
夏井いつき先生より
「青梅」の蔕のあたりの凹みから「臍」を思った句も、それなりにあったのですが、掲出句の比喩はそれらの発想から一歩抜きん出ています。
「あめのうずめ」とは、「天宇受売命」「天鈿女命」とも表記され、巫女的立場にあったともいわれます。『古事記』『日本書紀』には、天照大神が天の岩屋戸に隠れた時、岩屋戸の前で踊った女神だという記述があり、胸乳もあらわに、腰に結んだ裳の紐も緩むほど、神がかりに踊ったという様子も記されています。
ほんのりと薄桃色を刷いた青梅のさまは、まさに「あめのうずめの臍」のようであるよ、と。しかもそれは、淫靡なものではなく、「清ら」ですらあるよ、というのです。「アオウメ」「アメノウズメ」と続くア行の韻もまた、一句の内容を讃えるかのようなおおらかな調べ。「青梅」の作品として、忘れがたい愛誦句となりました。
不甲斐なき今日や青梅拭きまくる
大岩摩利
「不甲斐なき今日」の出来事が何度も心を責める。そんな時は「青梅」を拭くという単純作業が心を慰めるのです。とはいえ、押し寄せてくる心の波に抗うには、青梅を「拭きまくる」しかない。複合動詞が描く心理的リアリティ。
青梅の完成形として未熟
沖らくだ@QLD句会
青二才、尻が青いなど、「青」が付く言葉には「未熟」を意味するものもあります。「青梅」とは、季語としても植物のありようとしても、未熟であることも含めて「完成形」なのだという機知が、見事に結球した作品です。
青梅や時を味方にする暮し
加田紗智
「青梅や」という詠嘆から、中七下五の展開が巧い一句。毎年この時期ならではの梅仕事を楽しむのでしょう。そして、できあがる梅干し、梅酒、梅シロップ、梅ジャム。それらの瓶が並ぶ様子まで想像できる「時を味方にする」豊かな暮らしです。
青梅やみづに放てばみづの膜
ろまねす子
「青梅」を洗うために水に浸ける。その瞬間の美しさを「みづに放てばみづの膜」と表現した描写力に感服します。どこにも「光」という言葉は使っていませんが、青梅のうぶ毛に生まれる小さな泡のひかりまでもが見えてくるかのようです。
改葬のしらせ青梅福福し
満生あをね
「改葬」とは、一度葬った遺骨を別の場所に葬り直すこと。実家の墓の改葬でしょうか。淡々と受け止めるしかないその「しらせ」。かつて家族で楽しんだ梅仕事を思い出させるように、今年も「青梅」は福々しく育っております。
臀部と呼びたしこの青梅ならばギル
猫のふぐりくらゐになればもぐ実梅RUSTY=HISOKA
梅の実のをぐらき臍と明き尻岡一夏
五十ほどもぎて青梅手に馴染む青居舞
青梅の固きに満つるみづの芯市川りす
青梅の香の中でもぐ青梅を蝦夷の珪化木
青梅やこころはづめばよくころげおひい
青梅煮る子規の齢に追いついてかねつき走流
青梅の臍に紅さす予後期かなげばげば
あをうめのすぢやはらかくとこしなへ古賀
青梅の尻より黄ばみはぢめたる齋藤満月
忍耐を知らぬ青梅より落ちる錆田水遊
青梅や雨は明るく砕かれて常幸龍BCAD
青梅に打つ粗塩や日照雨庄司芳彦
ばらばらあめふるばらばらあをうめふる正念亭若知古
青梅の小さき朱ひらめきの如く鈴白菜実
青梅や註釈多き日本書紀草夕感じ
青梅や村にひさしき祝婚歌高尾一叶
青梅や紀州の空の浅縹竹田むべ
青梅を潰して停めた霊柩車手嶋子犬
また訃報青梅は熟れ切ってない鳥田政宗
それだけのための棒なり青梅落とす中村想吉
青梅や雨とはあをのそだつみづにゃん
青梅や勾玉ほどの雨の色仁和田永
珠磨くごと青梅の尻を拭く庭野環石
青梅噛む加減知らずの音すなり沼野大統領
青梅の青を煮殺す善き主婦よ猫屋たま猫
青梅の香を移すかに降り濡つ根々雅水
いかがわしき青梅を噛む青春あり農鳥岳夫
青梅が紅くなったら辞表出そのなめ
青梅にあたるひかりのすつぱさうのりこうし
青梅の傷眇めては許したり葉村直
青梅の落ちてきれいなままでいる横縞
露人ワシコフの頭青梅打ちにけりあたしは斜楽
青梅もまたワシコフの的となりけり7パパ・広ブロ俳句部
青梅洗ふ嬰を産湯につけるごとアンサトウ
嬰児を抱くごと青梅は掌におかえさき
青梅やもういいかいにまあだだよ淺井翠
青梅や「もういいかい」の声はるか石塚碧葉
投げあぐる青梅低すぎるか空相生三楽
青梅や喉の奥より雨匂ふ藍空macco
ペダル軽やか籠の青梅あいれふ葵
実梅を打ち落してや空あらわあ。うん
青梅や危ふきにまで盛られをり青井季節
青梅や離れに開く公文式蒼空蒼子
青梅のふたつ分ほど強くなる青田奈央
青梅や婚礼の後の庭しづか青野みやび
青梅をコップに沈め街しずかあおのめ
青梅や母の口笛聞いたよな赤岩量子
分け入って分け入って吾子青梅へ赤尾双葉
青梅や娘に送るエアメール愛柑いつき組note俳句部
青梅やユーミンを聞く耳になる空地ヶ有
東山市場山積みの青梅昭廣梵字
青梅を見上ぐ駐在の敬礼秋山らいさく
青梅の手仕事雨の憂さはらしアクエリアスの水
青梅や外のトイレに紙は無い芥茶古美
青梅や九人を産みし母は亡し明智明秀
これくらいの嘘ねと青梅ひとつ明後日めぐみ
青梅のひと粒ごとの初初し淺野紫桜
黒髪へ青梅の雨こぼれけり浅乃み雪
この村の何処に居ても青梅の香あじさい卓
軽トラにひとつ残りし青梅や明日葉
青梅の厨あかるき雨の音葦屋蛙城
ちちははの負けず嫌ひよ青梅よ明日ぱらこ
青梅の透けて硝子に銀の罅藍創千悠子
拾ふ人もなく梅の実と吸い殻とあたなごっち
竹串をもつりもつりと青梅へat花結い
青梅や背負子に籠の三つ重ね渥美こぶこ
青梅や子の担任は三年目我孫子もふもふ
銀婚や箱いつぱいの実梅の香阿部八富利
枝ゆらす禰宜の狩衣へ青梅あまぐり
青梅を地球を回すやうにもぐ甘茶トーシロー
青梅は酔人の目にさらされぬ天鳥そら
青梅や登校拒否の子の短歌あみま
青梅の落ちて太極拳の朝綾竹ろびん
青梅の落ちたるあたり犬の墓綾小路へこ
青梅を噛むや私も言いすぎかあらい
青梅の籠に転がる軽さかな有田みかん
青梅を漬くや犬の仔生まれたる有村自懐
敗戦国に青梅はぢく壜の底在在空空
青梅の毒抜く指のくの字かな杏樹萌香
青梅の明るき重さ手に量る安春
青梅や赤子の腕にほくろ出づ井若宙
青梅の肌よ祖国の弟よ飯沼深生
青梅や清しきゆめをみてをりぬ飯村祐知子
青白き星は青梅芯に燃ゆ家守らびすけ
青梅の落とされて知る重さかな郁松松ちゃん
青梅や毒気は若さでもありきIquedaQuenshi
傾けし笊より青梅川なせり池田桐人
五線譜のやうに青梅転がり来池之端モルト
青梅ころころわたしの中にわたしの子イサク
青梅を放り投げたり合宿あけ伊澤ゆき抄
青梅の適ふ器の玻璃光る為参
青梅ぶりんぶりん若さの傲慢石垣エリザ
青梅や当主は若き武家屋敷石塚彩楓
青梅をただ拭くといふ祈りあり石塚壜太呂
失恋は青梅噛んだ夜八時石原しょう
青梅の風の青さよ娘の未来石原花野
青梅や天神様に捧ぐ札石原由女
美しく推し死んで青梅のヘタをとる泉晶子
青梅や正座して聴く部の歴史和泉攷
青梅に似合ひし瓶の二つある和泉園実
顎鬚を撫ぜ青梅を眩しみぬ石上あまね
青梅や世帯分離のするしない一阿蘇鷲二
青梅の蔕と灰汁取り良き日かな一井かおり
青梅のぽとりと跳ねて鳥去ぬる市川卯月
青梅の少し弾んで瓶に落ついちご一会
傷無き青梅や翳す孔雀石一久恵
生研後青梅買ふか買はざるか一秋子
少年時代みるみる遠し実梅もぐ伊藤映雪
成人と大人は違ふ実梅もぐ伊藤恵美
青梅や蹴飛ばしながら待つ明日伊東海芋
先生は独身青梅ほの香り伊藤なお
青梅の光を浴びる赤子かな伊藤ペンタ郎
子宮葬りて青梅ころりころり伊藤柚良
玄関へ花咲くやうに梅煮の香糸川ラッコ
青梅の硬き丸みや糸紡ぎいとへん製作所
青梅や吉野弁慶力釘イナホセドリ
青梅や無知を誇れる人とをり居並小
青梅の急所突いたり爪楊枝井上鈴野
青梅や低き流しの島の家井上れんげ
青梅に青梅よりも硬き傷井納蒼求
青梅もぐ介護実習生の手の白し猪子石ニンニン
アルトパート自主練青梅に風井原昇
青梅になんやなんやと子らが来る今紫
青梅ころん衛星からの地球妹のりこ
