夏井いつき先生の俳句生活

夏井先生のプロフィール

夏井先生のプロフィール

夏井いつき◎1957年(昭和32年)生まれ。
中学校国語教諭を経て、俳人へ転身。俳句集団「いつき組」組長。
2015年初代「俳都松山大使」に就任。『夏井いつきの超カンタン!俳句塾』(世界文化社)等著書多数。

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9月の兼題

「秋の灯」

7月の審査結果発表

兼題「毛虫」

 お待たせしました!7月の兼題「毛虫」の結果発表です。今月も夏井先生のアドバイスは必見です。「毛虫」と聞くだけでゾッとしがちですが、投句を拝読すると、うごめいたり焼かれたり食べられたりしているさまに詩情を見出す方が多いようです。『堤中納言物語』の一篇「虫めづる姫君」では、毛虫について「思慮深そうで奥ゆかしく、趣がある」と述べられています。そうかなあ、と思いながら画像検索をして悲鳴を上げました。9月の兼題「秋の灯」もふるってご応募ください。(編集部より)

「天」「地」「人」「佳作」それぞれの入選作品を発表します。

画像:天
毛虫己が咀嚼の音に首もたぐ

町田思誠

夏井いつき先生より

 兼題「毛虫」に対して、真っ向勝負を挑んだ一物仕立てです。
 毛虫をじっと観察しておりますと、時折「首もたぐ」という動作をしていることに気づきます。何か気になるものがあるのか、危険を察知しているのかとも思いますが、しばらくすると何食わぬ顔で、首をおろす。その様を「己が咀嚼の音に」よってであるかのように、と把握した点に独自性と真実味があります。
 何の音だろうと首をもたげてみると、その音が止んでいる。首を傾げつつ、また眼前の葉を食べ始める。この繰り返しに「毛虫」という生き物の特徴を捉えたのです。「首もたぐ」という言い切りによって、毛虫のサワサワシャクシャクという密やかな咀嚼音が消える瞬間を、ありありと追体験させてもらった一句でした。

画像:地
憲法や毛虫の炎立ち上がる

岡一夏

 毛虫焼く句は多数ありましたが、上五「憲法や」という詠嘆によって、一句は寓意に満ちたものになります。「毛虫の炎」の向こうに凄惨な戦場を見ているのでしょうか。複合動詞「立ち上がる」に、虚のシュプレヒコールが重なってくるかのようでもあって。

毛虫焼く祖母の火葬のにほひせり

星月彩也華

「毛虫焼く」時の独特の臭いが、嗅覚の記憶を呼び起こしたのです。「祖母の火葬のにほひ」とは、火葬場の煙の匂いでしょうか、焼き上がったお骨の匂いかもしれません。「~せり」の淡々たる言い切りに、悲しみが深まります。

毛虫切る手応えの無さ空は青

井上れんげ

 枝の葉にくっついている毛虫を、作業用鋏で捕らえ、真っ二つに切ったのでしょうか。その余りにも「手応え」のない感触に、ハッと心が動きます。「~無さ」という感触から、下五「空は青」という映像への展開が、その実感を強いものにします。

カサカサの写経を丸め毛虫討つ

トウ甘藻

 写し終わった「カサカサの写経」の用紙を「丸め」て、何をするのかと思えば、「毛虫」を叩くというのです。何かで何かを打つという発想は多々ありますが、祈りの写経と「討つ」という殺生。その取り合わせが、狙い通りの俳諧味となりました。

よく食らひよく糞る子規庵の毛虫

三浦海栗

 病床にあった子規さんは、当に「よく食らひよく糞る」という日常を送りました。上五からの九音分は「~子規」を指すものだと思わせておいて、「~庵の毛虫」と展開させるウィット。作者の手口にまんまと嵌まりつつ、味わわせてもらった作品です。