青梅や変声前の子の唱歌伊予吟会宵嵐
青梅よ初恋って何だろうね伊代ちゃんの娘2
ひかり増す空気おもみ増す青梅いわさちかこ
青梅の手触り僕はもう大丈夫うえともこ
ママチャリのかごに青梅うしろに子上原淳子
青梅の落ちたばかりを雨上がる上原まり
青梅の太るばかりの空き家かな鵜飼ままり
言ひ訳も愛か青梅並べをりうからうから
青梅を二貫引っ提げ夜の駅うさぎちゃん
触れたくて遠くて青梅の心うた歌妙
盥まわる青梅どれが一等賞うただねこ
青梅コトリコトリ父よ懐かし宇田の月兎
青梅や姉と競うは男運内田ゆの
こども食堂青梅の寺に案内板空木眠兎
青梅や余所行きの字で瓶に年うつぎゆこ
青梅を齧る勇気もなく三十路海原夏帆
青梅や笊に盛られし違ふあを海原帆布
息子元気か青梅のヘタ柔し卯之町空
青梅落ち老猫気にも留めぬかな海口竿富
青梅のへそ取る楊枝丸くなり梅里和代
青梅やヘタ取る母は芸能通梅朶こいぬ
青梅のどれも宇宙を向いており梅田三五
青梅や土間に居座るよその猫うめやえのきだけ
青梅や風を誘ひて水の音浦城亮祐
むくれあってただ青梅をほじってる江口朔太郎
青梅やテノールひびく合唱部蝦夷やなぎ
青梅や数珠に額のしづむ音えぞりすの風
青梅や放電待ちの蓄電池越冬こあら@QLD句会
結界の内外に同じ青梅生る江連守一
シロップに倦んで青梅の琥珀色絵十
ボンネットへ青梅の落つ凹むかと江戸きり子
青梅や仕込み終えても暮れぬ空えのき絵巻
青梅を嗅ぎて黒猫尾を掲ぐ遠藤玲奈
青梅に一つの傷の乾きゐる円美々
日本酒を青梅が少し浮くぐらい延命寺
小梅もぐ母の雄弁父の黙近江菫花
青酸や保護室の窓の青梅大井道芥
屈強な友の訃報や青き梅おおい芙南
青梅や人は死んだら神になる大内とら
平笊の青梅のへそ向き揃へ大久保加州
青梅よ明日の風はいずくから大越総
無心とは青梅の蔕とる時間大越マーガレット
青梅の踏まれぬやうに落ちにけり大塚恵美子
青梅や心の傷を飼い慣らす大津美
青梅やすくすく育つ蒙古斑大野喬
長寿だが不死に届かず青梅よ大野美波
青梅や瓶を揺すりて熟を急くおおばあば美智子
青梅や一本道の如き風大和田美信
鳥の聲暫しとゞめて青梅落つ岡崎佐々紅
頑固さうな音の青梅落ちにけり可笑式
青梅を噛む青梅に負けながら岡田ひろ子
青梅や仄かに匂ふ中学生岡田雅喜
青梅へ竿や琵琶湖を空振りす丘なな実
愛膿んで青梅うんと漬けて孵化岡根今日HEY
青梅やあれはやっぱり恋だった岡村恵子
正論を吐くAIや青梅落つ岡山小鞠
青梅拭くや仲人口の塩梅は小川さゆみ
青梅落つ今朝は二の段三の段小川野雪兎
熟れぬまま青梅明日へ閉じこめる小川都雪
青梅を沐浴のごと洗ふ夫小川柳花
あをうめの指の輪過ぐる青さかなオキザリス
青梅は硬し手仕事やわらかし沖庭ノ華風
青梅や家人総出の笑ひ声沖乃しろくも
梅の実や二十歳で母になるとふ子小倉あんこ
青梅の恋人未満たるかほりおこそとの
青梅のひかりをひとつひとつ洗ふ越智空子
青梅や越生の天狗影ゆらぐおつき澳吉
青梅の風にほどける昼の雲おでめ
青梅の硬さのままでありたしと小野倫花
梅の実のほくろ数えて梅しごとおぼろ月
青梅やサリンジャーなら図書館で海音寺ジョー
青梅のごろごろ威勢良き社説海峯企鵝
青梅の摘まれずにゐる一周忌火炎幸彦
光斑やアルミ脚立に実梅置く案山子<いつき組広ブロ俳句部
青梅の三粒荷台に跳ねあがる風早杏
青梅は生真面目ちょっと人見知り樫の木
山腹の青梅錆びたトロッコで片岡一月
青梅や水をはじいていく朝日ひだまりえりか
青梅を漬ける痘痕を褒めながらかときち
青梅やもしや今年は珊瑚婚金子美鈴
病窓の青梅たわわ眠る父花星壱和
青梅や昔小町の籠の中神島六男
岩水の月に青梅灰汁を吐き神長誉夫
ふてぶてしく太る空き家の青梅は紙谷杳子
落ちて呼ぶ人を烏を青き梅亀くみ
青梅や雨戸を叩きまた一つ亀山酔田
炭酸の青梅ほぐし泡ほぐし我ゆまる
青梅や玻璃に付きたる鳥の糞刈屋まさを
もみくちやの氷砂糖と青梅と河上摩子
青梅を叩く剣道二段かな川越羽流
青梅やへた取る夜は浅葱色川崎ルル
青梅の核硬かりき羞恥心川端妙松
青梅や信長供養塔へ拝川村湖雪
梅の実や夫の里へと足遠し河村静葩
収穫の青梅ざぶり座敷じゅうカワムラ一重
青梅やミサンガはゆるやかな枷喜祝音
青梅や建国までの北属期季川詩音
種避けて青梅齧る音の良し菊池克己
青梅のただしく吸ひてまろきみづきざお
夜半も雨青梅二キロ飴色に如月ゆう
青梅落下こりりと踏むスニーカー季紫子
青梅や朝のひかりは未完成岸来夢
青梅や心拍ほどの風の吹く北大路京介
青梅の雨粒弾く若さかな喜多丘一路
人も木も老いて青梅未収録北川茜月
青梅のひとつこぼれて猫が狩る北乃大地
船頭は茶髪青梅まだ固しきなこもち
青梅の老後を夫と考える城内幸江
青梅や紅く熟れたる麦粒腫黍団子丸
野面積する青梅と氷砂糖木ぼこやしき
青梅やクラスにひとりひねたやつ木村信哉
青梅のうぶ毛うっすら息を吐く木村となえーる
青梅やシェヘラザードの片笑窪木村弩凡
青梅のぷぷんと一つ苦き息木元紫瑛
てのひらの青梅傷が癒えました旧人がらけい
青梅や涙こらえる子のごとく九ゼットン
青梅や摘めばするりとこぼれけりQちゃん・広ブロ俳句部神奈川支部
青梅やヒトに三十二本の歯きゅうもんde木の芽
青梅をもらい仕事が捗らない紀友梨
撫牛の目の大きさよ青梅落つ京野秋水
青梅やみづに放てば銀河めく杏乃みずな
青梅や亡父の古きブランデー清鱒
青梅のなんとも太き臀見せて菫久
青梅を漬ける硝子に射すひかりくつのした子
神主の仕込む青梅大神へ國本秀山
正直であれと青梅いい匂ひ熊谷温古
青梅や昨日の嘘を漬け込みぬ蔵豊政
青梅の百を滑つてゆくひかり眩む凡
通園バス横切る青梅たわわぐりぐら京子
青梅や大器晩成線の手相空流峰山
再雇用の長靴がぼと梅青し久留里61
青梅の二粒ノアの箱舟に黒岩牡丹
青梅を齧る蹉跌を食むごとく愚老
青梅や文左衛門の語り草くろだ@しろい
青梅やファン付き服の青ぷくり玄琶小篇
方丈の裸電球青梅落つ桑島幹
青梅噛む穿つこの星驟雨かな桑原志宇
青梅に艶妹であり長女恵勇
青梅の濡れたる朝の日誌かな月下檸檬
青梅や試用期間を終えた朝ケビンコス
青梅や無垢に木漏れ日あびてをり獣道辿
ひとしきり青梅落ちて誰の忌日謙久
青梅や叩き落とさる虐め方紫雲英
青梅よ青の時代のその先へケンG
青梅や暮れゆく空が甘酸つぱいケント
青梅の香よ小雨の診察室剣橋こじ
青梅を赤子の顔のやうに拭く小泉久美子
境内の青梅を採りつくす婆恋瀬川三緒
窓の青梅腕の三角巾剛海
青梅やほのかに兆す喉仏公木正
青梅転がり幸せに触れて紅紫あやめ
母さんに青梅一つ握らせる柑たちばな
青梅や母の指環を外す兄幸田梓弓
百キロの青梅をもぐ日曜日幸田柝の音
青梅や茸毛はなほ毒を吸ふ虹博筋
青梅を洗いて銀の玉となるごーくん
青梅や知己の脳死の日は豪雨古烏さや
青梅の肌は銀光桶の中こきん
乳歯より硬き青梅空を打つ黒望
青梅や余生は甘くなるつもり五七五八一九
青梅や瓶見守りし正座の子越乃杏
大粒の青梅の家からドレミ木染湧水
青梅のぽとり反抗期のぽつり五島潮
青梅の落ちたる先の急勾配虎堂吟雅
実梅落ち高値不安の株価かな後藤周平
青梅やすっぱき星の浮かびけり後藤昼間
青梅や母の手紙のくずし書き後藤三梅
青梅や傘と竹刀と少年と古都鈴
青梅やまぐはふ骨の沈む音子猫のミル
青梅や除伐の札の揺れてをりこのみ杏仁
一升にちょうど不揃いの青梅小箱守
青梅の青手放しぬ瓶の中小林浮草
青梅の古寺しんと水の音小林昇
青梅や丸みを帯びた風の吹く小林澄精
青梅に乗る水玉に映る屋根小林のりこ
仕舞はれし秤の埃青梅の香小林久女
二階から大き青梅見つけたり小林理真
青梅や無双の武器の片笑窪小春花
青梅や墓誌に彫り込む一行目駒茄子
青梅や生り年笊に溢るるるこむぎ
青梅を里の卵と思ひけりコンフィ
青梅を煮て少年の夢の色サイコロピエロ
セレナーデ瓶の青梅溶け出しぬさいたま水夢
青梅の零れて水のほころびぬ彩汀
青梅の触れ合ふ音や星たわわ齋藤桃杏
青梅の青の辺りを持て余す酒井春棋
青梅や乱数表にある秩序さかえ八八六
青梅や孤独を選りて闇の底坂口いちお
青梅や剃り跡青き若き僧坂田雪華
夜のジャズ青梅の傷削いでゆく坂野ひでこ
青梅の青は甘露を生む青や坂まきか
青梅を落とさぬやうに回るほし坂本雪桃
青梅の落つる真昼のなほ昏き咲くひなげし
青梅や三人きりの三回忌櫻井こむぎ
思春期の青梅瓶を逃げたがる桜鯛みわ
青梅を嫌う女がもいでいる桜月夜
青梅や震へる筆は文字となる佐藤恒治
青梅の病語らず帰る樹医佐藤茂之
青梅や独りが好きとだけ言ひて佐藤志祐
青梅や臍のかたちのみな違ふ佐藤ゆま
青梅や種のトキトキ舌を刺す佐藤佳子
瓶を満ち満ちて青梅眠らない佐藤レアレア
朝採りの青梅今や塩まみれさぶり
まだ青梅に痛さうな塩どさり彷徨ういろは
青梅にふれず初恋のかをりすさむしん
青梅を撫づる指先これは恋紗羅ささら
だいどこの琥珀に浸る青梅や沙羅双樹サリー
青梅やおまけの多き旅の宿佐柳里咲
青梅はおおかた月の胞子だらうさるぼぼ17
青梅落つ私は上を向いて泣く澤田紫
青梅をかじる二十歳の眩しさよ佐和粉骨砕身
青梅のへそ取りながら夫の愚痴沢山葵
母の声聞かぬ青梅蹴られたり山月
流水や浮く青梅のへそのゴマ珊瑚霧
青梅や滅びし後の鬼ヶ島慈雨
青梅や今更戻る子がひとり塩沢桂子
青梅に傷や我が師は小突くひと柿司十六
青梅やラム酒に寝かす臍と臀じつみのかた
青梅や轍にはまるシニアカー信濃のあっくん
軒下の青梅芯に坐す天神糸野句丹
青梅と箱底に島の新聞篠雪
青梅や若き屯所の旗へ風渋谷晶
数えおり嫁にもらった青梅を芯歩
青梅や父は兄弟十二人しぼりはf22
アトリエの床青梅の影揺れしシマエナガ深雪
青梅の芯抜く度に香り来る島じい子
青梅や記憶にいつもたばこ小屋島田ユミ子
青梅の尻のラインがはづかしい清水縞午
青梅の漬られ床へ夜の隅志村肇
青梅は落ちて吹き返しの唸り霜月シナ
青梅や雨後の雫を透かし見る下總和沙
青梅の深く隠れて鳴る予感じゃすみん
青梅の丸みに慣れた手の丸み沙那夏
青梅に爪立て酸の雨浴びる砂楽梨
青梅に刺さる光の欠片かな洒落神戸
玻璃製の瓶に青梅のはぜさう十八公
青梅は追熟同棲は二年目秋芳
青梅や幹を出たがる鬼の肉シュリ
南高の青梅硬し月満ちず淳風子
青梅や光ほどけし陽の匂い焼菓おやじ
小糠雨青梅よけて避けきらず白石美月
青梅や逆上がりまだ出来ない子白井百合子
青梅に恋煩ひの尖りかな白沢ポピー
青梅へ脚立二段目日の微か白岩座匠
まつ直ぐな物言ひ青梅にうぶ毛白猫のあくび
青梅へ雨深海の香る庭白よだか
青梅の陽の当たる側やや赤しジン・ケンジ
朝もぎし青梅売るや幟立つ新濃健
青梅や夫の顔して見舞う父深幽
泥道の青梅に空ひらきけり水鳥レイ
青梅を摘みしげしげ歯が痒い末広野暢一
青梅を咬めば天神様ひびくすがりとおる
青梅のふつくらとしてゐてかたし杉浦萌芽
丸瓶は理科室の記憶青梅漬く杉岡ライカ
青梅の歩道一坪埋めたり杉尾芭蕉
引力の強く青梅大地落つ杉本果ら
殉教の地にたわわなる青梅の黙清白真冬
青梅のぽてりと鳴きて着地するすず耀子
青梅や孫より重し腰の篭素敵な晃くん
青梅や自宅出産三代目砂山恵子
青梅をそつとあをぞらよりはづすすまいるそら
青梅や婿に仕事の手順説く須磨ひろみ
少年の大志鈴なりの青梅晴好雨独
爪楊枝青梅のへた擽りぬせいしゅう
青梅よ脳を介さぬ言の葉よ瀬央ありさ
ごめんねが言えなくて青梅ごろり千・いつき組広ブロ俳句部
青梅や産毛ひかりて孫三号走人
青梅や巣立つはらから疎くなりそうま純香
青梅のきちんと悔いた酸いの味十合百合
瓶の中青梅の崖崩れけり外鴨南菊
青梅や記憶はいつも雨の彩そまり
抜歯後の頬もぎたての青梅染井亀野
青梅のつひに離るる瓶の底空豆魚
青梅の消毒用に酒屋のこころ駄詩
青梅カリカリなんで絶交したんだろたーとるQ
青梅に雨を緑亀に餌を大
さみどりをさみどりのまま青梅もぐ大地緑
青梅が生る頃家に帰りますだいちゃんZ!
青梅や潜みし恥の疼き出すたいらんど風人
瓶詰めの青梅の呼吸を見つめる高上ちやこ
青梅を買へば訛りもこぼれけり高瀬小唄
採らぬならこの青梅を下さいと小鳥遊
青梅に空隙満つる国家哉高橋手元
青梅を集める人の背に夕陽高橋基
青梅や母に習わぬ仕込み方高橋ひろみこ
コンクリへ落ちて実梅の疵深し高橋マママリン
猫越しに青梅もらふ新聞紙高原としなり
青梅を漬けた女は家を去り高見沢実雪
青梅と三日三晩を遊びけりたかみたかみ・いつき組広ブロ俳句部
青梅の雨のしずくの硬くなり高山佳風
青梅に大気圏あり水の中滝沢萌葱
青梅や介護理容師見送りぬ武井保一
ジュース三キロ酒に四キロ青梅もぐたけぐち遊子
青梅のあをに汚れのなかりけりタケザワサトシ
青梅の残り演歌歌手の渋みたけろー
青梅や齧れば開く中二の夜多胡蘆秋
ひたひたの水に青梅鱗めき太之方もり子
青梅や吾子の旋毛に日のにほひ多数野麻仁男
ゼミ生と拾ふ青梅今年限り糺ノ森柊
有線は今年も青梅採りませと多田知代子
青梅やガガーリンの眼に地球立花やえ
青梅の青の眩しき齢かな立田渓
青梅や少年の膝傷新た立田鯊夢
退学の朝や青梅落ちる道辰巳電柱
青梅のころり仔犬の尾の立てり立石神流
青梅や返事返らぬ反抗期伊達紫檀
青梅のヘタ取る同じ懐古談田中勲
青梅の尻に鼻寄す雨あがりたなか里
月一つ実梅一つや夜の底谷さとおり
梅の実の呼吸美し水の膜谷山みつこ
放蕩の日々のたわわに青き梅田上南郷
青梅と聞き覚えある鼻歌と田畑整
手の届く丈に青梅すでに無く玉家屋
青梅の笑ひころげるやうに落つ玉木たまね
青梅の手中に雛の居るごとく玉響雷子
青梅を転がし青き顔を選る田村利平
青梅や喜寿を過ぎたるマルキスト竹庵
青梅やカゴに食器の二つずつちっちのきも
白き手がひらひら清める青梅智同美月
青梅の尻に集まる朝の雨千葉水路
青梅や元コンビニの壁くすみchimekun
青梅やもう辞めやうと幾度もちやあき
青梅の灰汁抜く祖母の愚痴次々彫刻刀
坂道をころり青梅追ふ夜風ちょうさん
青梅の近寄りがたき若さかなちろりちろりみゆき
青梅を水に放てばあをぞらへつえりん
青梅や転校生は女子らしいつくばよはく
青梅のぴくと震へて反抗期津々うらら
青梅や箒ギターでビートルズ都築減斎
青梅や虚空を量るメスシリンダー綱川羽音
青梅や「月の光」のシンセ鳴り椿泰文
青梅や夢に届く手届かぬ手坪田恭壱
青梅やじやんけんぽんはいつもぐう鶴富士
青梅や未熟を讃えられし頃徹光よし季
青梅の傷よりしたたる酸き甘露天雅
青梅や明日嫁入れば他所の女天童光宏
青梅の硬き光や描き切れぬ天王谷一
青梅のころん清しき梅仕事天陽ゆう
致死量の青梅へ降る雨あまた土井あつあげ
初恋のかたく青梅ふれあふかトウ甘藻
青梅の熟るるを拒むごと硬し冬野志奈
青梅の潜む木の間の風しづか遠峰熊野
青梅の葉陰の光つかみをり苳蕗
青梅にナルコレプシーの疑いとかき星
青梅や革に鋲打つ見習人ときめき人
弦楽の尖りて青梅ざるの中徳庵
青梅のまろむ月日を縁の下どすこい早川
青梅や吾子のうなじを撫でるよに杼けいこ
青梅の産毛にピントにじりよるどゞこ
青梅はひかり祈りの洞抜けてとなりの天然水
産地からの青梅の箱に鼻埋め戸根由紀
笑ふとき似る青梅に小さき臍戸部紅屑
青梅の風や卒塔婆歌ふかに苫野とまや
青梅を拾う退院実感す冨川ニコ
排卵の疼きめく青梅の空富野香衣
青梅やツンと笑窪の女の子友@雪割豆
眠れない夜青梅に青き臍富山の露玉
青梅の重みに軋む古秤頓堀頓
青梅や下ゆく子らの歯の皓き内藤清瑤
青梅を竹取翁の揺すりゆく内藤羊皐
天神を抱きて太れる青き梅ナウシカのおかん
青梅のころの星々みづみづし中岡秀次
青梅や地球に大絶滅幾たび中尾鎖骨
てのひらの青梅に小さなとがりなかかよ
青梅をもぐ約束の店休日中里凜
青梅の落ちて無念の香の強し中島走吟
青梅や古民家カフェの戸に手垢永田千春
青梅の青を貫く光あり中野誠一
青梅や猫に餌やる奥之院仲間英与
ピカソの青梅ゴッホの黄梅仲操
青梅の魚眼レンズの映り込みなかむら凧人