画像:人
  • 嘴に毛虫ぶん回されてゐる眩む凡

  • 謗らるるほど澄みわたる毛虫の眼浅乃み雪

  • 毛虫光る太陽の金月の銀葦屋蛙城

  • 翅といふ怒りを内に飼ふ毛虫明日ぱらこ

  • 正義とは斯もあやふや毛虫焼く藍創千悠子

  • 毛虫毛虫みんな友だちなんて嘘アンサトウ

  • 葉裏しか知らぬ毛虫の蠢ける飯村祐知子

  • 根も別に良い人でなし毛虫毛虫家守らびすけ

  • 毛虫の毛盛大に嘴こぼれゐしIquedaQuenshi

  • 毛虫身をよぢるよぢる炎に似るイサク

  • 火の星が死んで毛虫が生まれた木泉晶子

  • 毛虫焼き人と話さぬ一日かな石上あまね

  • よりを戻すわけがなからう毛虫焼く伊藤映雪

  • あたしの中の少しのをとこ毛虫焼く伊藤柚良

  • 振られると決めて毛虫を見てをりぬ岩本遥

  • 潮風を刺して毛虫の錆びぬ針海原帆布

  • 毛虫焼く死のうとしない顔ばかり浦城亮祐

  • 立たされるわ掃き掃除だわ毛虫だわ江口朔太郎

  • 毛虫焼く虚子に市井の顔ありし大川すまき

  • 傀儡にも生者のにほひ毛虫焼く沖庭乃剛也

  • 極彩の毛虫の糞の黒きこと樫の木

  • 毛虫這う毛にさざ波のひとくねり木村弩凡

  • 毛虫焼く火も生まれては澄みてをり河埜スミヰ

  • 記念樹のレモンに棘や毛虫這ふこのみ杏仁

  • 毛虫焼かれむらさきの泡噴き出せり齋藤満月

  • シーソーの対岸に波うつ毛虫桜鯛みわ

  • 毛虫はぐれて毒吐くほど淋しい佐藤レアレア

  • 千の毛のまづちぢまりて毛虫焼かる常幸龍BCAD

  • けむしさはさはくすぐつたさうなきぎ正念亭若知古

  • うごうごと毛虫集くや更年期白猫のあくび

  • 暮れ初むる縁切寺に毛虫焼く新濃健

  • 区費集金終え粛々と毛虫焼く涼希美月

  • 艶聞の真偽毛虫の這う速度竹田むべ

  • 逆光に咲くがごとくに毛虫這ふ只野乙華散

  • 焼かれをる毛虫緑の汁を吐く多々良海月

  • うにゆうにゆと群れて毛虫を這ふ毛虫谷山みつこ

  • 箸先に肥えし毛虫の抵抗す冨川ニコ

  • 三人掛けを小さき毛虫に譲りたり友@雪割豆

  • 芳一の耳の行方や毛虫焼く夏雨ちや

  • 烟りたる毛虫美しき湾曲七瀬ゆきこ

  • いつまでもねちやつく毛虫踏みし靴長谷川水素

  • 闇を噛む毛虫の顎の汁みどり畑中幸利

  • 毛虫溺れるポリバケツ欠けているふくろう悠々

  • 毛虫焼く婆の呪殺に似たぼやきふるてい

  • 毒薬めく毛虫の紋の美しき松坂コウ

  • 風に聞く部下の出世や毛虫焼く三日月なな子

  • 毛虫居て緑きれいな入所の日三隅涙

  • 木の洞は根の国の口毛虫這う茗乃壱

  • 食ひつぷり良き理科室の毛虫かな森上はな

  • 椿毛虫ひしめくうごめくさんざめく山姥和

  • 苛めるに足るほどうつくしき毛虫RUSTY=HISOKA

  • 毛虫這う毒毛に宿る雨の粒藍空macco

  • 硝子越し毛虫の腹の百の脚あいれふ葵

  • 王子様だつた毛虫と思しき背青井えのこ

  • やんばるの闇這ふ太き毛虫かな青井季節

  • 這ふ毛虫園児五人の包囲網蒼井小桃杏

  • 憧れのキャンパス毛虫焼くけむり蒼空蒼子

  • 毛虫焼く君の正論聞き飽きた青田奈央

  • 草むらへ毛虫を移す我カンダタ青砥展典

  • 樹葉なき枝にひかりや毛虫這ふ青野みやび

  • 吾の先祖スクナヒコナだと毛虫言うあおのめ

  • 宇宙にも毛虫ゐるらし黒い穴青星ふみる

  • 新顔の毛虫にひるむ貸農園秋月あさひ

  • 過ちにヒリ付く胸と毛虫の禍アクエリアスの水

  • 木陰よりむぞりなぞりな毛虫這い芥川春骨

  • 這う様は戦車のような毛虫かな芥茶古美

  • 毛虫撮る君を遠くに見つめおり朝日雫

  • チャリ走行中毛虫横断中あさみあさり

  • 果実もぐ手に電撃の毛虫かな飛鳥井薫