青梅や転職といふ深き穴中村葉季
青梅やへそはくすぐったいところ中山由
青梅や風のかたちに枝を知る流れ星
青梅やもう痩せる必要も無し夏風かをる
青梅や今日はおとなしお腹の子夏草はむ
みーちゃんのとった青梅もまぜてね夏椿咲く
青梅洗うそろそろおむつ交換かなつふね。
青梅や雨滴を臍に匿いて七瀬ゆきこ
夕風の頭にこつと実梅かな名計宗幸
青梅を青と言い切る青さかな波彦小町
てのひらに青梅と進まぬ恋と奈良素数
青梅の未だ匂はぬ勝手口にえ茉莉花
青梅を後ろめたげにもぎにけり西尾照常
青梅や言葉の裏を読めぬまま西川千波
老木といふに青梅四軒分西川由野
新聞紙二面に青梅ばらばらばら西崎秋雲
青梅のあお抜け出して水の中西園撫子
事実婚九年青梅噛み砕く西田月旦
青梅や先祖返りの棘あり西野和香
ぼとり落つ青梅朝の口喧嘩西原佳黎
青梅の青は未来の色ですか西村小市
青梅や関守石の縄濡れて二城ひかる
朝ぼらけ青梅ひとつ落ちにけり猫塚れおん
青梅やぎしぎしとまだ青きまま猫辻みいにゃん
青梅や子らは本日共テ模試猫野コロ
転がれば猫に捕まる青梅よねね丸ねね子
手水鉢底のひかりを青梅へののクラブ
青梅や産毛の頬の片えくぼ野の小花
梅の実の黄金に熟れてチャペル前野の菫
青梅や八十からの習ひ事野ばら
青梅の不作三年里しづか野原蛍草
青梅や樽の底なる酒の息昇椿
青梅や島の抜け道海へ出づ灰島りんこ
青梅の弾力消えぬ蒙古斑白山一花
青梅や地鳴りの如く瓶に入る白山おこ女
青梅や清しき青に芯ひそめ橋本諒駿
青梅落つ此処を出発点とせよ蓮井理久
青梅や令和八年瓶の中羽住博之
青梅や舌に凝れる正義論長谷川水素
青梅がため息をつく雨上がりぱせり
青梅の微熱を覚ゆ指の先畑中幸利
青梅やお木曳の声響きける葉多豊
畑転ぶ実梅天神眠りおり花岡淑子
氷砂糖とろん青梅眠らせて花南天あん
青梅の弾けて瓶へ収まりぬ花はな
青梅の下に立つまみどりまみどり花彼岸
木もれ日の葉裏したたる青梅かな英凡水
実梅置きけり佳き記事の新聞紙花水木
青梅や十四歳の夢固し花見鳥
末つ子は初恋初日青梅の臀花和音
青梅の潔いほど青きこと羽馬愚朗
青梅やきれいな瞳目が合うた馬場勇至
青梅やあの子妊娠したらしい早川千秋
梅の実やエコーに胎の児笑ひをり林省造
青梅や朽ちぬ芯あり老い徐ろ原修一
ジップロック実梅の青を閉ぢこめり原水仙
空の青さに手を伸ばし青梅採る原田くろなつ
青梅の産毛にみづの日の真白巴里乃嬬
青梅の香や出棺の並木道晴田そわか
青梅の色づく夜や熱に酔ふはるの風花
青梅や地球のかたち日のかたち春野ぷりん
青梅落つうかうかと過ぐきのふけふ春海のたり
青梅の固き音してガラス瓶はるるん1号
青梅の誤算人類は酒を飲むはれまふよう
青梅のあからみ曙のあをみ晩乃
青梅や胎に心臓でき始む繁茂おじ
青梅や地球はいまだ若き星ピアニシモ
青梅は固し僧侶待つ三和土東田一鮎
漬け頃の青梅留守勝ちの隣疋田千優
甘露煮の青梅崩れんばかりかな樋口滑瓢
龍神の村を豊穣の青梅ピコリス
青梅や雲底は案外平ら菱田芋天
エメラルドつまむが如く実梅もぐ一石劣
青梅のひとつひとつをあやすごと日向こるり
青梅を粒ごと握りゃ壮年期ひのきあさみ
青梅の尻をひたすら掃除せり日々硝子
青梅を噛んで吐きだす鬱曜日比々き
青梅よ照れるほどの青臭さ日吉とみ菜
青梅や叔父は医者になりたかった飛来英
青梅や戸袋の鳥すくすくと平井智子
青梅のはちきれそうな肌に串平井由里子
青梅やロードバイクのギア落とす平野純平
青梅のぽっと色づく恋かしら平林政子
嫁といふ呼称曖昧青梅もぐ平本魚水
踏まれたる青梅の香の甘つたる広島じょーかーず
青梅蹴る俺は不良にさえなれぬ広瀬康
青梅や明日降るといふ雨匂ふ広野光
青梅やフォークダンスの二重の輪広ブロ俳句部三日余子
青梅やあおうめ色でありにけるー呂ひ
青梅や禁帯出を一人読むフージー
青梅の空の青さの風の酸し風慈音
青梅や置き薬箱の風船福田みやき
青梅を遊ぶねこから取り上げる福ネコ
青梅や話の長いケアマネさんふくろう悠々
青梅にBB弾の痕ひとつ藤咲大地
青梅に鉄の匂わぬ傷あまた藤里玲咲
青梅の空執着はあらねども藤白真語
青梅や沐浴の子のうらがへる藤富うに
青梅やちゃん付けで呼ぶ友の庭藤原涼
青梅ややり直せそう青い空藤本だいふく
酒蔵の土間を青梅ころげけり藤本仁士
青梅や少年の喉尖りくるふもふも
青梅や娘の二輪駆け登る風友
青梅の背中に受ける硬さかな冬島直
青梅や爪痕消えるわけもなく古織沃
青梅や実習生研修引き受ける古澤久良
雉鳩うつくしく青梅ふくらみぬ古瀬まさあき
青梅をもぐに目に入る雨滴かな古谷芳明
青梅や爆音包む新聞紙文室七星
青梅の臍もお尻も撫でてやる碧西里
青梅を揺すりて重しガラス瓶房総とらママ
回覧板ことん青梅褒める声ほうちゃん
青梅や雨降りそぼる御土居跡保古亜歩子
青梅の硬さ少女の人見知りほしぞらアルデバラン
青梅に氷砂糖を手づかみで星月彩也華
青梅のたわわ悪口が言えないほしの有紀
静かなる雨の日青梅のたわわ細葉海蘭
青梅のあをき命を洗ふ午後堀卓
青梅をぱりんと犬歯なほ自前堀邦翔
青梅や真珠一粒並べ置く凡狸子
青梅や姉妹違へて住み離れ前田冬水
青梅がころりココロの可動域まこと七夕
青梅や逆打ちの宿土間明かし正男が四季
青梅の蔕を二百個爪楊枝正岡田治
青梅やひとつたましひ落つる音町田勢
青梅やみんな長髪だつたんだ町田思誠
青梅や胸の凝の如きもの松浦美紅
青梅を漬くる妻いて夜の更く松岡才二
青梅や最後は父の肩車松岡さつき
青梅や白き産毛のベールめく松坂コウ
青梅を喰めば魂舌に乗り松田寛生
葉の影の青梅再雇用通知松田迷泉
青梅は水のダイヤの泡して松原鈴子
青梅や特定技能外国人松本こっこ
青梅や開けば雨の部屋に影松和幸太郎
青梅は音符みどりご手を振りて毬雨水佳
青梅の下をくぐりて温泉街まりい木ノ芽
青梅や微量の毒は毒であるまるごとハテナ
LGBT論じ梅の実の種を吐く慢鱚
青梅のたわわ天保飢饉の碑三浦海栗
青梅を煮詰めて金の光り帯ぶ三日月なな子
青梅やいじめ未満のあげつらひ帝菜
青梅や友退院の報にころころみかりん65号
青梅の甘き理想のあはれかな三河三可
青梅やワタシの中にある毒気三茶F
青梅のひかり零さぬやうに摘む水須ぽっぽ
甘やかに沈む青梅三月待て水巻リカ
青梅をかじるや魔女に誘われ三高姫
青梅の尻の固さをじんわり黄みづちみわ
青梅やケガレもハレも知ると母満る
青梅を買ふかと母の独り言みなづき光緒
寄りてほじる青梅の尻ポロンポロン源早苗
青梅や自画像じっと見つめおるみみみ
両親の入院支度終え、煮梅美村羽奏
青梅のころがりさうなかたさかな宮坂暢介
青梅や雨に打たるる金次郎みやざき白水
青梅や青ならぬ青清々し宮村寿摩子
立つ枝に並ぶ青梅素直なり宮本夏生
初恋や青梅はまだ瓶の中麦野光・いつき組広ブロ俳句部
青梅のごろんごろんと行くレーン無弦奏
青梅や現役世代には見えずムシ・ミカミ
青梅の尻もう一度撫でる指六浦筆の介
同居せむや青梅の臍熟れにけり紫小寿々
青梅固し十五歳の憮然村崎水晶
赤瓶に沈む青梅シーシャの夜村先ときの介
甥の忌や青梅みちてみちてみちて明月詩悠
青梅にへそあり赤子にえくぼあり茗乃壱
手の平の青梅赤子の香ほのか目黒青邑
青梅にあをうめ寄りて仄紅く藻玖珠
しわの手で青梅を拭くそっと拭く望月ゆう
青春の傷口青梅の青さmomo
青梅や見合い相手に恋をして桃猫
青梅の臍や痛めぬやうにもぐ森捷子
青梅や移住の若きご住職森上はな
青梅や小口の焼けた哲学書森佳三
ひとつだけ瓶に入らぬ青梅よ森茂子
青空を走る荷台に青梅を森太郎
青梅のくぼみよ蹴球敗れて森ともよ
青梅やクラリネットの音硬し森中ことり
青梅や園長室にガラス瓶杜まお実
青梅煮ふつふつぽとり火傷する森茉那
アンチナタリズム青梅夥し森萌有
青梅の月夜なじみの蕎麦処もりやま博士
青梅の地球儀は国境が無いもろ智行
母校の青梅清潔な顔のまま山羊座の千賀子
青梅を放し飼ふかの実家かな弥栄弐庫
採り忘れられし青梅嵐くる安田伝助