  • 毛虫ゐて己が殺意に驚きぬあたしは斜楽

  • 香ばしき音をあげ崩る毛虫かな中はじめ

  • ζからΩへかはるけむしをりあねもねワンヲ

  • 近づくな波打つ毛虫映える朱我孫子もふもふ

  • 毛虫ゆく新宿二丁目を朝日阿部八富利

  • 南の地震知るごと毛虫むれゐたりあまぐり

  • 毛虫には反重力の近未来甘茶トーシロー

  • 毛虫焼く焚き付けはアイツの写真雨戸ゆらら

  • 毛虫毛虫明日はバラになっている雨森茂喜

  • 毛虫うだりており水をやる雨降りお月さん

  • ふくふくと毛虫を謳歌してをりぬ綾竹ろびん

  • 数匹の落ちる毛虫とそれ以外綾小路へこ

  • 午後の路潰れて乾く毛虫かな有川句楽

  • 青石は鸚哥のお墓毛虫這ふ有村自懐

  • 夫の背の毛虫どうする思案中在在空空

  • 乱打終えベンチに毛虫また毛虫杏樹萌香

  • 葉裏より光を連れて毛虫出づ安春

  • 無心てふ強靭なもの毛虫這ふ飯沼深生

  • 毛虫好きの少女にもらふラブレター猪狩鳳保

  • 階段のくねる毛虫を追い越しぬ郁松松ちゃん

  • 一匹の毛虫で授業が崩壊中池田華族

  • 不器用に神の塗りたる毛虫かな池之端モルト

  • 毛虫焼く。この星を灼く。ひとをやく、十六夜の花札

  • 聖堂の祈り毛虫の進む床伊沢華純

  • 玄関の毛虫にひとつお題目伊澤遥佳

  • 父帰る門かぶりより毛虫墜つ為参

  • 孵るなり喧嘩売つてをり毛虫石垣エリザ

  • 踏み下ろす先を毛虫の堂々と石田ひつじ雲

  • 小心の能書き長く毛虫焼く石塚碧葉

  • 気づかずに生ける毛虫の付きし枝石塚彩楓

  • 聞き流す稽古毛虫の波打ちて石塚壜太呂

  • 月光を浴びても毛虫毛虫なり石原由女

  • 毒毛虫焼けし火箸のごと頬へ石村香代子

  • 毛虫いま自転車のベル迂回せり和泉攷

  • サンダルの毛虫お前も海が好き和泉園実

  • 残兵のごと一匹の毛虫投ぐいずみ令香

  • トラックが毛虫を踏んで走り去る市川卯月

  • 毛虫這うあの子も今年三十に市川りす

  • 毛虫毛虫身投げするのはちょっと待て無花果邪無

  • 釈尊はいかに思ほす毛虫焼くいつかある日

  • 月光に食痕うねる毛虫かな一久恵

  • 毛虫取るティッシュに揺るる残火かなゐつしん

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  • 焼かるるを免れ毛虫松を喰ふ麗し

  • 毛虫筋肉と腹脚の共鳴詠・想風土

  • 丸まる毛虫子守唄歌う吾子江川月丸

  • 隙あらば毛虫のこんな所まで蝦夷やなぎ

  • 毛虫這ふ端の捲れた絆創膏えぞりすの風

  • 詳細はAIにポイ毛虫ポイ越冬こあら@QLD句会

  • 葉の縁を律儀に食らふ毛虫かな江連守一

  • 毛虫にも美形のありて夕まぐれ絵十

  • ひろ君を泣かす毛虫をやっつける榎本咲

  • 熊毛虫横切りて銀翼高し江水木みえ

  • 一寸の毛虫県道渡り切る遠藤千草

  • 毛虫はやあそこに我も動かねば遠藤玲奈

  • 毛虫焼く修行の足らぬ優婆夷かな近江菫花

  • 伝単に毛虫零るる負け戦大井道芥

  • かの町の震災ニュース毛虫取るおおい芙南

  • 毛虫焼きながら振り向く母の貌大岩摩利

  • 舗装路を泳ぐが如く毛虫行く大久保一水

  • 路の毛虫低い雲から降りたのか大越総

  • 木漏れ日を作りつつ這ふ毛虫かな大嶋宏治

  • 水際の毛虫の影に魚跳び太田一駄歩

  • 言霊の届かぬ毛虫焼きにけり大津美

  • 緑喰ふ毛虫緑の血のかよふ大野喬

  • 雨粒の光を潰す毛虫かな大和田美信

  • みづからの毛もて地に浮く毛虫かな可笑式

  • 突かれて焼かれて毛虫業を削ぐ岡田きなこ

  • 毛虫焼く母を遠目に三姉妹岡田雅喜

  • 毛虫疾く砂岩の傾斜不整合男鹿中熊兎

  • 火の揺れて微か毛虫の爆ぜる音丘なな実