行く末をうづまいて知る青梅かな柳とうふ
青梅の転び終はりは社務所かな八幡風花
青梅ころりささくれは治りかけ山内彩月
青梅のインク滲むや空の蒼山尾政弘
青梅や母の顔して笑む妊婦山川腎茶
胡座かき蔕取る青梅の無心山川たゆ
青梅に茜刷きけりかよひ道山口雀昭
青梅を形見の壺に漬けにけり山口笑骨
青梅の光を瓶に閉じこめるやまさきゆみ
青梅を潰せば朝の海の色山里うしを
武器は若さと青梅ほうばるなり山下義人
青梅の心難解雲流る山田好々子
青梅やいっそ孤独を甘んじて大和杜
青梅を画く景文には遠し山びこ
青梅の一つころがり一茶の碑山本栄子
青梅やドレミファソラシドアオハル山本てまり
おすわりの犬青梅をきつと好きやまもと葉美
青梅浮く甕や横へ一年物八幡蝶一
青梅を笊に休ます清き時祐圭節
青梅や青き地球へ青を足す宥光
青梅や子はひらがなで物思ひ雪子
青梅や離婚署名は十二秒雪鶏
青梅や星のはじめも青からむ柚木みゆき
青梅のぽっと匂いの音がした柚子こしょう
青梅ころろ氷砂糖はころろろろゆすらご
青梅や母は何度も同じこと宙美
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玉石を積むごとく瓶の青梅陽光樹
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物価高青梅噛り唾と吐く横田信一
北欧のあたり虫食ひの青梅横山雑煮
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青梅の届いて梅のことばかり吉田春代
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青梅の青きがままにおちゆけりよしよしこ
青梅の匂ひの洩るる今朝の籠余田酒梨
青梅や嫁の若さの妬ましくよみちとせ
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身体ごと青梅の香やどっぷりとリコピン
青梅や京のいけずは裏葉色柳絮
青梅を蒼のまま今封印するう
青梅や砂糖のとけて謎とけてルージュ
晴れやかな青梅匂う嫁ぐ朝麗詩
青梅や殺生石は硫黄の香れんげChan
青梅落つ敦盛の頸刎ねらるる連雀
青梅や放課後に待つテトラポット和澄永
わが顔を幾度も撃ち青梅は海神瑠珂
丸き影空をくり抜く青梅やわたなべいびぃ
家売りしこと詫びながら実梅もぎ渡部克三度
青梅のまるき産毛の匂ひかな渡邉花
青梅や昨日の硬さ今日の色渡邉わかな
まだ夜のほつほつ足らぬ実梅かな亘航希
青梅ころころ五人の生活科栗田すずさん
青梅のかたさ私の青くささ島田あんず
青梅や単身赴任の三か月塚本隆二
青梅の傷より出ずるぬめりかな名取秀
姉のとる青梅やみな小さくて藤井かすみそう
青梅もぐ巫女の手優し天満宮伊藤亜美子
青梅の巫女にもがれて天満宮糸終因果
青梅を蹴りながら行く長靴よ有川句楽
青梅を強く蹴飛ばし登校班伊藤薫
青梅を蹴りつつ朝のバス停よ伊藤ゆめ安
青梅や祖母の字残る一升瓶くにっち
字は曽祖母の瓶ゆれるは青梅ただ地蔵
青梅や瓶に見慣れた亡父の字健央介
青梅や若気の至りで済まぬ事葉月庵郁斗
青梅に若気の至り象られ八田昌代
青梅や若気のいたりふつふつと楽々草
青梅はブルーシートに落ちにけり朝雲列
青梅やブルーシートに降り注ぐ宏楽
触れまじと青梅の毒に祖母の声あかさたな
声荒げ生の青梅「毒!」と祖母遠藤千草
青梅や呆けし母に聞くレシピ石村香代子
青梅や亡父手書きのレシピ帖小川天鵲
ばあちゃんの青梅乗せて漕ぐペダル登盛満
青梅を五キロ買い付けペダルこぐきべし
青梅よ今年は何に成る気かね豚々舎休庵
青梅の今年は何にされるのか矢澤かなえ
竹ざるに宝石広ぐ青梅かな藍野絣
青梅のへた取りばあちゃん早いね雨戸ゆらら
エプロンの青梅異国の少女の歯十六夜の花札
青梅や高校球児丸坊主いまい沙緻子
青梅や熟れないままの金剛寺いまいみどり
青梅を飲んだのでせう君の目は岩本遥
下校児の青梅蹴る子齧る子と岡田きなこ
青梅や男児誕生祝うよにオカメインコ
青梅の秘した毒見る眉の月桂葉子
梅の実のへそ掃除のごと蒂を取る加裕子
青梅やこの音は子の指しゃぶり季切少楽・広ブロ俳句部
青梅の仲良きこと哉ジャーの底木下風民
股のぞき小さな幸の小青梅紅結
青梅や自転車立ち漕ぎ帰り道郷りん
青梅やPK外す十五歳越村和行
青梅もぐ有りつたけの背伸びする古知野朝子
実梅遠く梯子越し掃く乙女倦み坂島魁文
青梅や蔕取る夫のごつい指咲まこ
青梅やノックバットの乾き切る桜華姫
青梅やここがブラジルここ日本笹桐陽介
青梅のどんと落ちてもまだ地球雑魚寝
青梅の程好くあるか皮下脂肪三角山子
青梅や少し大人な孫の舌下丼月光
布に横向き青梅の耳掃除柊二@冨美夛
石燈の請に青梅靴にジャリ隣野つるばら
青梅や幼馴染みの口に紅はなぶさあきら
青梅が鳴いたら甕から大合唱水井良柚
青梅や柱に残る背くらべ三隅涙
青梅や危機乗り越えた夫婦仲わかなけん
追熟の青梅の色齧りたしアーモンドよーせい
母を待つ青梅の涙酒になるあいあい亭みけ子
かじる者なし庭に落ちた青梅相沢薫
青梅の傷や昨日の風の音愛燦燦
青梅や師の頷きを背に受けてアオイソラ
青梅や琥珀の瓶の底の澱あかねペン銀
青梅や脚立の夫にそここことあが野みなも
青梅の香そつと廃線包みをり赤目作
青梅ビン丸きメガネの辰雄かなacari
青梅のオレンジメッシュ吾の髪もあかり
梅の実や句友と呼べる友のいて秋月あさひ
青梅のたわわなる木を労われり圷美流
青梅や酒にまじわり琥珀なれあさのとびら
青梅をもぐ残したる小学校朝日雫
風与ふ自由を謳歌青梅や朝雲雀十五
幼き手青梅つんつんつまようじ亜紗舞那
はらぺこあおむし青梅も喰むのかあさみあさり
踏んだのは青梅なりし雨の街浅紫泉
雨戸開かぬ庭に散らばる実梅かな阿修羅
青梅やぽとりと落ちて小糠雨飛鳥井薫
青梅や枝の高さに並ぶ子ら明日に翔ぶ会
二歳児の散歩に同伴落青梅麻生恵澄
青梅の下で寝転ぶ空の青愛宕平九郎
ロジハラやカリカリ苦し青梅よアツシ
青梅のへたとり飽きて撫づる子よあねもねワンヲ
青梅や母の手控へ褪せし文字雨乙女
見上げてた青梅ごろり夜半の雨雨森茂喜
青梅並べ儀式めく梅仕事雨李
青梅や隣人夫婦と知る夕べあらいゆう
この地球の美し重力実梅かな荒木響
青梅畑や歌や句の札読みながら荒木ゆうな
ぽとぽと雨粒青梅梅落とし有馬マリア
青梅やカリっと齧る野生の味有本としお
老庭師青梅ひとつ残し去る杏っ子
青梅を打ち落す竿なほ青し猪狩鳳保
あおはるの息吹きかけて青梅に池田悦子
青梅や宇宙にいづる先の星伊沢華純
青梅や今年も最後と母指南石の上にもケロリン
掌中の青梅産毛店の先石本美津
青梅や紅になり天日干し泉恵風
青梅にルンと乗る雨乗らぬ雨いたまき芯
青梅をもぐ手で太鼓叩きをりいつかある日
青梅や五十路ほほゑむ庭潦ゐつしん
青梅や部活帰りのおのこ共伊藤順女
透き通る氷砂糖と青梅と伊藤節子
青梅の取れ高比ぶ日記帳伊ナイトあさか
青梅の瓶を掲げて眺む夜いまいやすのり
産地から今年も青梅いりますか井松慈悦
青梅や孫生まれたる報せあり今乃武椪
仕事などいっか青梅たわわなり藺牟田ボンド
雨上がりたり青梅の初々し岩木順
青梅や智恵子碑の下転がりゐ岩佐りこ
青梅や香りに追われ笊探し岩田秋雀
青梅や重ね重ねて艶を出し上野徹心
酒好きの友とへそとり青梅や上野眞理
青梅や実家の隅で静坐して兎野ふう
青梅や湿気た裏木戸きしと鳴る内田こと
青梅や粒の音させ落とさるる靫草子
青梅や雨声とお茶の注ぐ音宇野翔月
青梅や内緒内緒の盗み食い麗し
やわらかな看護師の声煮梅かな詠・想風土
青梅にデーデーポッポ響く朝江川月丸
妻と吾子青梅造るこっそり飲むえのき筆丸
水弾く青梅そっと押し洗い榎本咲
青梅のうぶ毛ふわふわ瓶洗う榎本奈
青梅実り孫一歳立ち上がり榎本雅
青梅や母のおしえのドリンクをえみくれ
手しごと待つ青梅タライに勢揃いANGEL
シワシワの青梅香りエキス飲む大江戸小紋