  • 毛虫群る感電めける偏頭痛岡根今日HEY

  • 参道の毛虫に怯えつつ寄進岡村恵子

  • 黒黒と機関車のごと大毛虫オカメインコ

  • 殺されしクラムボン毛虫の眩し岡山小鞠

  • 明日飛ぶか明後日飛ぶか毛虫這う小川さゆみ

  • 雲間より落っこちてきた毛虫かな小川芯歩

  • どうしても焼けぬ毛虫の増すばかり小川しめじ

  • 戦争も原発もなき毛虫の世小川天鵲

  • 毛虫には泣かぬ女となりにけり小川野雪兎

  • この大地を忘れぬやうに毛虫這ふ小川都雪

  • 二の腕のここち毛虫のやはらかさオキザリス

  • 「戦争」に身の毛のよだつてゐる毛虫沖庭ノ華風

  • 這う毛虫杖の先にて潰しけり荻原玲香

  • 母の忌の実家終ひや毛虫這う小倉あんこ

  • 並木道ぽとり毛虫は飛べませんおこそとの

  • 毛虫這う即見ぬふりを貫けりおだむべ

  • 毛虫に腫れて夫は不死身だったはず越智空子

  • 泥濘や毛虫じわりとほどけいくおでめ

  • 姪子の手蠢く正体毛虫なり十八番屋さつき

  • 美しき未来を知らで毛虫這ふおひい

  • 毛虫って葉をちくちくといたぶっておぼろ月

  • 枕草子帯電してる毛虫の背海音寺ジョー

  • 端つこを好む毛虫も妹も海峯企鵝

  • 渾身で車道を渡る毛虫かな火炎幸彦

  • 一途なる毛虫を誰も止められず風花まゆみ

  • 黄泉比良坂壁一面の毛虫風早杏

  • 雨滴波打つ如く毛虫這う梶浦和子

  • ただ生きて焼かれるだけの毛虫かなかすかべえやん

  • 攻撃の間合いはかりて毛虫這うかつたろー。

  • 忠魂の碑文なぞっていく毛虫ひだまりえりか

  • 仏花の毛虫を墓誌のあしもとへかときち

  • 嫌われる毛虫は子どもまだ子ども金子美鈴

  • まみどりをのじのじのじと毛虫かな金田庭園

  • 十年ぶりの自転車毛虫轢かぬようかねつき走流

  • 空き缶の切り口冴えて毛虫這う神長誉夫

  • 千金の翅の夢見て毛虫飼ふ神谷たくみ

  • 突かれて悶えて丸くなる毛虫亀田かつおぶし

  • 毛虫這ふ散弾銃の油艶亀山酔田

  • 百円の着火ライター毛虫焼く花陽

  • 近似するサインコサイン毛虫の毛絡丸いと

  • 相続の席をちらりと毛虫焼く刈屋まさを

  • 叙々苑の弁当の箸毛虫摘む河上摩子

  • 毛虫焼くあの御婦人のあんな顔川越羽流

  • 毛虫にもノアの方舟席ひとつ川崎ルル

  • 二時の方向毛虫の赤毛折れ曲がる翡翠工房

  • 炭鉱のカナリヤ鳴くや毛虫這ふ川蝉小鈴

  • 毛虫焼く藁屑爆ぜて尻汚す川辺世界遺産の居候

  • 右頬へ帯状疱疹毛虫焼く川村湖雪

  • ささくれの多き縁側毛虫這う河村静葩

  • じっとりと生きるばあちゃん家の毛虫喜祝音

  • 曽ての焚書追想し毛虫焼く季川詩音

  • 都庁下の炊き出し記念樹の毛虫きざお

  • 検針のガスメーターに毛虫の黄岸来夢

  • 魚焼く妻よ庭にて毛虫焼く酒暮

  • 読み難し兄の書き置き毛虫這ふ季切少楽・広ブロ俳句部

  • 毛虫這う既読をつけぬ昼休み北大路京介

  • 手をつきし切株になぜ大毛虫木谷智子

  • 毛虫来て毛虫来る狐狸の山門北平春風

  • のぞのぞとひかり掻き分け毛虫這うきなこもち

  • 毛虫這ふ二十万個の毛穴閉づ城内幸江

  • ふうわりと毛虫の針や実家じまい木下桃白

  • かたまって年輪を喰う毛虫かな黍団子丸

  • 音も無く毛虫降るなり背戸の山木村修芳

  • 大望を抱いて睡る毛虫かな木村信哉

  • バス風に埃まみれの毛虫急く木元紫瑛

  • 重文の神楽殿より毛虫垂るQさん

  • 毛虫這ふ拒みしこころ届かざるQちゃん・広ブロ俳句部神奈川支部

  • 毛虫焼く通用門の見守り隊鳩礼

  • 毛虫降るロープここより禁猟区共通因数

  • 毛虫行く仁徳陵に気球発つ京野秋水