風止めば落ちし青梅数多なり大久保一水
ぽたんと音がした青梅が地面大阪駿馬
青梅や山の子の歌山びこもおおさわ酔歩
青梅や素直な気持ち伝えたき大嶋宏治
青梅や漬ける頼りは母のメモ大滝茂生
青梅をつけて待つ身の我うれし大舘さと
青梅の転がる先の眷属さん太田一駄歩
毒消しの梅の青さよ良しとせし大富孝子
ポケットの土産青梅通学路おおにしまこと
青梅やざるに盛られしなすままに大原妃
繁忙期青梅前に逡巡し大原雪
青梅のへた取る母の横顔よ大平都忘れ
青梅が屋根にごとんと落ちる夜大道真波
野道ゆく墓に供ふる青き梅大矢香津
青梅や過疎の田畑の昼下がり岡井風紋
青梅の落つ音近くうたた寝す岡井稀音
青梅やストロベリームーン対岸に岡崎未知
青梅や幼き恋の青くささ岡田いっかん
青梅を摘んで知り得た梅の香を岡田恵美子
青梅もて弄びをる家路かな岡田淑子
青梅や上目に膝を抱く乙女男鹿中熊兎
叫ぶ声青梅五個で手に溢れ岡村宗太郎
青梅や祖母の手の中輝きて岡本
青梅や何日これを瓶揺する丘るみこ
青梅や産毛纏ひしナルシスト小川しめじ
大人にはなりたくない日青き梅沖庭乃剛也
青梅や頑固おやじの声太し荻原玲香
青梅の地上に落ちて濡れそぼつ奥寺窈子
青梅を一粒つまみ鼻にあてお品まり
青梅や就活生の心持ち小高恵子
青梅や妻と二人の居となりて小田毬藻
青梅を薬指に置いてみる小野ぼけろうじん
娘らの弾けし声よ青梅よ海堂一花
金たらい青梅浸かり明日を待つ甲斐ももみ
青梅を二人で漬ける昼下がり影夢者
青梅ももれなくありき裏年が風音
熟成の蜜に沈みて醸す青梅梶浦和子
肩くみて部活の帰り青梅の香鹿嶌純子
青梅や待ち遠しきはロバのパン梶原菫
若き祖母かくありけむや梅青しかすかべえやん
青梅や氷砂糖に溺れ行く風かおる
一粒の波紋となりぬ青梅や風乃絣
みどりごの手に青梅を握らせり片岡明
塩水漬けし青梅の黄金かな帷子砂舟
青梅や吾子のお尻の蒙古斑花鳥風猫
青梅や若手の懸命なプレゼンかつたろー。
青梅が香る小包母の文字加藤水玉
薄日差す窓辺に匂う青梅やかなこと舞い結び
疲労飛ぶ従姉妹の漬けた青梅よ金澤孝子
青梅や尚艶やかに雨纏う金子陽
青梅や見向きもせずに行く鴉金子泰山
青梅や故郷の香り運び来る釛子ふたみ
瓶の中青梅浮かぶ宇宙かな亀岡恵夢
毒はいつ消えたのですか青梅さん亀子てん
青梅を並べ手仕事始まりぬ亀田かつおぶし
青梅を広げて思案妻の顔亀田ミノル
青梅の笊から落ちる固い音亀山逸子
青梅や香り溢れり地に枝にかもね
青梅や脚立乗る人拾う人鴨の里
青梅やお前どちらの道歩むかもめ
青梅キラキラ目の奥が笑ってない花紋
青梅や集いし友ら古希となり花陽
青梅は酸つぱいだらうアスフアルト絡丸いと
青梅のへそ取る楊枝の先の香よかろりーな
青梅や楊枝差し込むへたの穴川蝉小鈴
半ズボン青梅溢るる苔の碧川辺世界遺産の居候
あおうめのきせつうるおうしきのあじ川村裕次
青梅と氷砂糖を手に笑顔間者猫
青梅や葉陰に光もう一つ岸壁の龍崎爺
謎風邪を蹴散らせ数多の青梅よがんも三世
青梅やバケツの並ぶ直売所菊地義明
青梅や甘露煮の照り深まりぬ岸友之
青梅や舞妓の道のなほ遠し酒暮
縁側の青梅に刺す頭文字北田ひまり
主なき青梅思うさま熟せ木谷智子
刻々と変わり行く色青梅かな北の星
青梅硬し夜学生の見る空や北平春風
失恋や青梅噛噛めば六道へ北美三風
青梅や煙で演技する男貴田雄介
青梅もぐ若き父親見せどころ木寺仙游
梅の実やこゝろ色づく恋ありて木下美樹枝
青梅や社務所へ急ぐ赤袴木村カズ
青梅に相談したき事もあり木村かわせみ
枝揺すり青梅拾う背戸の山木村修芳
祖母来たる籠いつぱいの青梅とQ&A
とりどりの色の風吹く青梅にQさん
青梅や返事は母の背中越し鳩礼
葉のかげで一際目立つ青梅や京極江月
青梅をざるに並べて晴れを待つ喜楽胤
青梅一つシャガールのファンタジー霧澄渡
青梅や弾む鼻うた前にしてキン肉アタル
青梅の密やかに廃屋の庭銀のグランマ
青梅の揺り籠揺らす木陰かなきんのすけ
青梅の緑目によし舌に良し近未来
母亡きやさて青梅を如何にせんくぅ
青梅や片恋のままピリオッド句々奈
青梅や総出で吾子をあやすバスくさ
青梅の色づくころやふる里は久信田史夫
青梅の風姉さん被り山降りる楠田草堂
訳ありの青梅三キロ抱きあげるくすみ輝く
青梅や青春の記憶に痼くずもち鹿之助
青梅ひとつ蜂蜜に沈みたりくちなしの香
青梅のうぶ毛に浮かぶ孫の顔くにとうりん
梅の実の一つもいでは香り立つ國吉敦子
青梅よ次男の便り待ち漬ける櫟こかりな
青梅の手仕事挑む厨かな窪田和子
青梅や妹の背伸びるひととせに久保善秋
口中の血豆に沁みる煮梅かな倉岡富士子
青梅やほほふくらみてざるずしり栗田芳文
青梅を静かにもぎる父と母黒瀬三保緑
青梅は熟しきれないあの人か黒猫さとみ
青梅と孫なり口攻防戦桑田栞
青梅や彩り滲む御食国くんちんさま
青梅の香警策響く古刹寺河国老保忠
甥っ子の手に青梅の良いかほり神戸アリコルージュ
青空に鈴なり実る青梅や小梅本野花
床に落つ青梅追うて孫駆ける小木曽暁春
青梅の水に砂糖の溶けてゆく国領柩
青梅とペトリコールの廚かな苔間きい
頬に突く一つ青梅ボクシング胡秋興
青梅にかつかつこつん竹の棒小園夢子
黒土にあまた青梅散りし朝呉桃周行
流水に青梅つける瓶探す後藤葉羽
青梅や摘む手摘む手に風渡る来冬邦子
青梅もドンブラコかと尋ねられ粉山
青梅やゲップひとつに漏るる笑み虎八花乙
青梅や夢まん丸の子供達独楽
青梅の青きを裡に今日の日を小巻淑乃
青梅の彼方にブルーインパルス小山晃
青梅の下並び行くランドセル小山秀行
猫遊ぶコロリコロコロ青梅よコロンのママ
青梅やかつて不良の好青年紺雪ぬくし
青梅や七十路青春旅の空埼玉の巫女
線路端列車に揺れる青梅や齋藤鉄模写
青梅や酢いも甘いも引き受けて宰夏海
青青の青梅僅か匂ひけりさかい癒香
夫の取る青梅受ける白エプロンさかたちえこ
棒振って青梅落とす祖母偲ぶ坂本千代子
青梅や前立腺のチャット聞く相良まさと
青梅や小さな日々を積み重ね櫻井弘子
青梅やころころ吾子の良く笑ふ佐々木正弘
青梅の青を愛でしは喜寿の指笹靖子
青梅や還暦過ぎて早五年さざれいし
瓶の中青梅ゆらし願いごとさざんか
早起きの風や青梅輝けりさち今宵
青梅の香満ちるや雨の午後砂月みれい
青梅をそっとにぎって少し笑む佐藤公
青梅のみずみずしさに孫想う佐藤俊
青梅や気づかぬ鳥のゆらす枝さとう昌石
青梅を嫌な奴らにぶつけたいさとうナッツ
青梅や薄き産毛の柔らかき咲仁木
青梅やへた取る役目孫に継ぐ里こごみ
青梅や今生の問い解いており紗藍愛
帰り道青梅ひとつ頬寄せて三蛄杵
青梅や若葉マークの集う場所四王司
青梅の漬かる瓶ごとオブジェとす塩風しーたん
青梅や食い尽くしたか野鳥どち塩の司厨長
青梅に雨風激し旨味源じきばのミヨシ
青梅や発つものそこに残るもの島掛きりの
青梅の落ちし静寂夜明け前島桜
青梅や餓鬼大将の居ぬ喧嘩清水容子
地に落ちた青梅救ひたい気持ち霜川このみ
青梅と氷砂糖と酒あれば下村修
みなぎりが丸くなりたり青梅かな種種番外
青梅や熟するまでの反抗期じゅんこ
串の先青梅の蔕くすぐらるじょいふるとしちゃん
青梅を叩き落とすや雨上がり正見
掌に重きと言ふ青梅紅滲む白井佐登志
青梅やためらふままにポケットへ白石花仙
青梅やツンデレっ娘(こ)の尖る口白石鈴音
伸ばす手に毒よ食べない母青梅白いねこ
青梅の転がる坂上実家なる四郎高綱
青梅の飛ぶ車窓かなあおによし新森楓大
青梅をひとつ残してオンオフに水都かほりこ
葉隠にうつむき笑ふ青梅や杉浦あきけん
ぷかりぷかり青梅樽の端にをり涼風亜湖
漬け瓶と並ぶ青梅特売日鈴木季良恵
青梅と戻せぬ過去を瓶に詰め鈴木秋紫
生毛ひかりはちきれそうに青梅よすずきじゅん
青梅を蹴ってパスして通学す涼希美月
青梅や足裏へひびく故国の香鈴木由紀子
五つの瓶に青梅凛々と浮きにけりすずしろ桂
青梅や色えんぴつの若菜色鈴野蒼爽
青梅や色くぐもりぬ枝濡れて隅のボレロ
実梅落ち群がる虫の生き急ぎ青児
校庭の青梅溜めて伸びる裾青峰桔梗丘
知らずして青梅かじる幼子や星夢光風
昔むかしのわが恋の香よ青き梅瀬紀
地丘抜けひかる和毛の青梅は摂田屋酵道
ぽんぽんぽんと子の手に放る青梅全美
一粒の青梅に元気をもらうSOSHUN
青梅や毒を孕みて色冴える惣兵衛
青梅はべっぴん李とは違う蘇我のあすか
青梅の産毛の弾く雨しづくそぼろ
未熟なるそのままがよし青梅よ大ちはる
青梅や宵の明星が雲間に高杉光水
青梅はシロップ妊活の実り小鳥遊こはく
緊張の新人来たり青梅の香高嶺遠
身を砕き青梅香り鼻に聞く高橋紀代子
青梅よ瓶の中からどう見える高橋こう
青梅もいずれ皺寄る旨さかな高橋すずめ
青梅や本番はまだこれからだ高橋光加
青梅を齧って泣いた疎開の記憶高旗三紀子
青梅やつまめば堅く美しく田上コウ
青梅に翳す手赤く重なりぬ滝上珠加
青梅ひとつ落ちてをさまる小座布団滝川橋
ガラス瓶ぐつぐつ青梅は午後届くたきるか
青梅や爪先立ちてあとひとつ竹内不撚
青梅を漬け込む音の清々し武部博臣
青梅やこの世を確と糺さむと田代充
色重ねつつ青梅の紙芝居祐紀杏里
及ばずも母の煮梅やほの甘く温故
青梅やほろ苦き五十年前ただの山登家
刈り芝を掻く青梅を蹴りながら多々良海月
青梅や唾を拭いて味噌漬けにたていし隆松
青梅や雨降りの日の観覧車田中みどり
思い切り投げる青梅空を割り谷相
青梅のまま堂々と落ちにけり谷斜六
色味覚今も忘れぬ豊後梅谷町百合乃
青梅や君の出番の季節来るたぬちゃん
青梅や風に踏ん張る枝の先田畑せーたん
青梅や母の手仕事なぞる吾旅がらす
青梅や熟せば願は叶うかや玉響海月
里山の落ちし青梅ポケットへ田丸匡女
メールは未読青梅に繁吹き雨鱈瑞々
氷砂糖消えし青梅や四キロ瓶チームニシキゴイ太刀盗人
青梅のヘタを取る子ら寄り目して智恵子
青梅のへた一つずつ友いづこ智幸子
青梅や産毛を撫づる蚊帳布巾ちさいちそく
特売の青梅赤のでかい文字千鳥城、広ブロ俳句部カナダ支部
庭先の青梅ぽとり吹っ切れて茅野ともぞう
青梅や皴の手ふたつ重なりぬ茶倉
学び舎へ青梅かじり友と行く司蓮風
青梅をかじれば甘みのあらはれり清水ぽっぽあっと木の芽
青梅や今年も瓶の煮沸から月ノイス
赤くなる不思議青梅に問う幼子月の莵
コンテナに青梅老嬢ほっかむり月見里ふく
青梅や搭乗前のキス眺め月見人
青梅に群がる雨ね味渋く月夜案山子
手の内で青梅こねて句をこねて辻瑛炎
青梅や酒になる日を夢に見て辻本四季鳥
振り向けば青梅無邪気の口の中つちや郷里
青梅の香りも色も艷やかにつついぐれちゃん
青梅や納戸の中で熟成し手嶋錦流
青梅やころと笑ひて毒隠す手島こみち
青梅の香を届くるや隣家まで哲庵
青梅や信号のごと赤となり哲山(山田哲也)
青梅の臍ほじる手に染みと皺てん子
口下手の八百屋青梅薦めをりDr.でぶ
考の青梅たわわ曾孫誕生すどくだみ茶
青梅や唇きつく結ぶ癖戸口のふつこ
青梅や先のことなどケセラセラ徳永恵楓
いろいろ灯いろいろ窓に青梅夜とくねん
爪楊枝そろり青梅ヘタぽろりどこにでもいる田中
青梅や中学生の恋めきてとすかのようこ
枝落とし今年青梅五つ六つ戸村友美
梅干しの赤ちゃんですか青梅はトモ倉未翻
青梅をもぎ取る腕の細さかなとよ
青梅や一つ一つに過去未来豊岡重翁
青梅のきらめき水にたゆたひて内藤由子
焼酎に沈みゆく青梅ひとつ長岡美衣珠
青梅は若い素肌の山の精中澤孝雄
青梅を分けて田舎の話など中島紺
梅の実の頬そめゐたる許し色長嶋佐渡
青梅や袋の中に落ち着いて中島葉月
法華花青梅最後の涅槃教中嶋緑庵
青梅と氷砂糖の縞模様中藤雅子
青梅や抱(いだ)かれし子の指伸びし中西千尋
庭の吾子今日も青梅ニ個、三個中村明日香
青梅や夫の手伝い懐かしむ中村あつこ
青き梅母影に漬酒瞑目し中村宏一
八粒の青梅漬けて母は逝き中村こゆき
青梅や一人残業音響く中村雪之丞
青梅や白へと変わるユニフォーム凪ゆみこ
青梅の最も青き道の駅那須のお漬物
地震跡や朝市婆の青梅売夏目坦
庭の小さき青梅小傷も愛ぐし(めぐし)夏雨ちや
青梅やあっけらかんと猿の群ななかまど
青梅や空襲の日も前の日もなびい
丁寧な暮らしの人や青梅買う奈保
梅酒にと青梅笊に摘みにけり生天目テツ子
承諾を急かすピコンと青き梅奈良華咲
古社の庭青梅まろぶ夕映へ南全星びぼ
青梅のハーバリウムや梅酒瓶にいやのる
青梅の顔色を見て空を見て西尾至雲
青梅のころころ転がるゴルフ場西原氷彩
青梅や木登りうまき中学生入道まりこ
青梅や雫纏うか首すくめ庭野せんたく
青梅やジューンブライドの幼な妻丹羽正明
急ぎ足両手竹かご青い梅ねがみともみ
青梅の潔癖症候群に似て猫ふぐ
無邪気なる青梅ころりヘソ天す猫またぎ早弓
万能八寸青梅にさしすせそ野口雅也
ていねいに自己の探究煮梅かな野原一草
ちりちりりん初尻ゆるる青梅やのほほん政子
青梅や採る算段の婆の声則本久江
青梅の出自語りて瓶消毒橋爪利志美
病窓や青梅今年も実りをり波止浜てる
真珠のごと青梅二つ耳飾り橋本有太津
三粒ほどベランダでもぐ青梅や馬笑
青梅やいくつ隠るる葉の奥に蓮見玲
青梅のヘタ取る母娘笑い声初野文子
青梅や氷砂糖をめろめろにはままこみかん
記念樹の青梅主なき庭にはむこ
鼻ぴくり青梅香る雨やまぬ林一途
母介助進まぬ車や葉に青梅原口竹九
青梅のたわわに実る更地かな原島ちび助
青梅や喜寿の女房の台所原田民久
青梅や今年二粒どもならん原善枝
青梅は一夜で黄色に衣装替えharu.k
青梅や女三代手休まずはるっち
青梅や青二才など言わせまじHNKAGA
青梅は朱に染まりつつ圧されをり東沖和季
青梅や香ごと摘み取る祖母の指東原桜空
空き家にも青梅たわわ皆仰ぐ東山たかこ
青梅や「夫婦の日」には食前酒樋口ひろみ
ホワイトリカーに酔はす実梅かなひでやん
青梅と氷砂糖のせめぎあひ鄙び梅乃香
大笊に百の青梅ぎゅうぎゅうとヒマラヤで平謝り
氷砂糖コロンコロ青梅光るひまわりと蒼い月
青梅の瑞々しさに嫉妬してひめりんご
串に刺す青梅の汁目に染みて平井千恵子
夕日浴びつかの間熟るる青梅かな平岡野木路
青梅の垣間の犬に吠えられて比良山
青梅や埼京線に漬かりをり平山仄海
ばあちゃんちの青梅たわわな木にのぼる廣重
実家にと撰る青梅の実太し広島あーやあーや
青梅や一粒ごとに蜜に漬く廣田惣太郎
青梅や脳体力の酷テスト琵琶京子
青梅や妻のお手柄二瓶をびんごおもて
青梅や初々しさを赤で見せFUFU
青梅の徒競走のごと転がって風蘭草和
笊に盛る青梅に宿る天神様深蒸し茶
青梅や果汁じゆわじゆわ後はしわしわ福井桔梗
青梅のラインダンスや粒ぞろい福川敏機
濡れ犬の仰ぐ青梅たわわかなふくじん
小浜より届く青梅海の碧ふくのふく
青梅やポップの王はまた踊る福間薄緑
青梅や大気と土と水の寵福弓
青梅の一粒ごとのつま楊枝藤丘ひな子
選外の青梅のジャム瓶に入る藤崎千里
青梅の産毛さやさや水の中藤永桂月
船頭を急かす青梅先導す伏見レッサーレッサー
青梅の産毛が光る水の膜不二家バニラ
校庭の青梅もぎるセーラー服藤原訓子
青梅浸す光る産毛の魔法古川しあん
青梅のへた取る子らの鼻に汗古道具
認知症進まぬように青梅をべびぽん
見上ぐれば青梅の尻ふっくらと芳醇
青梅や坂の終りに今朝五粒峰晶
バラバラと自由に落つる青梅や暮戯
店棚の青梅に心めぐらせ星雅綺羅璃
青梅の収穫ブルーシート敷く星乃瞳
青梅やアインシュタインここにありポチ太郎
青梅やボンベイ・サファイアを注ぐポップアップ
繁忙期頼る母や青梅摘むほのちゃん
青梅の境界越えて果つ堀隼人
瓶漬けのぎゅうぎゅう青梅身を搾る本間美知子
青梅や筑波の里の空青し牧場の朝
青梅や雅楽の調べに誘われて槇まこと
青梅や雨のひかりに立つ産毛牧茉侖
青梅やラスト五分の汗しぶきまさかわそう
青梅や酸いも甘いも噛み分けて雅蔵
丁寧に夫水気拭く青き梅増山銀桜
青梅や私と母と祖母の性松岡玲子
青梅の箱の香りの宅配便松尾祇敲
青梅もぐ初老の輩意気高し松尾老圃
青梅を一粒かじり難逃れ松平武史