  • 銃のやうに持つバーナーや毛虫焼く杏乃みずな

  • 毛虫来る異次元に割れ目あるらし霧澄渡

  • 今生の風の触媒てふ毛虫ギル

  • 雨上がり毛虫の糞の夕焼色菫久

  • 葉のひとひら羽ばたく日を毛虫かなキン肉アタル

  • 輪になって毛虫いたぶる天使たち近未来

  • 毛虫焼く祖母の念珠の黒き艶句々奈

  • 原木を鼓動のやうに毛虫ゆくくさ

  • 毛虫行く愛され方は非公開くすみ輝く

  • 赤点のテストで掬いとる毛虫くずもち鹿之助

  • 毛虫這ふ木の重心をふるはせて熊谷温古

  • 毛虫這ふダッシュボードや高速道倉岡富士子

  • 毛虫もぞもぞモノクロのパッケージ栗田すずさん

  • 毛虫むよむよ波打つて波打つて空流峰山

  • 置き去りのユンボ呑み込む葉に毛虫久留里61

  • 一寸の毛虫に一尺後ずさり黒岩牡丹

  • 毛虫駆除猫の手術は参拾萬黒猫さとみ

  • 甲冑の肩ゆく毛虫ひきかへし玄琶小篇

  • 遠い星々の哲学や毛虫焼く桑島幹

  • コンクリ焼けて円環巡る毛虫くんちんさま

  • 毛虫焼く熊をも撃ち殺せし火で恵勇

  • 毛虫這うて降水帯を呼びにけりげばげば

  • 妹の恋路を呪う毛虫かな欅谷風来

  • 毛虫焼く揺らぐ炎の瑞々し健央介

  • 君まねて毛虫ちりっちり焼く忌日謙久

  • 毛虫ムズ毛虫ムズムズむずかし平和ケンG

  • 毛虫毛虫けむくじやらは嫌ひですかケント

  • 毛虫這ふバットに太き主将の名剣橋こじ

  • 轢かるると思ひし毛虫渡りきる小泉久美子

  • 増えすぎし人に毛虫は焼かれけり剛海

  • 毛虫焼くぼくとおんなじ血の透明公木正

  • スカートに山あり谷あり毛虫あり紅紫あやめ

  • 産土の杜の毛虫を踏んづける幸田柝の音

  • 毛虫、沢蟹、亀轢いてまた毛虫虹博筋

  • 毛虫けむし人は毒吐く獣らし古賀

  • 自転車の轍に毛虫のたうって古烏さや

  • 好きだった君が毛虫を箸で持つ黒望

  • 溜め息にかたちありけり毛虫這ふ木染湧水

  • 毛虫落ち並木の果てを示しけり児玉ひでき

  • 水に浮き寄り来る毛虫祓ふ波虎堂吟雅

  • 毛虫焼く女の顔白く赤く照る呉桃周行

  • お祈りし毛虫をどぶに捨てました後藤周平

  • 全身を棘に毛虫の孤独かな後藤三梅

  • 毛虫にも雌雄有りとて殺せざる来冬邦子

  • 毛虫這う女性グループ相関図古都鈴

  • 毛虫焼く夫の笑ひに骨香る子猫のミル

  • 毛虫食む草にも水をやりにけり虎八花乙

  • 甲斐の国の毛虫大波打ちにけり小林浮草

  • 毛虫焼く男結びの実習生小林昇

  • 十の節波の如這ふ毛虫かな小林脱太郎

  • 渋滞の毛虫の上へ鳥の影小林澄精

  • 風洗ふ毛虫の棘の細密画小林久女

  • 葉を食みし毛虫は鳥に喰はれけり小林理真

  • プレゼン後のあんパン屋上にも毛虫駒茄子

  • 立ち話木陰に毛虫いるようなこむぎ

  • 毛虫焼くその楽しさよ哀しさよ小望月あうる

  • 毛虫焼く鯖街道の分岐点さいたま水夢

  • 毛虫殺めて手も洗はないなんて彩汀

  • 箸の先悶えて落つる毛虫の毛斎藤マカロン

  • 痛きほど朝空青し葉に毛虫齋藤桃杏

  • 触角に邪気のあふるる毛虫ゐてさおきち

  • 星となるひかり毛虫の毛先からさかえ八八六

  • 人恋ひの毛虫をりしか夕まぐれ坂口いちお

  • 白毛虫遺せし糸や友若く沙河小桜

  • 二秒見る毛虫愛しきものとなる坂本雪桃

  • のそりと毛虫カラマーゾフを読もうかな櫻井こむぎ

  • 友情の二文字毛虫覚えてる桜月夜

  • ボタ山を毛虫天竺まで遠く雑魚寝

  • こんにちは無害な方の毛虫ですさざれいし

  • 毛虫焼くころりころりと落ちにけり佐藤恒治

  • 毛虫這う記憶振りきり無垢の羽根佐藤桜月

  • 毛虫這ふ音なき車曲がり来る佐藤志祐

  • 不揃ひのバイタルサイン毛虫落つさとう昌石

  • 背に幽か縋る気配のあり毛虫さとうナッツ

  • 毛虫這ふ一度つきりのうつし世や佐藤浩章

  • 太毛虫トパアズいろの雨の中佐藤ゆま

  • 散る糞の真中に二匹毛虫かな咲仁木

  • ラジオより母語と思へぬこゑ毛虫錆田水遊

  • 合掌は敢えて省略毛虫焼くさぶり

  • 毛虫地を這ふいづれ空を這ふ彷徨ういろは

  • 日は燦々毛虫未来へ毛を立てる紗羅ささら

  • 車カバーはずし毛虫も取りはずし紗藍愛

  • 見過ごせばいずれ誰かが踏む毛虫さるぼぼ17

  • 太陽を喰らい毛虫よ生き延びよ澤田紫

  • 砂利の端まだ見ぬ草へはふ毛虫佐和粉骨砕身

  • 毛虫撫づあんな言ひ方なからうに慈雨

  • 念入りにつま先ねじり毛虫踏む塩風しーたん

  • 雨粒の大小背負ふ毛虫かな柿司十六

  • その下は活断層か毛虫出づ信濃のあっくん

  • 太陽に逆らう毛虫の毛尖り芝歩愛美

  • ひかりめく毛虫と出逢ふポーと呼ぶ渋谷晶

  • 線路わき影を求めて毛虫這う芯歩

  • 私には触らないでと毛虫おる島じい子

  • ほっといて好きで毛虫になってるの島田ユミ子

  • 切株に毛虫輪になり棒になる清水容子

  • ためらひの病もくもく這ふ毛虫志村肇

  • 読み手なき古き本焼く毛虫焼く霜川このみ

  • 帰省の枕元小さき毛虫をる霜月シナ

  • 不使用の鍬出す倉庫毛虫毛虫下丼月光

  • 青空へ毛虫のけ反る一人の背下總和沙

  • その先は浄土にあらず毛虫這ふ下村修

  • ひかりつつ毛虫の列のわたる道じゃすみん

  • 毛虫愛づる吾子よ明日は明るいぞ沙那夏

  • 箸先をうねる重みや毛虫とるしゃれこうべの妻

  • 毛虫見て子らはどうして寄ってゆく修懿

  • 大毛虫這ふ膿むやうなアスファルト十月小萩

  • てきとうに生きてるもんね毛虫泣く十八公

  • チケットの日付は昨日毛虫這う秋芳

  • 戦慄を尾より走らせゆく毛虫シュリ

  • 上りくる毛虫睨みぬ仁王の眼じゅんこ

  • 毛虫よ毛虫こころはどこにあるのだらう白石美月

  • いじめっ子の名前で呼んで焼く毛虫白沢ポピー

  • 毛虫降るベンチでスマホ打つ女白岩座匠

  • 時は来た軍手割り箸毛虫討つ神宮寺るい

  • 毛虫這う万の毛先に陽を集めジン・ケンジ

  • 幼子の水たまりへと突く毛虫新森楓大

  • 美醜なき闇や毛虫の針の艶水鳥レイ

  • 手弱女は熊襲の裔ぞ毛虫焼くすがりとおる

  • 毛虫横断わたしにはわたしの歩幅杉浦萌芽

  • 黒々と糞を標に毛虫をり涼風亜湖

  • 時速二十キロ毛虫かわす車輪鈴木季良恵

  • 取りこぼす記憶が痛い毛虫かな鈴木秋紫

  • 雨ニガイ毛虫の針の萎えゆけり鈴木由紀子

  • 常盤木の花弁ひけらかしつ毛虫鈴白菜実

  • ティッシュ五枚毛虫の手触りを消す鈴野蒼爽

  • 毛虫這ふ三十五度のアスファルト鈴花あこ

  • 毛虫踏む足にざわざわ悪夢なり素敵な晃くん

  • 毛虫踏むその足で出る舞台かな砂山恵子

  • 可愛い声だらう毛虫に声あらばすまいるそら

  • 毛虫焼く煙は天に魂は地に須磨ひろみ

  • 毛虫みな怒れる針を天へ向くすりいぴい

  • トランプの記事に火を付け毛虫焼く晴好雨独

  • 卒塔婆の梵字紛れの毛虫おりせいしゅう

  • 毛虫毛虫可憐なあの子怖がらぬ瀬央ありさ

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  • 白斑いま毛蟲がふがふ残るすぢ摂田屋酵道

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画像:佳作
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  • 毛虫降るレジャーシートにお弁当有田みかん