青梅と南紀の風と父と囲碁松知
青梅をつたう雫も酸っぱそう松野蘭
青梅に雨のにほひの雨上がり松本笑月
帰り道不意に青梅もとめけりまやみこ恭
青梅を揺らし踊らすカルヴァドス瑪麗
青梅や葉先に宿る雨雫真理庵
青梅や向こうの見えぬ角砂糖まるにの子
不揃いの青梅もらう山の宮丸山隆子
青梅や濡れし石橋をんなゆく丸山美樹
青梅の小粒に胸の弾みけりまるり
しぼみたる青梅透きゆける果汁三池のり子
虎の子の青梅を煮る母の手よミースミース
青梅やめらんこりいはまだ知らづ三上栞
手のひらに赤子の如く青い梅みかん成人
串突きの青梅の尻揃ふ瓶神酒猫
青梅よ宇宙の下に転がりて三毛乱次郎
青梅や投函できぬラブレター三崎扁舟
青梅よ吾子は緑と言ひてをりmr.kikyo
青梅や慣れぬ都会に皺増ゆる三田忠彦
青梅をグサリ刺したる硝子瓶巳智みちる
青梅やネットたわませ溜まりゆく美津うつわ
青梅の爽やか緑に秘めし毒光月野うさぎ
青梅や雨の最中の収穫日光森光
青梅や初孫抱える我が娘ミナガワトモヒロ
青梅や熟成三月妻と飲む湊かずゆき
網はつて青梅しかと受けとめて嶺乃森夜亜舎
青梅や派遣切り心配する日々みはやななか
青梅おうめ漬けられしこと忘れけり三群梛乃
道端の青梅ひとつ蹴り続け見屋桜花
青梅やシンクの下に亡母の瓶みやかわけい子
青梅や鼻先によせうっとりと宮城海月
青梅や俺の出番と瓶抱え美山つぐみ
青梅や涙閉じ込め去るピッチ麦乃小夏
青梅の笊よりこぼす愚痴一つ椋本望生
葉がくれに青梅たっぷり太りたり霧想衿
青梅や風向き変へるほどたわわ睦月くらげ
青梅や未来のお前を見てみたい無門しゅい
瓶の中青梅我より老けにけり村井もこり
青梅が枝をゆらゆら戯れる村田真
青梅や採らずにおいた場所いづこ村の上の百合女
青梅や長押の遺影またひとつ暝想華
青梅や「アレ」「ソレ」取っての母の声恵のママ
天神の拾ひて返す実梅かな茂木りん
青梅やさやけきこゑの調理室本山喜喜
ほろりほろ青梅もぎし優しき手百瀬はな
青梅や過眠の頭振るひなか桃園ユキチ
家の中姉妹の喧嘩青梅かな森嶋師子吼
日当と青梅一キロの土産森田祥子
記念樹の青梅二十一年目森野恵
青梅やででぽつぽーの声もして森葉豆
記念樹に宿れる想い青梅生る森本千白
瓶の中砂糖と青梅時静か諸岡萌黄
スーパーで青梅の尻撫でる指矢澤瞳杏
家系図を繋ぐ親戚青梅摘む夜寺耕太
青梅の今朝はきれいに掃かれたる野州てんまり
青梅やスカーフ揺るる一人旅安永彩女
青梅のざるにころがる朝光安元進太郎
青梅や香るうぶ毛の水はじく痩女
食べきれぬ青梅今年も漬ける母野風庵
食ってみろ毒には毒の青梅を山内文野
青梅や笊に滴る涎かな山岡寅次郎
青梅やみどりご笊にざこねせり山河穂香
青梅へ雲へかいなを伸ばしけり山口絢子
絆されて青梅漬けたりリカー瓶山口愛
青梅や十一年と母の文字山崎力
傾けて頬よせ待つよ青梅よ山下智
青梅や笑顔が何時かひょっとこに山育ち
青梅や元気ですかと満月に山田一予
ふつくらの青梅かもし垂るる園山田季聴
いろかたち愛でて青梅転がりぬ山田啓子
青梅を掴む亡き父優しき手山田翔子
青梅の熟れきて甘き香気かなやまだ童子
青梅が潰れ転がるアスファルト山田文妙
青梅や小声の口と眉間皺山本八角
青梅や路面のタイヤの水飛沫山本葉舟
青梅を蹴散らし赤い三輪車山姥和
焼酎に浸る青梅虚ろなり友鹿
青梅や千年前の香を放つ夢華
青梅や酒風呂に静かな寝息夢野いろは
青梅を拾ふ姉妹を眺む祖母陽花天
まづいつつつぎにななつと青梅を横浜J子
老いてより獲れぬ青梅熟し落つ横山道男
青梅のシロップ漬けもやや悲しよしぎわへい
青梅の選別といふ哀しさかな吉田蝸牛
新人の私青梅どちらも熟す前吉田徠希
青梅の香熟れゆく香えも云はず香Yoshimin空
青梅に青春重ね未だ古希吉哉郎
青梅や白無垢の列眺めをり米山カローリング
青梅や皺くちゃの手の仕分たる楽和音
産肌に歴史はなくて青き梅楽花生
新妻の胸に青梅梯子のぐらりらん丸
青梅や中学生は坊主刈り竜退治の騎士
青梅に若き母見る幼き日麗仙
青梅やリストラを知る日の無言黎明
青梅の実るや何故に子は孤(ひと)りロジック・ファットフィールド
青梅の一粒こぼれまた籠へ若林くくな
思春期の我かと思う青梅の渡辺香野
青梅よそちシロップになるが良い渡邉白梅
路地入れば青梅つけし鉢二つ渡辺陽子
青梅や青少年は突っ走しる和脩志
満ち満ちて葉隠れ青梅顔を出すわをんはな
- 夏井いつき先生からの一言アドバイス
●俳号には苗字を!
俳号とは、その句が自分のものであることをマーキングする働きもあります。ありがちな名、似たような名での投句が増え、混乱が生じています。せめて、俳号に姓をつけて下さい。
皆で気持ちよく、この広場にて共に学び楽しめますよう、俳号の付け方にご留意ください。
●兼題とは
泣かないで今なら言える還暦の秋宮川亜希子
母が作った梅シロップで夏元気☆たかきいくえ☆
梅雨空にかじる青梅いと美味しお寺なでしこ
念仏の染み入り涼し長野梅デルマ猫
九月には飲みなん青梅の果樹しぼりせいだるま
味見する父にんまりと梅酒かな津幡GEE
青梅の堅きを憎む梅酒漬け良俗倭人
梅干し苦手青梅への屁理屈伊藤れいこ
お梅漬けフォークで穴あけお手伝い小林弥生
歯に当てゝいよいよ青き実梅かな野村喜舟
青海は雨のつまっている匂い二重格子
青海の赤み薄れて黄となりぬしわしわ
神竜(シェンロン)が現るるかも青海落つ月城龍二
一センチのしこり青梅の固さ板柿せっか
本俳句サイトでは兼題が出題されています。今回は、季語「青梅」での募集でした。次回の兼題を確認して、再度挑戦して下さい。
●季重なり
一句に複数の季語が入ることを「季重なり」といいます。季重なりはタブーではなく、高度なテクニック。季重なりの秀句名句も存在しますが、手練れのウルトラ技だと思って下さい。まずは「一句一季語」からコツコツ練習していきましょう。「青梅」以外のどれが季語なのか、歳時記を開いて調べてみるのも勉強です。
●「青梅」をイメージして詠んだ句ではありますが
兼題は、テーマではないので、「青梅」という季語を詠み込む必要があるのです。
●再度のおさらいとなりますが、
今回の兼題「青梅」は、仲夏の季語で、分類は【植物】になります。傍題には「梅の実・小梅・煮梅」等があります。
梅雨に入る頃、熟す前の青い梅の実のこと。砂糖で似て煮梅にしたり、梅酒の材料にしたりします。みずみずしい緑が美しく、すがすがしい印象の季語です。ちなみに、「実梅」は黄色く熟したものを指します。
悩ましいのは「青き梅」「梅青し」という使い方です。歳時記の例句に、を見つけたものですから、今回はひとまず許容はしております。
が、基本的には「青梅」という季語として使うことを推奨します。
「梅」の文字のつく夏の季語には、他にも「梅酒」「梅焼酎」「梅干」「梅漬ける」がありますが、これらの分類は【人事】になります。更に、「青梅雨」は【天文】に分類される夏の季語です。
これらは歳時記を引けば分かる事柄ですので、お手元に一冊歳時記を置くことを強くお勧めします。
また、産地の名前の入った「豊後梅」「信濃梅」「甲州梅」などは、講談社『カラー図説 日本大歳時記』には、傍題となっておりましたので、こちらも許容しております。
●入力ミスだとは思いますが……「青海」
入力ミスによる誤字脱字はよくあります。送信ボタンを押す前の、最後の確認を習慣にしましょう。
文字化けは不可抗力に近いけど、文字化けしそうな字を予測できるかも。
●比喩? 取り合せ?
取り合わせだと読むか、比喩だと読むかによって、評価が変わってくるタイプの句です。解釈が悩ましい。


お待たせしました!6月の兼題「青梅」の結果発表です。今月も夏井先生のアドバイスは必見です。投句を募集していたころに仕込んだ梅シロップが、8月のいまはお風呂上がりのお楽しみになっています。季節とともにある暮しには、何とも言えないうれしさがありますよね。8月の兼題「初秋」もふるってご応募ください。(編集部より)