  • お毛虫さんと呼ばれぬお毛虫さん有馬マリア

  • 毛虫ゐる木陰と知りつ長居して有本としを

  • 舗装路そこのけそこのけ毛虫行く杏っ子

  • 棒でつんつん先の先草毛虫池田悦子

  • 喰い残しし葉脈透ける毛虫かな池田桐人

  • 老木へのたりのたりと毛虫かな池谷萩邨

  • 毛虫居て次のページを読めなくて伊澤ゆき抄

  • 糸吐きて垂れる毛虫に遭遇す石塚彩楓武器

  • 歩道行く黒き毛虫の速きこと石塚紗楓

  • かくれんぼ古木の毛虫じっと耐え石の上にもケロリン

  • 毛虫付くおニューのヒール四センチ石原しょう

  • 殺せねば毛虫を箒にて払ふ石原花野

  • 毛虫焼く命の音やちりちりと一井かおり

  • 焼き討ちのわけわからずに毛虫落つ一秋子

  • 毛虫這い配列ばらけ登校班伊藤薫

  • 黒と黄の太き毛虫を跨ぎけり伊藤順女

  • 黒毛虫皆遠ざけて通る道伊藤節子

  • 毛虫ゐて焼くと云ふ父やめてと子伊藤なお

  • 毛虫駆除母は蝶だと叫び逝く伊藤れいこ

  • 小川には小径のありて毛虫ゆく糸川ラッコ

  • 耳元で不穏なざわつき毛虫かな伊那寛太

  • 黒毛虫行き先は何処ごにょごにょといまいみどり

  • 毛虫トルネードはらってもはらっても今乃武椪

  • ペンションの窓にひっつく毛虫かな岩佐りこ

  • お蚕様の高貴さも無く毛虫かな上原まり

  • ベビーカー怯む帰りは毛虫群うた歌妙

  • ゆらゆらりブランコ毛虫に絶叫が蝦夷の珪化木

  • 毛虫らも生まれ出づゆえ生きてゐる江戸きり子

  • モコモコの毛虫突かれ潰されてえのき絵巻

  • 畑作や毛虫とおけら無農薬えのき筆丸

  • うねうねと変わる紋様でも毛虫榎本奈

  • 今年また垣根越え居る毛虫かな榎本雅

  • 花咲かず毛虫ゾロゾロ今年もかえみくれ

  • ざわざわと鳥肌立ちて毛虫焼く円美々

  • 落っこちてでんぐり返りの毛虫かな大内とら

  • 逆上がりして葉の裏に毛虫みる大久保加州

  • 前世に何しでかしし毛虫かな大越マーガレット

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  • 目指すのはブラックホール毛虫這うみみみ

  • 堂々と毛虫の兄弟渡りけり深森佳鶴

  • 早起きも牛乳箱に毛虫這ひ見屋桜花

  • 天敵の我を横目に毛虫ゆくみやかわけい子

  • 毛虫ゆくつつかれつつもなおもゆく宮城海月

  • 滑り台毛虫に取られ皆帰る美山つぐみ

  • 葉の裏にびっしり並ぶ毛虫は最強宮村寿摩子

  • 毛虫ギャー吾子は花よと飼い始むむじか

  • バイク道一面の毛虫踏み進むムシ・ミカミ

  • 毛虫焼く動画炎上ジェルネイル睦月くらげ

  • 毛虫這う眉毛ピクリと吊り上がりむねあかどり

  • 嘴に囚われもがく毛虫かな村井もこり

  • うっかりと踏まず良かった毛虫かな村先ときの介

  • 毛虫見て我が身戒む夕の道むらた典珠

  • 学童の先生毛虫怖がれり恵のママ

  • ボンネットには気の向くままの毛虫なり望月ゆう

  • 瓜二つ毛虫並べて情のわく森重聲

  • 毛虫いて孫逃げ回る公園で森嶋師子吼

  • 朝朗け食む音聞かす毛虫かな森田祥子

  • スリッパに先客ジジジ毛虫かな森野恵

  • 憎き彼奴のひとりやふたり毛虫焼く森葉豆

  • ぶら下がる毛虫目の前たじろぐ吾森茉那

  • 木の間より揺れる毛虫よ蛾か蝶か森本千白

  • 毛先まで愛の詰まっている毛虫もりやま博士

  • 雨上がり透けた葉裏に毛虫いる諸岡萌黄

  • ケムンパスケムンパスらら毛虫往く弥栄弐庫

  • 迷いなく這いたる毛虫潰さるる矢澤かなえ

  • 緑濃き光射す先毛虫かな矢澤瞳杏

  • 豆の葉の透かし模様に毛虫かな安永彩女

  • ケ、毛虫ッとじゃくった泣き虫職終えし安元進太郎

  • からだじゅう武装し毛虫どこへゆく痩女

  • 挿げ替へた鼻緒で惑ふ毛虫かな柳とうふ

  • ふくらはぎチクチク制服の裾に毛虫八幡風花

  • アスファルトもそもそもそと毛虫行く山内文野

  • 木漏れ日の肩に毛虫の異国人山尾政弘

  • あの日から後先思ひて毛虫かな山川充

  • 盆栽の毛虫の睨むピンセット山口笑骨

  • 校庭の木陰で写生毛虫降る山下智

  • 毛虫落つ跳び退く犬の垂れ尻尾山育ち

  • 翅育つ蛹に溶くる毛虫かな山田季聴

  • 毛虫とぶ地球の大地に不時着す山田啓子

  • 這う毛虫棒で掴んでさようなら山田好々子

  • 這う毛虫今日も待ってるいじめっ子やまだ童子

  • 七匹の毛虫列なし葉を食らふ山野花子

  • 幼き日毛虫に怯えた通学路山野ほたる

  • 並木道いまは毛虫の道となり山本栄子

  • 鳥さつと毛虫を咥へ去りにけり山本栄子

  • 毛虫から遠く離れて観察す山本さった

  • 学期末毛虫と花の持ち帰り山本てまり

  • 毛虫過ぎ背中の震え治まりて山本葉舟

  • 帰路の軽トラ野菜や赤毛虫八幡蝶一

  • 病院に連れていかれる毛虫かな八幡浜うさの

  • 松枯らす毛虫隊列国境友鹿

  • 職人の手元止めたる毛虫玉祐圭節

  • 実家から私に付いて来た毛虫宥光

  • 今生を翔べると知らずまだ毛虫雪鶏

  • 思春期と嫌われ毛虫類似点夢一成

  • 毒針のよろひかぶとや毛虫くる夢野いろは

  • 公道を蠢く毛虫麻雀す陽花天

  • みづのつぶ散りばめ後光さす毛虫陽光樹

  • 毛虫好きはいる「虫めづる姫君」横田信一

  • この毛虫どんな峨になる見てみたい横山道男

  • 昼下がり毛虫の足を数え見るよしぎわへい

  • どこに行く真っ直ぐ進む毛虫たち吉澤多喜男

  • 葉は失せて毛虫よく見ゆ梢かな吉田山茶花

  • 草の葉のタラップゆるり毛虫這う吉田春代

  • 踏まれるぞ毛虫を連れて道の端吉藤愛里子

  • 愛情をおぼゆ毛虫のつつがなしYoshimin空

  • 叫ぶママ子が手を伸ばす毛虫かな吉哉郎

  • 毛虫とて釈迦の糸にすがりたし楽々草

  • 威嚇してるダンダラ毛虫の真正直瑠璃ホコリ

  • 酔いもせず伸び縮みする毛虫なり麗仙

  • 葉に毛虫窓からはご飯よの声わかなけん

  • 先回り先回りして子と毛虫若林くくな

  • わが肩へいずこより来て毛虫付き海神瑠珂

  • 巣網越し百の毛虫の生命揺れわたなべいびぃ

  • 毛虫焼く手慣れし父の棒の先渡邉花

  • この頃は見かけぬ毛虫いづこにぞ渡辺陽子

  • 前世は高市早苗てふ毛虫中島走吟

  • 俳題毛虫散歩道歩く蛍の誘導灯儀間ゆみ

  • 着てみたい毛虫コートが干されてた月夜案山子

  • デマいかにしむける毛虫二回までいたまき芯

  • 南国の毛虫の接吻とどまりぬ風友

画像:今月のアドバイス
夏井いつき先生からの一言アドバイス

●俳号には苗字を!

 俳号とは、その句が自分のものであることをマーキングする働きもあります。ありがちな名、似たような名での投句が増え、混乱が生じています。せめて、俳号に姓をつけて下さい。
 皆で気持ちよく、この広場にて共に学び楽しめますよう、俳号の付け方にご留意ください。


●兼題とは

  • 茜色記憶薄れて夢綿毛大富孝子

  • 梅雨闇に明滅を追ふ視野検査阿修羅

  •  本俳句サイトでは兼題が出題されています。今回は、季語「毛虫」での募集でした。次回の兼題を確認して、再度挑戦して下さい。


    • 火ばさみで次々と抗せぬ青虫古川しあん

    「青虫」と「毛虫」は別の季語です。歳時記を引いてみましょう。


    • 蝶が舞うもしや君あの毛虫さん田中謙三

     これは「毛虫」の句というよりは、「蝶」の句だと考えるべきでしょう。


    • ホ別2とスーツの毛虫またひとり甘陀

     確かに、「毛虫」という言葉は入っていますが、人物を比喩している句だと考えられます。季語を比喩に使うと、季語としての鮮度は低くなることは覚えておきましょう。


    • 毛虫避けるごとく人に避けられて中村雪之丞

    • 毛虫より苦手なヤツが明日来るさかたちえこ

    • 毛虫より害ある汝の叫び声桂佐ん吉

    • 毛虫にも嫌われそうな彼の顔おじゃる子

    「毛虫」という季語を比較の対象として使っています。俳句においては季語が主役となるべきだと考える立場としては、この「毛虫」の扱いについてはもう一工夫欲しいところです。


    ●季重なり

    • あおいかぜあおばひらひらけむしはう川村裕次

    • 羽音しき狩り蜂に噛まるる毛虫白石鈴音

    • 佇めば毛虫の歩く端居かなせいだるま

    • ビオラにツマグロヒョウモン黒毛虫  微妙ですが京極江月

    • 毛嫌いか舞う蝶見つめ毛虫見る村田真

     一句に複数の季語が入ることを「季重なり」といいます。季重なりはタブーではなく、高度なテクニック。季重なりの秀句名句も存在しますが、手練れのウルトラ技だと思って下さい。まずは「一句一季語」からコツコツ練習していきましょう。「毛虫」以外のどれが季語なのか、歳時記を開いて調べてみるのも勉強です。


    ●「や」「かな」の併用

    • 庭に生く羽ばたく夢や毛虫かな平本文

     一句に、切字を二つ 入れると感動の焦点がブレるということで、嫌われます。どちらか一つにしてみましょう。


    ●どちらの仮名遣い?

    • それはきつと走っているのだね毛虫さむしん

     歴史的仮名遣いを選ぶか、現代仮名遣いを選ぶかは、作者の選択です。この句の場合は、「きつと」と促音「っ」が大きく表記されているので、歴史的仮名遣いか(?)と思えば、「走って」は小さな「っ」になっているので現代仮名遣いです。「いる」も現代仮名遣いですね。一句における仮名遣いは、統一する必要があります。

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9月の兼題

「秋の灯」

過去の審査結果

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